新しいテーブルを購入して数ヶ月、娘と一緒に工作に励んでいた、夏休みのある日。
目打ちで革製品に孔を開けていた。
ベルト孔の位置と数が足りず、新聞を重ねてその上で目打ちをベルトに垂直に突き立てて、金槌で一発、「コン…ッ」と良い音を立てた。
声にならない声で
(あ…)
と思った。
重ねた新聞を貫通し、テーブルにも孔が開いた。
隣で工作に夢中になる娘にも黙ったまま何事も無かった風を装い、席を立ってキッチンから爪楊枝を一本持ち出す。
テーブルの孔に爪楊枝を突き立てテーブルの平面の高さにサイズを合わせて爪楊枝を切断、切断面はカッターナイフで切れ込みを入れて細かく毛羽立たせる。
再度金槌を手にして固く爪楊枝をテーブルに打ち込むと、爪楊枝を差した孔の上に水を数滴垂らす。
水を吸い込んだ爪楊枝は膨張してテーブル面の孔から抜ける事は無いだろう、段差も極力減らす様に努力もした…。
テーブルを購入してから五年以上もの月日が過ぎて、家族の誰からも未だ何も言われずに済んでいる。
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