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2017年11月22日14:49

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21世紀の金融政策と労働

昨夜のBSフジ「プライムニュース」は黒田日銀の金融政策の特集だったので、家事をしながら見ていたら、エコノミストの武者陵司さんが、とても興味深い発言をしていました。この人はユニークな発言が多くて、10年くらい前から注目している人。

日銀の出口政策について聞かれて……。

(1) QE(量的緩和)の出口とか、QEを止めて正常化という発想は違うと思う。これからの金融政策では、QEがなくなることはないと考えるべき。
(2) 金利操作は銀行(間接金融)を通じて金融をコントロールする手法だが、QEは直接金融に影響を与えることで資産価格をコントロールする手法。現状の経済は直接金融の比重が大きいから、金融政策におけるQEの役割が大きくなる。
(3) 金本位制だった100年前に不換紙幣(通貨管理制)が発行された時、多くの人は、危機が去れば金本位制に戻ると考えていたが、実際はそうはならなかった。これと同じように、QEのような非伝統的金融政策が、これからの金融政策になると考えるべき。


https://www.youtube.com/watch?v=HO39E_HCTAE
(当該の発言は、1:10:30あたりから)

言われてみれば確かにそうです。
異常な金融政策を元に戻すとか、正常化するというのは、発想として間違っている可能性が高いです。歴史に学ぶのであれば、100年前の人類は「金本位制が正常で、通貨管理制は異常」と考えていた――という事実を思い出すべきでしょう。

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昨日は、宮崎哲弥のラジオ番組に井上智洋さんが出演していて、Youtubeでチェックしたら、偶然にも武者氏の発言と重なってくるような話をしていました。

(1) AIの普及で、2030年ごろには労働需要の減少が深刻な問題になる。
(2) AIの普及で減るのは事務職。肉体作業を伴う職種はAIだけでなくメカの開発も必要。
(3) AIで潜在成長率が高まるが、それに需要が追い付かないので、現在のデフレ問題がより深刻化する。
(4) その状況下で必要なのは、金融政策によるマネーストックの増大と、再分配によるベーシックインカム。
(5) デフレが常態化する近未来においては、無からお金を作り出すヘリコプタマネーが、最も有効な政策になるはず。
(6) 月7万円くらいのベーシックインカムなら、労働意欲を毀損する心配はない。

井上さんと一緒にゲスト出演していた松尾匡さんも興味深いコメントしていて、

(1) この数十年間、新自由主義が誤って解釈されてきたが、正しくは、政策・行政担当者の恣意的判断を介さずに機械的に再分配する――と解釈するべき。
(2) 法人税を減税して内部留保に課税すると、株主配当にお金が回ってしまうリスクが高まる。


https://www.youtube.com/watch?v=feYmO_x88ao
(当該の発言は、0:19くらいから)

井上さんは、明日の「明治大学アカデミックフェス2017」にも登壇する予定なので、ちょっと無理してでも出席したいのですが……。。。

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