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2017年12月26日06:08

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母親が転倒した11/9 最後の1日

今はまだ、何を見ても母親のことを思い出してしまいますが、それを避けるのも難しい状況です。銀行口座類の手続きや、支払いの名義変更など、死者が生きていた痕跡をチェックするような作業がたくさんありますから。

坂元裕二のドラマで、死者の財布から出てきたレシートを見て涙を流すという名シーンがありましたが、ボクもレシートを捨てないで取っておく方なので、レシートを見て「これが最後の外食かも」とか「最後のすし屋か」などと、センチメンタルな気分になってしまいがちです。

ちなみに、最後の外食に関しては、記憶の残ってる候補が2つあって、片方はレシートが見つからないので、どっちが最後なのか確定できません。そんなことがわかったとしても、何がどうなるわけではないのですが、それでも気になってしまうというのが、現在の自分の精神状態なんでしょう。

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ここ数日で、特に気になっていたのは、母親が転倒した11/9(木)がどんな日だったかということです。一緒に過ごした最後1日がどんな日だったのか。こういうことは、今思い出さないと、1年後に同じようなことをしても不可能なので、バカバカしいと思いながらも調べてみました。

まず、予定表や電子マネーの支払い記録をチェックしたところ、この日は外出していないことが判明しました。ただ、電子メールのアクセス記録などを解析しても、家で何をしていたのかがハッキリしません。そんな時、ダメ元で思いついたのがブラウザの閲覧履歴です。これをさかのぼってみたら、11/9の閲覧記録が出てきて、その日のことがだんだんはっきりしてきました。

この日の話をするには前日のことから記しておく必要があります。

前日の11/8(水)のボクは、朝、母親をデイケアに送り出した後、生協の注文しています。来年の猫カレンダーを注文していますが、これはもちろん、母親が猫好きだからです。

その後、母親のいるデイケアの見学に行っています。前回の見学から1年以上過ぎていたので、この辺でもう一度見ておく必要があると思ったからです。

実は、この1週間前の10/31(火)にも、別のデイサービスセンターの見学に行っていて、担当の人と話をしています。「トレーニングの様子を見に来てくれる家族は少ない」と言われました。母親がウォーキングマシンで積極的にトレーニングしている姿も見ました。そこでは、母親の体力が改善しているという話だったので、自分としては、ここで介護サービスを全般的に見直したいという気持ちもありました。

11/8のデイケアは、理学療法士がいるところでだったので、マッサージの是非など、いくつかの相談をした覚えがあります。全身の運動だけでなく、昭和期のレトロなゲーム機で脳訓練(?)もしていたので、これは自宅でも応用できるかもしれないと考えたりしました。結果的には、これが母親にとって人生最後のリハビリになったわけですが……。

この日はもう一つ、映画「氷菓」を見る予定だったので、昼食を食べてから、映画を見ました。ただ、この日は電車にトラブルがあって、予定していた午後3時くらいの上映に映画館に行くことができませんでした。いろいろ迷った末、6時くらいからの上映を見て、夕食を買って駆け足で家に帰りました。夕食用に買ったのはリンガーハットの皿うどんと餃子。最後から2番目の夕食としては、あまり褒められたものではないです。

で、ここからが、日付が変わって11/9(木)の深夜。

ブラウザの記録を見ると、柿の渋抜きについて調べています。柿は母親の好きな食べ物です。11/7(火)に、庭師に庭の剪定を頼んでいて、その時に、庭の柿の木になっている柿をいくつか取ってもらっていました。その柿は、段ボール箱に入れられて、玄関に置きっぱなしになっていました。このことが母親の命取りになったわけですが、その時は「そのうち片付けるから」くらいの軽い認識でした。他の家族が片付けてくれればよかったのですが、それを言っても始まらないです。

