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2017年12月21日01:00

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戦車道と妖怪の終わりの始まり

 映画レビュー二本立て。とはいえどっちもファン向け映画なのでサックリ気味に。


●ガールズ&パンツァー 最終章 第1話

 劇場版から更に盛り上がったガルパンが、全6話のエピソードを劇場公開するという贅沢極まりない企画。というわけで1時間にも満たないし、1200円の特別料金(ごちうさなど、上映時間が短いアニメ映画などで見られる均一料金)で見れちゃうけども、内容は控えめに言っても神だった。

 TVシリーズも終わって大分経ってるけど、見ればキャラクター思いだすし、恒例のやりとりというか持ちネタ披露もあったりして、で、それを見てニヤニヤしている自分もいるわけで。もうほんと、スタッフがファン向けにガッツリご飯とおかずてんこ盛りにしたようなつくり。

 話はいつもの調子ながら、面白いようにネタを掘り下げていて、「まだこの手があったか!」という具合で驚かされること間違いなし。あと劇場版で気になっていた「いつの間にかいた新キャラ」みたいな事態を避けるべくか、ちゃんと新キャラにスポットライトを当てていて好感度もタカシ。それに48分というと映画としては短いけど、TVアニメなら2話分のボリュームなのでなんだかんだで見ごたえタップリ。

 昨今流行の「その場で買って帰れる劇場版限定BD」とかあれば即買って帰るレベルだけど、おそらくあったとしても即日完売レベルの大盛況なので、とりあえずガルパン見てた人は何も言わず観に行きましょう。ちなみに僕はパンフ売り切れで買いそびれたので、多分もう1回見に行きます。


●妖怪ウォッチ シャドウサイド

 劇場版妖怪ウォッチ4作目。1作目はさておき、2作目で「オムニバス式ストーリー」3作目で「アニメ×実写」という実験的なつくりをしてきた映画妖ウォだが、4作目はズバリ「世代交代」がテーマ。前作まで主人公だったケータくんのいた時代から30年後の、人と妖怪の関係が断たれた世界が舞台だ。そのため「クレヨンしんちゃん→えんぴつしんちゃん」どころの騒ぎではなく、「オバケのQ太郎→劇画オバケのQ太郎」レベルの変貌っぷりを見せてくれる。

 まず新主人公となるケータの娘(!)ナツメがおそらく中高生であり、主人公の年齢が上がった事で自然と話も大人びたものになっている。冒頭から描かれるのは人身事故や恐喝などの生々しい描写にくわえて「死」といった不穏な単語まで出てくる始末。そして愛くるしい姿だったジバニャンやウィスパーといった妖怪も時を経て妖怪としての貫禄が増し、声がおっさんになったり凶暴性を増したりしている。ギャグシーンも多少はあるが旧作のような明るさは消えて、全体的に暗く重いトーンが漂う。特に「人々に邪気が取り付いて怪物に変貌する」という光景は割と大人が観てもシャレにならないぐらい怖かった。

 と、ここにきて一気に今まで見てきた子供を引き離すような内容にも思えたが、思うにこれは「今まで妖怪ウォッチを見てくれた子供」への最後のアプローチにも取れた。かつて人気を誇ったシリーズも3〜4年目を迎え、仮に小学2年生の子がいたら中学1年になる時期である。そんな小さいファンへの目線を合わせるかのように、あえて年齢層を引き上げたようなつくりにしたのだと思う。そしてそれは同じくシリーズを追っていたファンに対してもマンネリを避けるための新たな試みに感じられ、それに新鮮味を感じられたからこそ、今回の「新たなる妖怪ウォッチ」の幕開けは上手く出来たと思う。

 時にレベルファイブはコンテンツの切り替えが早いというか、割とビジネスにはシビアな一面があって、シリーズの陰りとともに新コンテンツを用意し交代させる流れがある。イナズマイレブンからダンボール戦機へ、ダンボール戦機から妖怪ウォッチへ。そして今、スナックワールドへそのバトンは渡されようとしている。劇場版妖怪ウォッチの2作目3作目に同時上映していた短編のスナックワールドがなくなり、代わりに毎回EDのあとに入っていた「〇作目劇場製作決定!」が今回初めてアナウンスされなかった。5作目が作られる可能性はそう高くないだろう。

 だからこそ、今回の新シリーズは一度離れたファンを呼び戻すには十分なポテンシャルがあると思った。無邪気で元気なケータくんのドタバタ日常も良いが、ちょっと大人びたナツメたちの日常に潜む妖怪不祥事と対する話も見てみたい。それが実現できるかどうかはさておき、この新シリーズに続きがあるならば、その時はまたシリーズを追いかけようと思った次第であった。

 あとケータくんの結婚相手。劇中じゃ外見だけで全く触れられてないんだけど、ポニテ姿の印象からやっぱりフミちゃん説が強いので、公式発表を待つばかりである。
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