未来でもゴジラはやっぱり強し「GODZIRA怪獣惑星」を見た！

　シンゴジぐらいしか見てませんが、アニメとなるとなんとなく食指がわくもの。久々に映画観てきました。一応ネタバレなしの感想をば。

●GODZIRA 怪獣惑星


【あらすじ】

　かつて地球上の支配者であった人類。その地位は突如地上に出現した怪獣たちにより追いやられ、最後に現れた破壊神「ゴジラ」によって人類は地球上からの撤退を強いられる。宇宙に逃れてから２０年、新たな居住地も見つけられないまま消耗をし続ける人類は、意を決して地球への帰還作戦を実行する。亜空間移動により地球へと接近する宇宙船、そしてワープによって地球は１万年以上の月日が流れていた……。


【未来世紀ゴジラ】

　アニメのゴジラはハリウッド版（通称ジラ）のＴＶシリーズがあるものの、３ＤＣＧでかつ未来を扱ったもの。かつシナリオがジェノサイド虚淵先生と話題豊富だった今回のアニゴジ。私なんぞはシンゴジぐらいしか見てない新参者ですが、それでも素人目に「ゴジラ＝現代の日本＝地球防衛軍が頑張るか他の怪獣をぶつける」とテンプレのイメージがあっただけに、今回はもう何もかもが新しく、シリーズを全く知らない人間でも楽しめるだろうと期待を胸に鑑賞。

「見た事のないゴジラ」という意味では期待は全く裏切られず。今より遥か未来に生きる人類が、ハイテクをもってしても死闘をせざるを得ないゴジラの猛威には大興奮しました。オープニングのニュース映像に合わせたクレジット演出から掴みはバッチリ。なんやかんやあって「地球侵略を目論んでいた宇宙人がゴジラを何とかしようとして失敗、地球人と一緒に逃げる」という導入が最高。宇宙人ですら匙を投げたゴジラ、今まで何とか倒してきた怪獣ですが今度という今度は無理だろうと、絶望感がハンパないです。

　また、未来技術とあって装備も最先端。エアバイクでの空中戦にレーザー砲の多脚戦車、男のロマンのパワードスーツなどを駆使した戦闘も見物です。


【やっぱりあったゴジラ会議】

　多分シリーズのお約束だと思うのですが、敵はゴジラとあって軍人さんや科学者が集まって入念に会議をします。やれどうやって敵の攻撃を潜り抜けるか、分厚い装甲を突破するか……「ゴジラという怪物をいかに攻略するか」という大事なシーンなのは分かりますし、シンゴジだと手に汗握るシーンだったのですが、本作に関しては……ちょっと冗長と言いますか未来技術で固有名詞のオンパレード＆小難しいインテリ会話だったので、個人的にはちょいダレ気味。

　もっとも、こういう下積みを経ての実戦が熱いのであって、不必要なシーンと切り捨てられないのも事実。でもシンゴジのテンポの良すぎる会議シーンを見るに、あれが別格に出来が良かったのかなあとしみじみ。何を話してるか分かりやすいし、人と役職いっぱい出てくるけど覚えなくていいし。


【長き戦いが今始まる】

　私は寸前まで知らなかったのですが、どうも今回は連作らしく２作目「決戦機動増殖都市」も発表済み。つまりハナっから続きものという事で、モヤモヤするシーンがチラホラと。１話完結のスッキリした話を期待すると絶対肩透かしを食らうので要注意。

　あと続き物ありきとはいえ、気になったのはキャラの掘り下げがいまいちだったこと。ゴジラを目の敵にする主人公や、主人公に惹かれるヒロイン、宗教習慣のある宇宙人など一応のキャラ付けはされているものの、全員ゴジラを倒すのに夢中でどうにも印象が薄い。続編でその辺は語られるのかもしれないが、プロローグにしてはちょっと魅力を感じなかった。せっかく一軍の声優陣を集めているのにMOTTAINAI.

　ついでに言うと３ＤＣＧモデルで全員同じ宇宙船コスチュームなので、見た目がモブっぽくて没個性。まあ集団生活しているのでこれはこれで合ってるけど、どうせアニメなんだからもっと変なキャラを出しても良かった気がした。そう思えばシンゴジの石原さとみ（変な外国人かぶれ枠）もあながち間違ってなかったんだよ！


【まとめ】

　会議シーンのスキップ欲しい感やキャラの薄さはあるものの、ＳＦをテーマにしたゴジラという新鮮味、あと特撮っぽい秘境探検のドキドキ感、そして最高のオープニングと最高のエンディングできっちり締める構成もあって、全体的にべた褒めはできないけど、これ見ちゃったら最後までシリーズ付き合うっきゃない感じ。

　肝心のゴジラも途中ヤキモキさせられるけど、「地球を破壊しつくした怪獣」にふさわしい暴れっぷりを見せてくれるので、そこは期待してもらってＯＫ。戦闘シーンのＳＥや爆発も迫力満点なので、話は二の次で派手な映画が観たいって人にもオススメ。そんでもあってゴジラ好きならさらに楽しめるんじゃないでしょうか。