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2018年01月04日22:40

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心から尊敬と敬愛と信心の 対象であらせられる SF小説界の巨人、筒井康隆さん>

凄い人列伝 2 「SF作家 筒井康隆さん」



2012-11-12 10:37:11
テーマ:虎の威を借りてるわけじゃない


まずはお詫びというかエキスキューズをば。

ブログの更新が滞りがちで、メールなどで
「いつ更新するのか?」等々、
催促されちゃってもいるんですが、
いろいろと事情があるんですよね。

実は、下書き段階のものは12個ほどあるんですが、
アップするタイミングを逃しちゃったりしてまして。

で、アップできなかった理由の中で
一番困るのが、ブログをアップするたびに
「えー、そんなことに引っかかるわけ?」的な
イチャモンというかクレームをつけてくる人が
おりまして。
その人の感情とかを考えちゃうと、
どうも、ねえ。
はい。

いや。
それが全く見ず知らずの他人ならば、
スルーすればいいんでしょうし、
そもそもネットというものは、あらゆる人に
賛同されることは元より不可能なことを
分かった上で書いているんですが、
見知った人間、それも、僕としては
かなり信頼というか、親しくお付き合い
させていただいていたはずの人間からの
クレーム、それも直接ではなく、
間接的に伝わってくるクレームというのは、
どうにもこうにも困るというか、
ブログ更新を躊躇っちゃうわけです。

「酒井さんさ、この前、ブログで、
◯◯◯って書いたでしょ。
あれを読んだ、△△が妬んでたよ」
とか言われた日には、
「はあ? どーすればいいの?」ってなるわけです。

「妬み」っていわれても、全くのお門違いだったり
するものですから、本当、困りものです。

はい。

とはいえ、
実は書き溜めたネタはかなりありまして、
おいおいアップしていこうと思います。


では本題に戻ります。

****************

虎の威を借りてるわけじゃないけど、

僕の人生で出会った凄い人たちとの

思い出を語ろうコーナー、
第2回は
僕にとっての、
永遠の神様、

心から尊敬と敬愛と信心の 対象であらせられる SF小説界の巨人、筒井康隆さんです。




筒井康隆さんは、
僕が物書きを
志すことになった憧れの作家さんです。

正確な記憶は定かじゃないのですが、

はじめて筒井作品に触れたのは

小学5年生の頃だったはずです。



兄が二人いたせいで、

家には、数多くのSF小説の文庫が
ありました。



長兄は小松左京が、
次兄は半村良が好きだったのかな、
確か。


星新一は兄弟3人とも好き、みたいな。

そんな中、もちろん筒井作品に触れる機会は多く、
ごく自然に、筒井康隆という
天才の作品を、小学校高学年から僕は読んでいたことになります。

一番衝撃を受けたのは、
「日本列島七曲り」という文庫の中の
「郵性省」という作品でした。

いわゆる超能力モノのジャンルに入る作品ですが、
その超能力というのが
テレポーテーション、つまり瞬間移動なんですが、
テレポーテーションするための儀式というか、
やんなきゃいけないルールというのが、
◯◯◯ーなんです。はい。

もう、ぶっ飛びました。

(詳しくは書きません。ていうか、書けません。
とにかく読んでみてください)

確か、はじめて読んだのが中1だったんですが、
実は僕、その時まで、奥手にもその行為をしたことがなく、
つまりは、筒井康隆の小説ではじめて知り、
それを実践するべく行ったのが
◯◯◯ーの最初という、
ウソのような本当の話だったんですね。

で、それから15年が経って、
僕が脚本家としてデビューして3年目か
4年目のことでした。

僕は、東映の特撮ヒーローシリーズの
「特捜エクシードラフト」を皮切りに、
大した実力もないくせに、
運と人間関係だけで、
案外トントン拍子にシナリオ作家として
生きておりました。

出会うプロデューサーさん、監督さんたちに、
「いつか、筒井作品を僕の脚本でドラマ化したい」と
飲み会でいつも言ってたんです。その頃。

そしたらです。
今でもはっきりと覚えています。
とある真夏の日の、深夜1時頃でした。

「こんな時間にごめん。酒井さんさ、
筒井康隆って好きだったよね?」
「もちろんです。全作品読破してます。ていうか
筒井康隆全集、全24巻持ってます」
「話が早いや。当然、『七瀬ふたたび』も?」
「当たり前じゃないですか。文庫も筒井康隆全集も両方
持ってます! (シリーズの)家族八景もオディプスの恋人も
全部読んでます。筒井康隆全集に入ってますから」
「じゃあ、明日朝、東映大泉(撮影所)に来て。
酒井さんに『七瀬ふたたび』書いてほしいので」

