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2017年12月31日06:23

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【NEWS】 破棄分の薬代は医療費に含まれないよ。

なんだか国の医療費が738億円無駄にされてるような誤解を与える記事だな。

保険請求されて国や自治体の「医療費」に勘定される薬の代金は
患者に使用された薬の代金だ。

廃棄される薬の代金は保険請求されないし
国や自治体の医療費には関係ないです。

病院で注射か点滴受けて、
○○というお薬▲▲mlという請求があっても
アンプルあけて■ml残った分捨てなくちゃいけないので■ml分請求します
なんて明細見たことあるか?

アンプルに半端に残ったり期限が切れたりで廃棄になる分の薬代は
病院や薬局が被ってるんだよ。

つまりこの738億円の無駄を削減すると
医療機関のコストダウンになって
医療機関の経営健全化には大いに寄与するだろうが
医療費は別に減らない。

738億円を
日本全国の有床の病院・診療所の数約28万で単純に割ると
1施設当たり年間26万円となる。

どうかな?そんなとんでもない金額かな?

まぁ無駄は無駄なんだから、減らせた方がいいだろうし、
小さな無駄でもこまめに見直しコツコツ減らすのは大事なことだ。

ただ記事にもある通り、
「安全性を担保しながら」というのが優先。

ただ無駄を削るだけなら
注射針も包帯も洗って使いまわせばいいのだからね。半世紀前みたいに。
 (注射針とか包帯を洗って使いまわしたら、
  使い捨てに比べてどれくらい経費削減になるだろうね?)



病院や薬局が黙ってこの無駄を被って「必要経費」としていることにも理由がある。

薬の規格が多段階になると処方ミス・調剤ミスが起こりやすいんだ。

例えば尿酸を下げるお薬にフェブリクという薬があるが
10mg、20mg、40mgの3つの規格があって
うちの薬局ではどの規格も用意できる。

小さい病院は処方箋で10mg、20mg、って規格を指定してくるけど、
市内の大病院は
「フェブリク20mg 0.5錠」←処方箋にこういう書き方をする。

半錠だと患者さんが自分で半錠に割らなくちゃいけないから大変
うちはサービスで全部の錠剤を半分に割って1個ずつ包んでお渡ししてるが、
それも待ち時間が長くなるから患者さん大変

だけど、病院側としては
「フェブリク10mg 1錠」のつもりで
「フェブリク20mg 1錠」と書いてしまう処方ミスを防ぎたい。
「フェブリク10mgを30錠」のつもりで
「フェブリク20mgを30錠」持ってきてしまう調剤ミスを防ぎたい。

戦場のように忙しい大病院ほど
こういうミスを防ぐために、
医薬品の規格は統一したがるよ。



また容量を小さくするのにもミスのリスクはある

たとえば軟膏を処方するとき
「50gのを1本」と「5gのを10本」
同じ「50g」でも
どちらで数え間違えが発生するか考えれば解りやすいと思う。



それで廃棄になる分は、仕方ない、「安全のためのコスト」として受け入れてる。

まぁ、課題は山積だけど、
「薬剤が高額化する中で、安全性を担保しながら無駄を削減する努力が必要だ」
これは本当の事だよね。
医療機関の経営健全化のために。


とりあえず、この記事の「年間738億円」は
国と自治体の「医療費」から出てる無駄じゃないので
病院や薬局が払ってますので
医療費払ってるみなさんは安心してください。



抗がん剤廃棄 年間738億円相当
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=4926465
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