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2017年12月20日19:42

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前略おふくろ様、告別式終了

告別式が終わって、帰宅しました。

国破れて山河あり。

そんな気分です。
結局、ボクも母親も、気まぐれな運命に翻弄されて敗北したんですね。
でも、そんなこととは無関係に世の中は動いていく――と。

死亡に至る経過をまだ書いていないので、敗北のイメージがわかりづらいと思いますが、母親の死に方は、ボクや母親が長年「避けたい」と思っていたような死に方でした。不幸な人生だったとは思いませんが、あの死に方だけは……、運命は残酷だなと思います。

それはそれとして……。
母親はよく「葬式は家族だけでいい」「近い近親者数人でいい」などと口にしていましたが、2日間の参列数は予想以上の70名前後。結果的には、母に意思に反するような葬儀になりました。ただ「葬儀は大規模に」などと言う人は(日本人には)ほとんどいないので、この種の言葉は割り引いて解釈した方がいいとも思います。

火葬場を往復するバスの中では親類たちが楽しそうに談笑していましたが、ひょっとしたら母親は、こういう風景が好きではなかったのかもしれないと、ふと思い当たりました。

精進落しの会食では、ボクも含めて昔話に花が咲いてしまいましたが、葬儀というのは本来はそういうものなんだと思います。普段はなかなか顔を合わせない親戚が集まる機会ですから。

そもそも、話を盛り上げる原因を作ったのはボク自身です。
通夜の前日の深夜、アイデアがひらめきました。生前の母親の写真を展示し、閲覧できるようにしよう、と。

それで、がけ崩れの人命救助をするようにして、戸棚の奥の奥の方に埋もれていた昔のアルバムや未整理の写真を救出して、そこから100枚弱をピックアップして、母親の一生を写真で振り返ることができるようように簡易構成しました。要するに、即席で編集の仕事をしたわけです。(^^;;

戦前に撮影された赤ちゃんの時の写真、結婚・育児期のスナップ写真、冠婚葬祭などで親類が集まった時のスナップ、職場の集合写真やスナップ、職員旅行や退職後の旅行のスナップ、今年の誕生日にデイサービスで撮影してもらった写真など。すべての時代とはいかないものの(学生時代とか)、一生をかるく振り返ることができるようにしました。作業が終わったのは、深夜の5時くらい。

(また、これとは別に、30代で癌になった時に作った歌集や、職場の文集に投稿した文章を、50部コピーして、持ち帰れるように準備していました。順番としては、これらの作業が終わってから、写真のことを思いついたわけです。)

そんなわけなので、親類たちが昔の写真を見て盛り上がるのは必然です。最初のうちは母親の若い頃の姿を見ていましたが、そのうち、「これは○○だ」「これは私だ」「この時は○○だった」「○○さんは、この写真の2か月後に死んだ」など、母親と関係ない話に。まあこれも必然ですし、一般的な葬儀の風景。

ボクはそんな会話に参加しつつも、母親はそうした葬儀風景を好まなかったのかもしれないと、心の片隅で感じていました。ただ、もう本人に確認することはできないので、「このくらいは我慢してくれ」と一方的に願うしかありません。これはこれで、悪い葬儀ではなかったのだから。

「前略おふくろ様」のナレーションみたいな気分ですが、この気分がずっと続くんですね。

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