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2018年01月06日14:09

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12月の読書記録

先月は前半は調子が良かったのだけれど、後半は何かとバタバタすることがあって、思うように読書が進まず。結局11月とほぼ同じような結果になった。今年も頑張って(?)本を読むようにしよう

2017年12月の読書メーター
読んだ本の数:13冊
読んだページ数:4578ページ
ナイス数:110ナイス

https://bookmeter.com/users/4147/summary/monthly
■炉辺荘(イングルサイド)のアン―第七赤毛のアン (新潮文庫)
本作では主人公はアンから六人の子供達に移った感が。ただ、それぞれが何がしかの形でアンの性質を受け継ぎながらも、子供時代のアンの魅力に到底及ばないのは、致し方ないというべきか?ただ、ぼの凡庸さゆえに、身近に感じられるというか、「そういえ子供のときばこういうことあったよな」というエピソードに事欠かなかった。また、とりわけ印象的だったのは、子供達の失敗や突飛な行動にも包容力と理解を示すアンの態度。母親たるものかくあるべし、と思わせるのだけれど、現実にはやはり難しいのか?後最後のエピソードにはホロっときた。
読了日:12月31日 著者:モンゴメリ
https://bookmeter.com/books/416599

■アンの夢の家―第六赤毛のアン (1958年) (新潮文庫)
夢想好きな性格は変わらないまま円熟期に入るアンを強く意識させれた。そういえば、本作には前作までに見られたツンデレキャラとか、敵役敵存在が皆無ということに気づかされる。恐らく多くの人がそうだと思うが、個人的にとりわけ惹かれたのが、レスリーの数奇な運命とその恋物語。この辺りは作者の真骨頂という感じで、話の展開はある程度予測できるのだけれど、でもついその先が気になってしまうという絶妙な筆致。それから、アンの最初の出産が痛ましい結果になったのにはちと驚き。だからこその次の出産が更に喜ばしいものになるわけだが。
読了日:12月28日 著者:モンゴメリ
https://bookmeter.com/books/150050

■アンの幸福―第五赤毛のアン (新潮文庫)
一作目の鮮烈なイメージがかなり希薄になり、校長という肩書きもあって、奔放なアンの性格も落ち着いたものとなり、幾分食い足りなさを覚える。それでも幾多の困難にもめげず、最初は敵対していた人達とも次第に打ち解けていくその性格はやはり変わらず。敵との和解のエピソードはベタだけれど、個人的には好き。ただ、後半学校でのエピソードが極端に少なくなっているのが、ちょっと残念だったか?そこでこそアンの特性が発揮できると思うのだけれど。後、エリザベスが最後に幸福になったのにホッ。それからラストのレベッカの行動にグッときた。
読了日:12月26日 著者:モンゴメリ
https://bookmeter.com/books/416597

■アンの友達―第四赤毛のアン (新潮文庫)
これは「外伝」という趣で、アンは殆ど登場せず。そして、「アン版『黄昏流星群』か?」と突っ込みたくなるくらいに、中高年カップルのエピソードが多い。同じく独身中年として、身に覚えがある話があるわけではないが、妙に身につまされる(苦笑)。後、モンゴメリって、ツンデレキャラの人が多いな…と改めて認識。一見強面だけれど、実はいい人というのは、ベタだけれど、僕は結構好きだな。個人的にはかつての恋人の娘をまさに身銭を切って、献身的に尽くす「ロイド老淑女」が一番グッときたか。中高年向けのアン入門にはうってつけかも?
読了日:12月18日 著者:モンゴメリ
https://bookmeter.com/books/416596

■アンの愛情―第三赤毛のアン (新潮文庫)
かつての過剰なまでのおしゃべり癖は治ったものの、夢見がちで、時にそそっかしさを発揮する性格はそのままに、徐々に成熟していくアン。彼女の変化と共に、周囲の人々もある者は成長し、ある者は鬼籍に入る…その過程はあまりに当たり前であるが故のリアリティを感じさせる。そして、そのごく当たり前の出来事であるはずのエピソードがどうして?と思えるほどの生き生きとした躍動感でもって、読者の心を鷲掴みにして話さない、この魅力は一体何なのだろう?とりわけ、ギルバートとの関係に目が釘付けになること請け合い。その顛末にほっと一息。
読了日:12月17日 著者:モンゴメリ
https://bookmeter.com/books/482869

■アンの青春―第二赤毛のアン (新潮文庫)
伏線から後の話の展開がある程度読めるのだけれど、それでも読み進めるのが楽しみでしょうがない…物語の醍醐味というのは、まさにこういうところにあるのでは?と思わされることしきり。成功すると思っていたことが失敗したり、失敗したと思ったことが成功に結びついたり、嫌な人と思っていた人が実はいい人だったり…ベタな展開といえば、そうなのだけれど、やはり人はそういうのが好きなんだなと思わされる。個人的にはデイビーの記述に比べて、一方の双子の片割れドーラが等閑にされているのが気になる。後、ギルバートとの恋の行く末は?
読了日:12月16日 著者:モンゴメリ
https://bookmeter.com/books/421760

