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2017年11月23日23:40

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ベルリンフィルでラフマニノフを聴く

本日は生まれて初めてベルリン・フィルを聴きました。

○TDKオーケストラコンサート2017
サイモン・ラトル指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
開演:2017年 11月23日(木)17:00
会場:ミューザ川崎シンフォニーホール
曲目:
ストラヴィンスキー/バレエ音楽「ペトルーシュカ」(1947年版)
陳銀淑/Chorós Chordón
(ベルリン・フィル委嘱 2017年11月ベルリンにて世界初演)
ラフマニノフ/交響曲第3番 イ短調 Op.44
管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:サイモン・ラトル

このようなすばらしい演目でラトル/ベルリン・フィルの首席指揮者・芸術監督としての最後の公演を飾っていただき感謝の念に堪えません。

ストラヴィンスキー/バレエ音楽「ペトルーシュカ」(1947年版)
はじめ勘違いで演目が火の鳥1919年版だとばかり思っていて今日会場でプログラムを見て欣喜雀躍。
演奏はまさに極上そのもの。普通に聴き流していたら流れて行っちゃうような音楽でも、楽器の一つ一つが輝いて聴こえてくる。
演奏上手すぎて、ちょっと楽しい音楽に聴こえた。

陳銀淑(チン・ウンスク)/Chorós Chordón
本拠地で初演直後の作品。
高音が主体の曲で、そういう意味では武満徹的なところはあるが、ティンパニは使います。
高音でミュージック・ソーとか紙をクシャクシャするところとかはツィンマーマンみたいな感じですが、ティンパニや大太鼓を伴ってブラスが吠えるところはマーラー的。
というか、このような複雑怪奇なテクストを書くというのはラトルとベルリン・フィルを信頼している証拠。

ラフマニノフ/交響曲第3番
すごいわー、すごい。
もう、甘美さ全然なしのビターな演奏。というか正確に言うと甘美な旋律の陰に隠れたビターな部分がぐいぐい出てきて、もうなんというか成功に彩られたアメリカのラフマニノフの心の中を吹きすさぶロシアの寒い木枯らしの風が聴こえてくる。
これを完璧な演奏で突きつけられると心に刺さるわ。
個々の演奏も第1楽章の木管楽器の彫塑されつくした黒光りからスケルツォをくるんだ甘美なはずの第2楽章のビターな金管楽器から第3楽章の華やかそうで苦悩しやがて強い意志で立ち上がってくるところなどすべてラフマニノフの心を表しているよう 全楽章にわたって弦楽器がビターで素晴らしく、特にコンマスの樫本大進くんは全3曲の中でこの曲が最も合っているようだった。
というか、バーミンガム市響時代からラフマニノフへの造詣が深かったサイモン・ラトルらしい解釈だな、と思いました。

アンコール:プッチーニ/歌劇「マノン・レスコー」第3幕間奏曲
あれだけビターなラフマニノフを聴かせてくれたのに最後に甘くて哀しいマノン・レスコーを連綿と聴かせていただいて完全に涙腺がブチ切れました。
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