現役東大生が1日を50円で売ってみたら /　高野 りょーすけ (著)

自信喪失して留年した東大生が、レンタルオッサンの影響で自分の時間を売る話。
Kindleで半額だったから購入。
カクヨムはこういった面白いエッセイがあるから、侮れない。
じっくり二時間かけて読んだ。

◆印象に残った話

●ポーカー世界王者の話（元東大生で、三年休学・三年留年した）
「大学生は、何を考えるべきか？」という問いかけに、世界チャンプはこう言った。
・「将来の安定とか考えるだけ無駄」
自分の親世代の人気職業がJAL、その前の世代が鉄工業。
その当時よかった会社がずっといいわけがない。
・「大学生には生き方が二つある。安定した生き方と、リスクを恐れない生き方」
安定を求めるなら、どんな仕事についても生き残れるようスキルを磨くべし。
リスクを恐れないなら、やりたいことをやって考えたことをちゃんとやって行くべし。
失敗はすべきなのではなく、どうしようもなく発生するもの。

●ニューハーフの話。
LGBTの種類は、ゲイやトランスジェンダーだけじゃないとのこと。
パンセクシャル：全性愛者。ゲイもノンケも全部好き。
アセクシャル：無性愛者。どの性別も好きではない。あるいは子どもの性レベル。

●キャバクラに連れて行ってくれた謎の男性
客引きの一人と知り合いだった。彼と別れた後、男性が一言。
「あいつね、人を殺したことがあるんだ。少年院に入ってたんだよ」

●筆者が一日を五〇円で売ろうとしたきっかけを作ったホームレスの人
「最近はお金稼いでる人が自殺してる。それは心で動いていないからだ」
「悩みはないが、将来が不安で仕方ない、と誰しも考えている」
「知り合いは、彼女がいるのだが、自身がフリーターで不安に思っているらしい」
「未来は誰にも分からない。ならば、将来は幸せだと思い込め。それでうまくいく」

●勉強をしない一四歳少年に対しての回答（依頼者は少年の母親）
「『将来の為に役立つから、勉強するべきだ』
なんて諭されたら、そいつをぶん殴りたくなるのが中学生というものだ。
自分がそうだったから」
「自分は勉強しかできなかった。でも東大に入ったら、自分より賢い人ばかり。
自分は一番ではないと、思い知らされている」
「行動する理由を探しすぎてしまうと、悪いところばかりが見えて結局何もしなくなる。
自分自身、それが原因で留年した」

「東大生に50円の価値もない」月給1,500円!?　高野りょーすけが“日本の最高学府”東京大学を飛び出したワケ
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