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2017年12月20日08:28

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やめてくれよ……

『おーい、お姉!』と、マスターが私を呼ぶ。

閉店後の厨房で、私は片付けなどしていた。
マスターたちはホールの方で、クリスマスに向けての最終メニューチェックや食器チェック等、打ち合わせしていた。

私になんのようだね。とそちらに向かいましたならば。

『みんなで話し合った結果なんだが、お口直しは食用花のゼリー寄せ。イセエビのグリルの添え野菜には頭と尻尾を取り除いた太もやし。で、前菜にはぴよちゃんをつけることになったから』


……聞いた瞬間、素で膝から崩れ落ちた。
いや、ギャグみたいだけどホントに、一瞬で膝が折れた。
床に倒れこむ際、マスターの膝に頭突きをかましてしまい、本気で痛がられたが。

すぐさまそれはただのジョークであったことがばらされたわけだが、しばらく立ち上がれなかったわ。

通常営業のときでも全力で避けたい三品が、クリスマスのときに採用される訳はない、と、頭では判っていても。体が付いてこなかったわ。
というか、体が先に拒絶反応を示した訳だな。

花びらのゼリー寄せは、食べるのは一瞬でも作るのにすごい手間が掛かる。何層にもゼリーを重ねては花びらを浮かべて固めていくのだから。
クリスマスならどんだけ作らなきゃいけないの?

太もやしはしっぽと頭(マメの部分)を一本一本手で千切り取る作業が不可欠。
どんなに寒かろうと、手がかじかもうと、冷水の中でやらなきゃならない。
クリスマス用となると、何袋も。
以前、私はこの作業のせいであわや肺炎!ってくらい重篤な風邪をひいたもんだ。

ぴよちゃんなんて、うずらのタマゴの細工物。それこそ気が遠くなるよ。
100個じゃ足りないだろ?

冗談でも辞めてくれよマジで。
ただでさえ、すでに毎日、帰宅時間が朝の5時なんだから……。
クリスマス時期になると、帰宅して入浴してすぐ出勤、なんてこともある。
今年もそうなる。
そんなときにジョークでもそんなの聞きたくないから!!



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