2017/12/16土 14:00- 東京文化会館
振付：モーリス・ベジャール
音楽：ピョートル・I. チャイコフスキー
◆主な配役◆
― 第1幕 ―
ビム：岡崎隼也
母:渡辺理恵
猫のフェリックス：宮川新大
M ...：秋元康臣
妹のクロード、プチ・ファウスト:沖香菜子
メフィスト：高橋慈生
光の天使：ブラウリオ・アルバレス、岡�� 司
妖精：奈良春夏、伝田陽美
マジック・キューピー：飯田宗孝
― 第2幕 ―
スペイン 闘牛士：杉山優一、吉田 蓮、海田一成
中国 バトン：中川美雪
アラブ：柿崎佑奈
ソ連：伝田陽美−井福俊太郎
フェリックスと仲間たち（フェリックス）：宮川新大
パリ：川島麻実子−岸本秀雄
グラン・パ・ド・ドゥ：上野水香−柄本 弾
＊音楽は録音音源
ベジャールのくるみ、初めて観ました。観てから時間が経ってしまったのであまり深い感想は書けないのですが備忘録的に。
いやいや、一度観ただけではとてもこの作品は消化できないな、と思いました。いろんなところにいろんな意味がある。くるみ割り人形というタイトルで音楽もチャイコフスキーのあれを使っているけど、実際には母親への愛情と、そして自分のバレエへの愛情を語っている作品だとか。Ｍというキャラクターの多面性とか。クリスマスツリー代わりのヴィーナス像の裏側は母の胎内のようだとか。あと、古典のくるみのモチーフを実にうまく使っているところとか。
私の大好きなジョン（ノイマイヤー）も作品にいろいろな意味を込めるのが得意な振付家ではありますが、ノイマイヤーがかなり明示的にそれをするのに対してベジャールは暗示的。ステレオタイプ的な見方で申し訳ないのですが、アメリカ人とフランス人の違いなのかな、という風にも思いました。
でも、二人のくるみには共通点も。まず、両者ともに、自分自身のクラシックバレエへの愛や憧れを表現していること。そして、Mがステッキついて出てくるところ、あーこれ観たことある！って思いました。ドロッセルマイヤー役がバレエの教師役だというところ、共通なんです。最初はジョンがベジャールから影響を受けたのだろうと思ったんだけど、よくよく調べてみるとベジャールのくるみは1998年、ノイマイヤーが1971年なので、実はベジャールがジョンの作品からインスピレーションを受けているのかもしれません。ちなみにベジャール版くるみでMはプティパですが、ノイマイヤー版のドロッセルマイヤーはチェケッティです。
あと、ベジャールのくるみは90年代終わりの作品だけあって、くるみの中ではかなり斬新に感じますが、と同時に2000年代の今になってみると時代性も感じました。あの天使って、まんま、フレディ・マーキュリーですよね？！ベジャールの作品の一部は、KABUKIの最初の部分とかもそうだけど、当時の世相を反映し過ぎていて今だと古くも新しくもない中途半端な部分がちょっと出てきちゃうときがあるな、とは思います。振付家が存命ならそういうところも改訂できていくのでしょうにね・・・
さて、ダンサーに関して。
この日は東バの渡辺理恵さんのラスト公演でした。この日の母役、本当にきれいだったなー。彼女、美しいけどちょっと印象が弱いなとこれまで思ってたんですが、そこに母性が加わるとマリア様みたいでよいではないですか。若いダンサーにはない母性的な表現はこれから育ってくるところだろうに、引退なのかあ・・・日本ではなかなか、ダンサー人生を全うできる女性っていないのですね・・・。
Mを演じた秋元さん、背は高くないけど、でも大人っぽい色気があってとてもよかったです。あと、パリを踊った川島さんと岸本さん、雰囲気あってよかった！岸本さんってもっといろいろな役に起用されてもいいのに。きれいなお顔だしステージで存在感ありますね。あ、光の天使のブラウリオと岡崎君も頑張ってました^^
ほんと、語れるほど消化できてなくてちょっと悔しい。次に観られる機会がそんなに遠くないうちにあるといいのですが！
自分のメモのために、ノイマイヤーのくるみ割り人形を観たときの感想を。
2015.1
http://kikoworld.blog.fc2.com/blog-entry-54.html
2013.12-2014.1
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1919798149&owner_id=2438654
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