お電話をかけてきていただいたのは、
映画会社の東映で、今や、重役にまで昇進された
名プロデューサーの手塚P。
代表作は数多くありますが、
若き頃は「スケバン刑事」シリーズを手がけ、
その後も「科捜研の女」シリーズや「大奥」など、
数々の大ヒット作品を世に送り出したすんごい人です。

翌朝、大泉撮影所に行ったら、
そこには、もうお一方、脚本家が
来ておりました。

その後も何度か作品をご一緒させていただく
機会のある、先輩作家の武上純希さんです。

実は、CX(フジテレビ)で
木曜の怪談というオムニバスものの
新番組がスタートすることになり、
その中で、筒井康隆の「七瀬ふたたび」を
水野真紀ちゃん主演でやるんだというんです。
本来なら、企画を立ち上げた武上さんが
6話全部書く予定だったんだけど、
武上さんのスケジュールの都合もあり、
僕にサブライターに入ってほしいということでした。

(武上さんは今も当時も本当にお忙しい作家さんなんです。
ちなみに、後年のポケットモンスターの、画面がピカピカして
視聴者が光過敏性発作が起きた回を書いたのが
武上さんです。ま、武上さんには全く罪はないのですが。
武上さんとはその後、スーパー戦隊シリーズ
「百獣戦隊ガオレンジャー」で再び
ご一緒させていただいております)

 
で、僕が任されたのが、第2話と第4話。
原作でいうと、
「透視能力者西尾編」と「念動力者ヘンリー編」です。
まずは第2話のシナリオ作りの打ち合わせの中での
会話です。

手塚Pがニヤニヤしながら僕に言いました。
「この西尾ってゲストのキャスティングなんだけどさ」
「はい。悪いヤツですよね。スケベで、卑怯者で。
そういうイヤな演技ができる役者さんでお願いします」
「筒井先生にお願いしようと思うんだけど」
「はあ?」
「ほら、酒井さんなら当然ご存知と思うけど、
筒井先生って、元々役者志望で、
演劇で舞台にも立たれているし」
「ええ」
「それに、今、ほら、例の断筆宣言で、
ちょうど執筆活動もセーブされているようなので」
「えええええええ」

断筆宣言というのは、
詳しくはウィキペディアで調べていただきたいんですが、
要するに、筒井作品が高校の国語の教科書に
掲載されることになり、しかしその内容に差別的表現が
あるとの抗議を受け、一悶着した件で、筒井さんが
激怒し、しばらく筆を折る状況になった時期があるんです。

この「七瀬ふたたび」の撮影時期はまさにこのタイミングでした。

つまり、筒井康隆氏の原作である
代表作「七瀬ふたたび」を、
僕がシナリオ化し、その登場人物である西尾を、
原作者の筒井さんが演じる、ということです。

よく、自作のドラマ化映画化になると、
原作者がチラッと通行人とかで登場するという
ことは、ままあります。
しかし、この「西尾」という人物は、主要キャラです。
その上、救いようがないぐらい悪いヤツなんです。
それを筒井康隆さんご本人が演じる?

もう、緊張を通り越して、
激震、でした。

だって考えてもみてください。
子供の頃からの憧れの作家の
作品をドラマ化できただけでも
夢のようなのに。

それに加えて、その作家が、
僕のシナリオのセリフをしゃべり、
演じていただけるというんです。

夜も眠れない日々が続きました。

あ。ここでエキスキューズを。
「小説のドラマ化なんだから、
原作通りにシナリオに書き起こせば
いいだけじゃん。
そもそもは、原作者である筒井氏が
自分で書いた小説のセリフをそのまま
演じるだけじゃん。あんたの功績は
なにもなくない?」
と思っている人、かなりいるのでは?

その通りかもしれません。
しかし小説のドラマ化において、
ほとんどの場合、小説の中でのセリフは
そのままドラマのセリフになることは
ありません。

換骨奪胎するとまではいきませんが、
原作のイメージと主張、テーマ、
そのセリフの持つ真の意味を、
「書き言葉」ではなく「喋り言葉」に
置き換える必要がありますし、
原作にないシーンを作ったり、
反対に原作シーンをカットしたりと
様々な作業が必要なのです。

この時のシナリオも、
根本は、筒井さんの書かれた作品と世界観を
そのまま使いつつ、新しく創造し直したものでした。


決定稿が刷り上がり、
いよいよ撮影初日となりました。

僕は、監督と手塚Pの許可を得て、
筒井さんの撮影シーンの全てに
立ちあわせていただけることになりました。

子供の頃からの憧れの作家先生との
緊張の対面です。

しかし!
そこで僕は、なんと筒井さんに怒られてしまうのでした!


続きは次回にて。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー以上転載ーー
https://ameblo.jp/chokkosakai/entry-11389883319.html
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