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2018年01月03日02:11

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お正月の美術館三昧

皆さんおめましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いします。

このお正月中に映画でも観に行こうかと思ったのですが、行こう行こうと思いつつもスルー
していたゴッホ展 巡りゆく日本の夢と北斎とジャポニスム展に2日に分けて行って来ました。
ゴッホ展が1月8日までなので、そちらの方はかなり焦っていたと言うのが本音です。

最近美術館なんか随分と御無沙汰でしたので楽しみだったんですが、開催してる上野が
滅多に降りないので、美術館の最寄り出口の公園口が記憶から飛んでました。。


ゴッホ展はゴッホの絵をただ大量に展示するのが目的ではなくゴッホが日本の文化や芸術に
多大な影響を受けていたことを分かり易く解説し特に浮世絵、広重や北斎からの影響が如何に
大きい存在だったかにスポットライトを当てた展示会でした。

ゴッホが終生日本かぶれだったのはこの僕でも知っていましたが、実際に彼が日本に来た訳
でもなかったのに遠い異国の地である日本を理想郷であると夢想し出来うる限りの日本の
情報を入手し開国したおかげで日本から渡って来た浮世絵も実際に目にしコレクションしてた
ようですね。

自分の絵を向上させる為ならどんな努力も厭わないと言うか優れた技術や技法を取り込もうと
研究する執念やパワーが尋常じゃないし、後世では炎の画家と呼ばれたのも頷けた気が
しました。

ゴーガンと共同生活を始めたのも日本人がお互いを助け合って生活している文化があることを
知って自分も憧れの日本のように芸術家が助けあっていけたらとの思いがあったようですが
実際はゴーガンとは意見が合わず決裂し精神を病み例の自分の耳を切り落とす事件にまで
発展してしまいました。

画家って全員が全員そうではないですけど、ある程度何々派と呼ばれる画家のグループで
集まったり交流を持って新たな表現方法を構築したりする人が多いんですけど、ゴッホって
人様の描いた絵を観て研究、勉強するだけで、自分の芸術に取り込むことが出来ちゃうから
意見や考え方が違う相手とも喧嘩にならない程度に距離を置いたり、本心は言わなかったり
するのが本来の人と人の付き合い方だと思うのですが、人とぶつかってしまっても自分にない
技法を持っている人から師事されることもなく自力でモノに出来てしまう圧倒的な天才性が
あったのが逆に不幸だったのかなあと感じましたね。

なのでゴッホは表層的には印象派のグループに入れられることがありますが、印象派と
呼ばれる人達が描いた絵と比べて一部その影響は垣間見えますが、どっぷり印象派であると
言う絵もありません。

結局誰か師に付いてじっくり勉強したりせずとも新たな表現を自分一人で創り上げて
しまえたので、どこの派閥やグループにも存在せず一人で黙々と描いていたからそれもあって
絵も生前は1枚しか売れず名も知られなかったように思います。


日本人はお互い助け合って暮らしていたと言ったって譲り合いや相手のことを尊重して我慢する
文化が基本です。ゴッホはその辺が実際に日本に来たこともないから理解出来なかったの
では?と感じます。

ゴッホの中では理想郷の地として日本を捉えていたようですが、何だか言ってることとやってる
ことが全然マッチしてないし頭がキレるんだかアホなんだかよくわかんない人だったんだなあと
言うのが今回の展示会を観てつくづく思いました。

だって画家として生計も成り立ってないし10年近く絵を描く生活をしていながら1枚しか
売れなければ普通に考えれば自分は向いてないと思ってさすがに途中で辞めるでしょう?
それでもそんな状況も、ものともせずゴーガンと決裂して耳を切り落とした後にだって日本の
新宿で常設展示で観れるひまわりなども描けてしまっているので、自分に特別な才能が
あることだけは疑ってなかったのかもしれませんね?


ゴッホの死後主治医だったガシェ博士と日本人が交流が出来、日本文化を愛したゴッホが
日本人から尊敬され愛された歴史を細かく資料も展示してあり、そう言ったことまでは
知らなかったのでちょっと救いがありましたね。

日本がゴッホにもたらしたものの大きさを知る日本人にはグっとくる展示会で行って
良かったです。
8日までやってますので、興味がある方はお早めに!という所であります。


もう一つは北斎とジャポニスムです。同じ上野公園の敷地内にある国立西洋美術館で
こちらは28日までのようです。
この展示会は日本の浮世絵、特に葛飾北斎の浮世絵や北斎漫画が西洋の画家に如何に
衝撃と影響を与えたかをテーマにした展示会で、北斎の膨大な量の浮世絵などが構図など
ほぼそのままの絵を横に並べて展示されてあったり、北斎の存在がどれほど巨大だったかを
これでもかと見せつけられる展示で、北斎の偉大さを美術の素人の自分でも少しは理解
出来たように思います。

要はゴッホ展の反対側からの視点の展示会でしたからゴッホの北斎丸出しの絵もありましたし
北斎の影響が色濃いセザンヌ、モネ、ドガなど、北斎に影響された人はどれだけいたんだ?
とびっくりするぐらい高名な誰でも名前ぐらいは知っている画家の名前がじゃんじゃん
出て来ます。

北斎は風景画から人物画、動物に植物、春画と、もうありとあらゆるテーマで描いてるのが
今回よくわかりましたけど、あれを鎖国してて西洋の文化や美術なんかほぼ取り入れることが
出来ない時代に自力で全部描いてたんですから、改めてバケモンだったんだなあと思いました。
もうほとんど神ですね。観ててそんな言葉ぐらいしか頭に浮かんで来なかったです。


浮世絵を勉強出来た西洋の画家が従来の西洋的な絵画から劇的に画風が変化したのが
よくわかったんですが、あらゆるテーマで何でもかんでも描けた北斎が西洋の美術を目にして
勉強することが出来ていたら、もっと異次元の芸術を創作することが出来たんじゃないだろう
かと夢想しながら鑑賞していると少々残念な気もしてきます。

日本が鎖国していた時代唯一オランダとは貿易出来たのは学校でも僕らも勉強しましたが
オランダから渡った医学書を研究して骨格とか絵を描くのに必要なことを学んだそうですから
まあ日本の同時代の画家からの影響はあったのかもしれないですが、そんな所からも勉強
してたと言うのも物凄い逸話ですよね。そういう人が日本にはない西洋の美術を観たら
どうなってたんだろう?と想像も出来ません。


日本には世界に自慢に出来る偉大な芸術家が多数いたんですね〜
もう規格外の天才達の圧倒的な仕事を目にしてお腹いっぱいの2日間でした。
どちらの展示会もそれなりに混んでますし上野の美術館ですから、もの凄く広いので
観るのに3、4時間ぐらいすぐ掛かりますよ。北斎とジャポニスムは企画展ですが常設展も
別のフロアにありそちらも全部観たら1日掛かりですよ。

僕は足が痛くなって集中力がもたず体力的に限界だったので、常設展の方は少々流して
観ました。と言ってもモネやピカソなど傑作も多数あるので、良い意味で地獄でした。あはは。

長い文章になってしまいすいませんでしたが、参考になれば幸いです。
もうすっごい疲れたけど勉強になったし楽しかったです♪
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