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2017年11月23日23:16

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秋風秋雨人を愁殺す。

晩秋というよりもすっかり初冬の天気がつづいている。

10日ほど前が私の誕生日であり、急死した母親の葬儀があった日で、もう一年になる。

中年を過ぎてからますます時間は速く過ぎていく。悲しみは癒えたかというと、そんなことはなく、孤独感、寂寥感が日々埃のように積もって、一年が過ぎてしまった。いまだにフラッシュバックすることがあって、かろうじて日常感覚を保っていられるのは、毎日のルーティン、6時にアラームが鳴って、妻の弁当を作ることから一日が始まる、そういう日常があり、映画があったからだろう。思春期の苦しかった私を救ってくれたのも映画だったし、こんなふうに中年のどんづまりの憂鬱をなんとか希釈してくれるのも映画なのだ。かつての映画少年は、ピロリ菌治療の薬を飲まなくていけない映画中年になりはててしまったのだが。

11月に入ってから、悲しく重い夢を見て真夜中に目が覚める、そのまま起きるでもなく覚醒と睡眠のあいだの曖昧な状態で、朝が来るまで悪夢から目をそむけてじっと待機している。

こんなふうに一年が終わり、私はまた一歩老人に近づいて行く。永遠に悲しい夢ばかり見続けるのか?という思いと、その悲しみを忘れたくない思い、その矛盾した気持ちで私は思春期のときよりもはるかに臆病になっているのがわかる。

しかし、それでも明日になったら、新しく始めないと思いつつ、明日は今日になり、すぐに昨日になってしまう。それでも懲りずに、また明日頑張ろうという自分がいる。

どこからかクリスマスソングが聞こえてきて、私は今年も怯えた栗鼠のように冬を迎える。
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