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2018年01月30日20:00

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なんで優性政策と言うのはうまくいかないのか

このニュースにもありますように
優性保護法と言う法律は 元を正せばナチス・ドイツの政策の真似です

ヒトラーは
「治療より予防」
という一大スローガンの下に公衆衛生政策を実行し
結果として 多くの感染症の拡大を食い止めることに成功しました

しかしですね〜
感染症と遺伝子疾患は 疾患の仕組みそのものが違うんです

感染症と言うのは 言うまでもなく黴菌やウイルスや原虫などに感染することによっておきる病気です
つまり 適切な予防接種や 感染者の隔離などを地道に積み重ねれば 必ず成功します

これに対して 遺伝子疾患と言う代物は
人間の遺伝子にバグがあって
そのバクによって引き起こされるものなんです

たとえば ある遺伝子疾患の遺伝子を 100人に1人が持っていると仮定します

また この遺伝子疾患は 劣性遺伝子が父親と母親の両方から受け継がれることによって発症するとします

この場合 理屈上は1万人に1人の割合で その遺伝子疾患は発症します



もし そうやって産まれてきた子供「だけ」を断種しても
もともと100人に1人の割合で持っているその遺伝子を根絶できるはずがありません



また 最近のゲノム解析の結果
人間は誰でもみんな
こういう遺伝子疾患の「種」を 300くらいは持っていることがわかってきました



誰でも300くらいの遺伝子疾患の「種」を持っているのに
優性思想なんて なんの意味があるのでしょうか



また そうやって優性思想を突き詰めて考えていくと
誰だったら「遺伝子を残してもいい」のでしょうか

(以下 第二段落)

この遺伝子疾患の中に
「サラセミア」
という難病があります

この疾患を持っている人の赤血球は すぐに壊れてしまうので
単純に「生存」として考えた場合 明らかに不利です

しかし これがマラリアの流行地域になると話が逆転します

このサラセミアの患者さんにマラリア原虫が感染すると
マラリア原虫は必ず赤血球に感染するのですが
その赤血球が簡単に壊れてしまうと マラリア原虫は生きていくことができないので
マラリアへの「耐性」「抵抗性」という視点で見ると
明らかにサラセミアの患者さんのほうが有利なんですよね…

逆に 大昔の狩猟時代だったら 近眼は非常に不利な遺伝子疾患でしたが
今だったら メガネをかければいいだけでしょ?


このように 一様に遺伝子疾患と言っても
その時代であり地域でありによっては 
明らかに生存上有利であったり 今では言うほど不利ではなくなってきたりしています

ここらへんがわかってきたら
「優性思想」
が 逆に非常に危険な思想であることがわかってくるはずです









旧優生保護法 不妊手術9歳にも
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=4964430
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