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2017年11月19日07:53

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古い映画レビュー

「さらば冬のカモメ」1973年製作
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1973年製作。
アメリカン・ニューシネマの旅系ロードムービーの良作。
「カッコーの巣〜」「シャイニング」で怪演していたジャック・ニコルソンが素のような……享楽的で粗野な人間性を楽しく演じている。

▼注目すべきは当時アメリカに進出し始めたNSA(ニチレンショーシューオブアメリカ)がナンミョウ〜の音声と共に、かなりガッツリ脚本に食い込んでいる所。

▼海兵隊の18歳の坊やメドウスが40$を盗んだ罪で懲役8年の判決。
海兵隊のバダスキーとマルホールの2人でノーフォーク基地からポーツマス刑務所まで護送する役目を命じられた。たった40$で8年の服役?
同じ海兵隊員として不憫でならないけれど護送命令には従わなければ。
▼前半は、ほぼ遠足(笑)
乗り物では「自衛の為」と勝手に手錠を外してやって、メドウスもクッキー食べたりして楽しそう。でも18歳の坊やメドウスには盗み癖が有った。これまでもプラモデルとかヘアトニックとか、万引きで補導された過去が有ったが……それにしても8年の服役とは。
▼ノーフォーク基地からポーツマスまで2日も有れば到着する。与えられた日数は7日間。バダスキー達はメドウスを「男」にしようと尽力する。
▼途中の街を歩いていると聞き慣れない合唱で「ナンミョウ〜」と東洋宗教の「題目」が聞こえてきた。
※歌手のティナ・ターナーのサクセス映画「ティナ」でも同様に南無妙法蓮華経の題目が流れて【如蓮華在水】の法理が紹介される。本作で紹介される法理は【スリー・グレート・シークレット・ロウ/三大秘法】の題目チャンティング。
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▼飲み屋で出会った女性ドナは、題目チャンティングするメドウスに声を掛けた。NSAメンバーの彼女は、メドウスの境遇を打破する為に、カナダ、トロント支部のルシード(ドナを折伏したメンバー)を頼れ、と言う。
▼メドウスは「筆おろし」を期待していたもののドナは仏壇に向かって悠然と題目チャンティングする。
▼すっかり題目チャンティングにハマったメドウスは、自由を求めてチャンティングしまくり。
▼1970年代、東洋宗教がアメリカに上陸できた背景にはベトナム戦争が有った。若者は精神修養と称してヒッピーになりインドの神秘を求めたのと同様、東洋宗教に何かしらの可能性を感じたのでしょう。
▼海兵隊18歳の坊やメドウスは題目チャンティングしながら救いを求めていく。その結末や、如何に。
▼外国の映画で「信仰」を脚本の軸にする映画は珍しくないけれど…本作は日本発祥の宗教が登場する、とても珍しい作品でした。
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