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2018年02月16日11:06

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ラクサンポ36

私の名前は川口民雄。子どものころから、周囲から浮いていた。学校の成績は低空飛行で、お情けで卒業させてもらった。小学校低学年のころからごく普通に生きられないと堪忍した。なんでみんなと同じことができないのだろうか。学校時代の運動会、学芸会、展示会、修学旅行で、周囲のクラスメートと同じ行動をとるのに、非常に神経を使った。仕事をいくつか渡り歩き、発達障害を支援するNPOで働いている。大人になって、検査を受け、検査の結果で、読み書きはかなり厳しいことがわかった。発達障害当事者は別に努力して、普通に見せようとしても、無理である。例え給与は低くとも、暮らしていければ、文句はない。この仕事は自分に向いているようだ。発達障害トラブルシューティングが仕事になった。

地下街を歩く、川口、独り言を言いながら、歩いている。

「ああ、フリースクールなんか。夢の夢だな。普通に学校の先生になる教職を取って、教員を目指せば、よかったのかな。だけど、教育実習に行くのが嫌だったからな。それからクラブ活動の顧問、勘弁してほしかった。教えることはできないと諦めた。運よく大検予備校で専任講師に採用されたのが、運命の別れ道だったのかな。教えるなんて、仕事はできるわけないと思っていたが。やっているうちに教えるのが面白くなった。生徒たちが合格しくれると、最高だった。それを三年続けると、自分は予備校講師が適職と思うようになった。知らない間にのめり込み、なにも見えなくなった。自分はなんでもできると過信してしまったんだ。ああ、又、周囲に友だちがいなくなった」

川口が菓子販売店の前を通りすぎようとした。

売り子(女)
「東京名物、幻のお菓子。ここでしか買えません。ここが列の最後尾です。今日で最終日です。今日、買わないと後悔しますよ」

川口
「試しに並んでみるか」
列の最後尾に並んだ。男女半々の20数人が前に居た。
 



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