奉祝歌。

■天皇陛下の８４歳を祝う一般参賀　「祝意に深く感謝」
(朝日新聞デジタル - 12月23日 11:00)
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天皇陛下に在らせられましては、本日８４歳の御誕生日をお迎えになられました。陛下が御生れになられたのは昭和８年１２月２３日の早朝の事。長年待ち望まれた皇太子ゆえに、男児と判明するや日本中にけたたましくサイレンが鳴り響き、人々は同年夏に行われた防空演習の続きかと思ったほどです。直ちに号外が配られ街中には皇太子御誕生を祝う提灯や襷が掲げられ、正月を待たずして日本中が沸き返りました。時は満州事変で諸外国からの対日感情が悪化し、それに続く国際連盟からの脱退。そして高揚真っ盛りのナショナリズムと世は正に「非常時」でした。

さて私は当時の流行歌などが大好きでして、長年に渡って古いレコードを集めております。ここに挙げた藤村一郎の「奉祝歌」は皇太子誕生を祝って書かれた記念歌の内の一曲で、まだマイナーレーベルだったテイチクからリリースされております。関西のレーベルで活躍していた大衆音楽家北木正義の作曲ですが、凡そテイチクのナンバーとは思えない程格調ある楽曲に仕上がっております。歌う藤村一郎は楠木繁夫の変名で、澄んださわやかなテノールが聴きものです。これらの奉祝ソングは各レコード会社から出ましたが、一番評判が良かったのはビクター発売の「皇太子さまお生まれになった」でした。カップリングは芸者歌手浅草吉奴の「奉祝音頭」で、レコードは昭和９年初頭に発売されています。