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2018年02月10日01:15

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゚Д゚) < 南国千一夜 (Prapancha Pash / A Throw of Dice)

靴を脱ぎたいけど脱いじゃダメ…!? 映画館での葛藤
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=134&from=diary&id=4979447

 前にインド映画祭行った後に、ネット上の感想読んでたら「両隣の男性が途中から靴脱ぎ出して、臭くて我慢できなかった」って言ってる人がいて「う…脱いでたかも」と思ってから靴は脱がないことにしてる。うん。
 まあ、あとは何かあった時にパッと外に出やすい席に座るようにしとくってことかなあ…チケット買う時コロッと忘れてて真ん中の席買っちゃうことが多いんだけども。ムゥ。
 とりあえず、人の邪魔にならないようにってことで頭を低くして後ろの人の視界をふさがないようにもしてるけど、1時間すぎる頃に腰や尻が痛くなってきちゃってね…。

 ここはひとつ、時間の短い映画を見るって手を使えば、すべて解決ではないだろうかどうだろうか(しねーよわーい(嬉しい顔))





南国千一夜 (Prapancha Pash / A Throw of Dice) 1929年 74分
主演 シーター・デヴィ & チャルー・ローイ & ヒマンシュ・ラーイ(インド側制作監修も兼任)
監督 F(フランツ)・オーステン
"私の贈り物であるサイコロが、君に幸運をもたらすかどうか…やってみようではないか"

https://www.youtube.com/watch?v=njnfmIybf5I

 静寂が包むインドの密林にて…。
 森に住む隠者の娘スニータは、その日騒がしい行進を目にする。聞けば、森の外からやってきた賭博好きな王たち…従兄弟同士のランジット王とソーハン王…が虎狩り争いをしに来たのだと言う。

 その一方ソーハン王は密かに部下に命じて、狩猟の流れ矢に見せかけてランジット王を殺そうとしていた。狙い通り毒矢に射抜かれたランジット王だったが、従者たちによってスニータの父である森の薬師カンワのもとに運ばれ一命を取り留める。
 計画が失敗したことに憤るソーハン王はしかし、甲斐甲斐しく従弟の治療にあたる美女スニータを見初め、同じように患者であるランジット王もまたスニータを愛するように…。

 
わーい(嬉しい顔) 20年代後半〜30年代末まで活躍したドイツ人映画監督フランツ・オーステンの最高傑作と称される、独印合作(正確にはヴァイマル共和政ミュンヘン王国+イギリス領インド帝国の合作)インド時代劇3部作の3本目の作品。叙事詩マハーバーラタの一編を映画化したサイレント映画である。副題は「A Romance of India(インドのロマンス)」。
 後世、インド映画史上初のキスシーンが登場する映画としても有名になった。

 ドイツ公開版「Schicksalswürfel」としても公開され、英語版は米国でも公開。日本での公開記録はないらしいけど、「南国千一夜」の邦題で知られている…よう?(どこかでイベント上映されているのかな?)
 06年にインド独立60周年記念作としてデジタル復元され、オリジナル版のウィリー・シュミット=ゼントナーによるオーケストラ音楽に代わって、印系イギリス人作曲家ニティン・サウニィーによる新規オーケストラが映画全編で使用されている(演奏は、ロンドン交響楽団!)。07年の英国はケンブリッジ映画祭にてリストア版が初上映、その後も各地で上映され再評価されている。

 冒頭から最後まで、壮大なオーケストラ楽曲に彩られた豪華さで描かれる恋の三角関係がもたらす人間の悲哀を描く上品さが、舞台演劇的であるとともに叙事詩的な匂いを醸し出す。
 話の中心にして男たちを狂わす美女スニータの初登場シーンの美貌も印象的なら、彼女が住む森の描写に現れる数多の動物たちの多様性が、欧米へ向けたインドの自然をアピールするかのように美しく壮大。その撮影は、1万人のエキストラ、千頭の馬・象・虎によってラジャスターンやアジメールで行われたと言うから、この時代からインドはスゴい。

 物語は、善人であるが素朴かつ人を疑うことを知らないランジット王と、狡知に長け陰謀好きの悪人ソーハン王という親友2人が、美女スニータをめぐり、あるいは賭博好きという性格故に、その友情と愛情の崩壊を招く様を描いていき、ある程度予想の範囲内の三角関係の結末を迎える。
 舞台は、森、隠者の家、王城、郊外の荒野、結婚式場とさまざまに展開し、3人の織りなす人間関係の移ろいを表現していく。サイレント映画でこれだけの豪華絢爛さが見れるのは眼福ってやつですわ。
 同じフランツ・オーステン監督作「亜細亜の光(Prem Sanyas / The Light of Asia)」で、主役カップル同士を演じたヒマンシュ・ラーイとシーター・デヴィが、本作では悪役の恋敵とヒロインという”愛を勝ち取り得ない関係”を演じてるのも興味深い点、かな? シーター・デヴィはまだこの時16〜17才頃らしいけど、そんなん感じさせないバリバリな女優オーラがスゴい…。

 善側主人公ランジット王を演じたチャルー・ローイは、1890年英領インドのベンガル州バハランプル(またはベランポール)生まれ。
 25年の「亜細亜の光」で衣裳デザインを勤めて映画界入りしたようで、続くフランツ・オーステン監督のインド時代劇「Shiraz(シーラーズ)」で男優デビューし、同じ年の「Loves of a Moghul Prince」で主演&監督デビュー(監督は、同じくこれが監督デビューとなるプラフラ・ローイとの共同)。以降、30年の「Bigraha」で単独監督デビューとなり、39年の「Pathik 」まで映画監督として活躍。1971年、西ベンガル州カルカッタ(現コルカタ)にて物故される。享年81歳。

 2人の王様のお話ということで、そこに出てくる絢爛豪華な衣裳風俗や建築物、従者たちの所作の美しさも見もの。
 白黒画面でもわかるキンキラな宝飾品や刺繍がアップ画面に映え、舞台演劇的芝居の大仰さが消えて軽快に見えてくる、時代劇的立ち居振る舞いをこれでもかと飾り立てる。
 直方体のサイコロもオリエンタルな雰囲気を醸し出して「へえ!」ってなもんだし、そのいかさま細工もおもしろい(お話の時代設定が、どの辺に設定されてるのかが気になる作りだけども…)。

 しかしまあ、この物語のラストに反省して「賭博はもうしない」とかいう王様が、ホントに賭博を以降絶対しなかったのかどうか気になってしまうギャンブル気質な王様でしたことよ。うん。



・フランツ・オーステン&ヒマンシュ・ラーイによるインド時代劇サイレント映画3部作の第1作「亜細亜の光 (Prem Sanyas / The Light of Asia)」はこちら
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1962149593&owner_id=3570727


・Prapancha Pash / A Throw of Dice を一言で斬る!
「寝込みをコブラに襲われるシーンに、本物のコブラを頭に這わせてるよ…ヒィィィ」
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