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2017年11月13日23:44

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雨上がりの空のような悲しみを忘れるドイツ・レクイエム

本日は放課後にNHK音楽祭に行きました。

○第15回記念NHK音楽祭2017 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
開演:2017年11月13日(月)19:00
会場:NHKホール
曲目:ブラームス/ドイツ・レクイエム 作品45
ソプラノ:ハンナ・モリソン
バリトン:ミヒャエル・ナジ
合唱:ウィーン楽友協会合唱団
管弦楽:ライプチヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット

昨日に引き続きブロムシュテット/ライプチヒ・ゲヴァントハウス管の演奏です。
ドイツ・レクイエム一曲のみというこの上なく潔いプロ。
開演前にいつの間にか雨模様に。

ドイツ・レクイエムはじゅ。にとってはパソコン通信を始めるようになってから親しくなったお友達が亡くなるたびに追悼オフとして演奏されていた曲で、冒頭の一音を聴くだけでそれらお友達の顔が走馬灯のように脳内を巡ることになっています
本日も冒頭の一音で駆け巡りました さすが震える心の襞まで映すような管弦楽の演奏 本日はオルガンも加わり心の襞に重い思念が沈潜してゆく。
急の雨模様のような繊細な雫の滴り。
合唱が歌い始め、短調の哀し気な旋律は神の足音のようにかそけきものでしたが、長調の旋律は明るいだけに留まらず永遠に碧の野の果てまで輝くような光がすーっと差し込み心にふっと温かい明るみを照らす。光に照らされた緑の野を行く人の足音のように。
バリトンが主の導きを求めて歌いだす。バリトン自身が大きな神の御手のように聴く者を包んでゆく。管弦楽は寄り添い高め合う。
ソプラノが人の心の歓びを歌いだす。ソプラノは鳥の声のようで、小さく遠くまで響いて楽器の一部のようだ。フルート、クラリネットとソプラノで三重奏。
やがて独唱合唱管弦楽一体となって、ゆるやかに明るみを指して昇り始め、聴く者の心を潤し歓びに満たしてくれる。なんと素晴らしい奇蹟だろうか。悲しみを忘れさせる。
クラリネットの下降三音に涙する。管弦楽が美しい。
この曲は悲しみを回顧する曲ではなく、悲しみを乗り越えるための音楽なのだ。
いや悲しみを歓びに作り替えると言っても良いかもしれない

外に出るといつの間にか雨は上がっていた。本日の演奏のように。

ちなみに昨日の演目と同じく、本日の曲目もライプチヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団により初演されたものであるという。
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