■赤毛のアン―赤毛のアン・シリーズ〈1〉 (新潮文庫)
昔から面白いとは聞いていたけれど、これ程までとは…話作りの巧みさ、多彩な人物造形、躍動感溢れる会話文…物語の魅力とはこれだ!!と言いたくなる。時にあまりにもの長舌ぶりにいささか辟易させられながらも、その想像力溢れたアンの話にはやはり惹きつけられずにはいられない。また、ただのお喋りというだけではなく、頭の回転が早くかつ努力家でもあるという意外な一面を見せるのも余計にそそられる。後、かつては天敵視していたギルバートに徐々に心を開いていくプロセスも心が躍る。このシリーズを繰り返し読んだ人の気持ちがよく分かる。
読了日:12月11日 著者:ルーシー・モード・モンゴメリ
https://bookmeter.com/books/537931

■おとうと (新潮文庫)
誰も悪い人はいないのに、でもなぜか皆どうしようもない不満を抱えてしまう…家族とはかくも難しいものなのか?放蕩の限りを尽くしながらも、時折弱気な面を見せたり、父親譲りの文才を発揮する碧郎は、もっと違う環境に置かれれば、別の人生を送れたのは?と思うことしきり。後、意外だったのは父親が意外と息子に甘いこと。てっきり頑固一徹な父親だとばかり想像していたので、これにはちとはぐらかされた感が。後、それなりに継子と折り会おうとしながらも、どうしても安定した関係が築けない継母の姿も切ない。先に読んだ『放蕩記』を想起した。
読了日:12月07日 著者:幸田 文
https://bookmeter.com/books/514558

■流れる (新潮文庫)
一見何てことのないタイトルなのに、読み進めていくにつれ、その重みが段々と増していき、そして著者後書きでズドンと読者の心に落とし込まれていく気がする。解説によると本作が著者の小説家としてのスタートを切るものだったとのこと。それゆえの性急さはもちろんのこと、ある種の風格と只者ではない巧みさを湛えているのに驚かされる。同じく花柳の世界を舞台にしたということで、荷風の一連の作品を思わせるところもあるが、そこはご愛嬌と言っていいだろう。ただ、半世紀以上も前の作品に注釈がないのはどうかと思うが。ぜひ、改装版を。
読了日:12月06日 著者:幸田 文
https://bookmeter.com/books/517390

■哲学の誕生: ソクラテスとは何者か (ちくま学芸文庫)
理解の程は怪しいが、一読して非常にスリリングかつ画期的な哲学書だと思った。何よりソクラテスを主題的にとりあげた本というのが新鮮。そして、とりわけびっくりさせられたのが、ソクラテスの代名詞とも言える「無知の知」という言葉がいかに誤解に満ちていたものだったか?という考察。単なる素人の思い込みではなく、哲学史でも一般に教えられていたのだから、この事実は重い。これは今後長い時間をかけて正していかねばならない問題だろう。またソクラテス文学という側面から彼について論じるというのも、非常に興味深い試みだと思った。
読了日:12月05日 著者:納富 信留
https://bookmeter.com/books/11584721

■授乳
処女出版でこんな本をものにしていたのか…と少なからず驚かされた。先に読んだ『コンビニ〜』に感じた巧さが本作にも既に息づいている上、それが嫌味にならない程度に著者の世界観(?)と絡み合っているところに好感が持てる。また、多和田葉子氏と作風が似ているというのもよい意味でちょっと気になる。また一方で、著者が作家仲間からクレイジーと呼ばれる背景がわかる気がした。極端にエキセントリックではないけれど、どうしても一般社会からずれてしまう主人公達は、著者のペルソナが何某かの形で反映されているのでは?と勘ぐってしまう。
読了日:12月04日 著者:村田 沙耶香
https://bookmeter.com/books/541109

■慨世の遠吠え2
概ね興味深く読めたものの、新味に乏しいというのが正直なところ。鈴木氏による前書きにもあるように、基本的に内田氏が語り手、鈴木氏が聞き手という図式になっているためか、今ひとつスリリングさに欠けるというか。そこで語られる内田節も教えられることはあるが、でも一方で「何だかな…」感が拭えない。例えば佐藤優氏だったら何というだろう?てなことをつい考えてしまう。ただ、本書から浮かび上がってくる日本の実情の酷さにはやはり暗澹たる気持ちにならざるをえない。特に鈴木氏が右翼から放逐されたという事実に愕然とせざるをえない。
読了日:12月04日 著者:内田 樹,鈴木 邦男
https://bookmeter.com/books/11497324

■日本の近代とは何であったか――問題史的考察 (岩波新書)
昨今の新書には珍しくかなり重厚な内容で、ある程度日本近代史の知識がないと読みこなすのは難しいかも。とりわけ、日本の経済史、及び政治史をとりあげた章は、正直読み進めるのが辛かった。このあたりは改めてじっくり再読する必要あり。これはできれば、新書ではなく、単行本で詳細な注釈をつけた版で読みたかったと無い物ねだりをしてしまう。とりあえず、日本の近代化がどれだけ危うい状況の中で進行していったか、そしてそれがどれだけ世界史的に見て稀有なことだったか、は理解できた気がする。今後の日本について考える上でも有効な一冊。
読了日:12月01日 著者:三谷 太一郎
https://bookmeter.com/books/11604424


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