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2017年11月26日22:39

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メシアンで泣く

本日はオケ練がありました。
曲目はブラームスでした。

本日のオケ練のあとはこちらです。

○読響第606回名曲シリーズ
読響創立55周年&メシアン没後25周年記念
開演:2017年11月26日(日)14:00
会場:サントリーホール
曲目:メシアン/歌劇「アッシジの聖フランチェスコ」(演奏会形式)
聖フランチェスコ:ヴァンサン・ル・テクシエ
天使:エメーケ・バラート
重い皮膚病を患う人:ペーター・ブロンダー
兄弟マッセオ:エド・ライオン
兄弟レオーネ:フィリップ・アディス
兄弟ベルナルド:妻屋秀和
兄弟エリア:ジャン=ノエル・ブリアン
合唱:新国立劇場合唱団、びわ湖ホール声楽アンサンブル
指揮:シルヴァン・カンブルラン

メシアン畢竟の大作。
これは主人公のアッシジの聖フランチェスコの聖蹟というよりはメシアンの気持ち、これまで生きてきた経験から発する存念が全て注ぎ込まれたものだ。
まず第3景の重い皮膚病患者への接吻の異常なまでのリアルさ、この辛さの表現のリアルさはテクストからメシアンの戦時中の収容所生活と無関係とは思えない。また実際に取材したのかもしれない。とにかく、肉体的苦痛もさることながら精神的苦悩がリアル過ぎる。その懊悩を聖人フランチェスコが一掃する際演奏会形式とはいえ両者の指と指が触れ合わんとして音楽がにわかに明るむのに思わず涙腺が刺激される。
第4景のフランチェスコがいない場で天使だったのかと兄弟(ここでは修道士の兄弟弟子と思われる)が顔を見合わせるのが愉快。その前に描かれた兄弟エリアの俗物ぶりがまたリアルというかあるあるすぎる。
第6景の有名な鳥への説教、打楽器陣の中央3名のシロフォンマリンバヴィブラフォンテクニックが最高すぎる炸裂というか爆裂。鳥博士メシアンの真骨頂というか鳥フーガの複雑ぶりもじゅ。自宅近くの灌木のスズメの囀りくらいリアル。フランチェスコの夢に出てきたという島は採譜に訪れた日本かニューカレドニアか、ここにもメシアンの経験が詰まっている。
第7景の聖痕の静謐から第8景の死と新生に至って聖フランチェスコの理想が語られまるでメシアン本人の人生の理念が披瀝されていくようだ。最後に自分が救済したものによって救済されることを示すために天使が物言わぬ重い皮膚病を患う人を連れてくるシーンには涙腺をブチ切られてしまいなす術がなかった。

トゥーランガリーラにも頻出する特徴的な旋律と、オルガン正面、2階左奥、2階右奥に計3台設置されたオンド・マルトノが最大最高のパフォーマンスを繰り広げた。
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