柿の次に調べたのは山田風太郎について。たまたまNHK-BSで特番をやっているのを見かけたので、気になって調べたのだと思います。

で、その後、約3時間にわたって、自宅近辺のケアマネージャーセンターについて調べています。昼間に、デイケアの担当者と話した時に「ケアマネージャーは変えることができる」という話を聞いていたからです。現在のケアマネージャーは若干トラブルメーカーなところがあったので、場合によっては変えるという選択肢もある、と考えて、変える場合の候補先などをチェックしていました。

結局、朝方まで起きていたので、起きたのは9日の昼頃です。母親は先に起きていたと思われます。午後の閲覧記録を見ると、前日に見た映画「氷菓」について、かなりのサイトを見ています。なので、1日中家にいても、たいした会話はしていないと思われます。

この日の午後に放送されたワイドショー「ゴゴスマ」(TBS)と「グッディ」(CX)は、Youtube でチェックできますが、ざっと見てみたところ、「ゴゴスマ」で新語・流行語大賞を取り上げているシーンは見覚えがありました。母親と一緒に見たのかどうかはわかりません。

この日は19時くらいまで「氷菓」関連のホームページや関連書籍を読んでいたと思われます。

それから、あわてて夕食の支度をしようとしたら、母親の部屋が散らかっているのに気が付きました。部屋を整理しようとして、収拾がつかなくなったようです。「氷菓」に気を取られすぎてたせいで、夕食準備の時間が遅れていたので、「何やってるんだよ、ばかやろう」とか言いながら、母親の部屋を片付けました。

予定よりもかなり遅れて夕食を作り始めると、母親は手伝うと言い出しました。しかし、邪魔になることが多いので「座ってろ」と言いました。これ自体は、恒常的によくある会話です。ただ、この時は、前日のデイケア見学のことがあったので、「せっかく動く意欲があるのだから、これに形を与える良い方策はないか」と考えながら、夕食の準備をしました。

献立内容は、この日に届いた、株主優待の冷凍まいたけハンバーグ。スリランカ料理の本に書いてあった大根カレー(普通のカレーとは別物)。味噌汁。プラスもう1品あったのですが、思い出せません。

しかし、母親は座っていられなかったようで、和室に行き、戻ってくる途中の玄関で転倒しました。声を聞いて、玄関に駆け付けると、後ろ向きに転倒していました。玄関に置いてあった柿の段ボールで、歩きづらかったのが直接の原因です。ボクは「これでさらに夕食が遅れる」と思ったので、「何やってるんだよ、ばかやろう」などと言ったように思います。

「痛い痛い」というので、椅子に座らせてから、氷枕で後頭部を冷やしました。「明日は、病院でレントゲンかな」などと思っていました。しばらくしたら、痛みも引いたみたいなので、その後、遅い時間の夕食となりました。食欲は比較的ちゃんとあって、忘れてしまった1品以外は全部食べてくれました。スリランカの大根カレーは初めて作った料理でしたが、ちゃんと食べてくれたので、「これはまた作ろう」と思いました。

夕食後は、ソファーに座ってテレビを見ていました。ボクは11時半ごろに、仕事関係のメールを送っています。

そして、12時を過ぎたので、もう寝かせようとして、立たせようとしたら、「立てない」と言って座り込んでしまいました。この時に、出血量が増加したのかもしれません。数分後に、再度母親に声をかけると、ぐったりしていて、呂律がまわらなくなっていました。そのうち、軽い嘔吐もありました。母親の膝の上には飼い猫がいたのですが、あわててどかしたのを覚えています。V-Pシャントのせいなのか、数分で意識はやや改善してきたのですが、異常であることには変わりないので、救急車を呼ぶことにしました。

母親を乗せて救急車に乗る時点では、まさかこのまま、生きて戻ってこれないとは思っていませんでした。多少なりとも意識があった母親がどう感じていたのかは不明ですが。

――まあ、人生最後の家庭生活なんて、こんなもんなんでしょうか。人はいろいろと慰めてくれますが、それでも悔いが残る1日です。

それにしても、夕食の支度というのは魔の時間帯かもしれないです。祖父が寿司を喉に詰まらせて死んだのも、その時間帯でしたから。

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