mixiユーザー(id:10881945)

2017年10月30日19:22

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これ結構ある気がするな

何がかというと癌の見落としではなく、
自ら読影できる医師が放射線科の所見に頼らずに関心領域のみを読影して判断し、そのまま放射線科の所見を読まないケース。

画像検査をオーダする医師は当然ながら目的を持ってオーダするので、目的の臓器は見るけれども画像を隈なく見るかというとそうとは限らない。
というより、この事例で言えば一般的な心臓外科医に膵臓の所見はあまり読めないので目にしても気づかないことはままあるだろう。結果、たまたま写り込んだ他の疾患を見落とす。

放射線診断科の医師にも専門分化はあるが、一応隈なく見ることを生業にしているため、写り込んだ範囲であれば目的外のところにも所見をつける。本来ならばそれが主治医(団)の確認によって漏れを拾い上げる安全弁として働くところ、自身の読影で目的を達した主治医(団)が確認を忘れ、安全弁が働かないケースはままあると思う。

小さな病院の場合、放射線科医が主治医に直接連絡して注意喚起することも可能だが、大学病院のような大きな病院では千人くらい医師のいるところもあり、1日に行われる画像検査の数とあわせ、なかなか個別に連絡するのも難しくなる場合があろう。

対策としては、これは病院によるとは思う。
ただ一般的な話をするなら、医師が改めて気をつけることと、システム的にエラーを減らすことの2点があるだろう。
前者は言うまでもなく、自身の読影とは別に毎回必ず放射線診断科の所見を確認するよう心掛けること。ただ、心掛けだけではヒューマンエラーの予防策としては甚だ不足。よって後者の、システム上の予防策が必要になろう。

具体的には、例えば電子カルテ上において、重要所見があった場合に放射線科の所見入力ツールに、重要チェックボックスを用意し、できれば癌など重大疾患を疾患ごとにチェックボックス化し、チェックされた場合、各自がその人の電子カルテを最初に開いた時に、ポップアップ式に重要所見のアラートが出るようにするとか。

現行の電子カルテシステムを全て知っている訳ではないが、私の知る限り未読所見の存在は強調されて表示されるものは多いと思う。ただ、重要所見の通知を行う電子カルテの存在は知らない。

多分実際に運用すると、例えば癌ばかり診ている医師は毎回アラートが出るためにアラートに対して鈍感になり、反応が鈍くなることもあるかもしれない。
また、電子カルテは外来診察室では受診者さんが覗き込む場合もあるので、ポップアップによって予定にない形で病名告知を行なってしまう可能性もある。
だから導入するにあたっては事前に問題点を検討して充分対策する必要はあろうが、ヒューマンエラーには当事者の心掛けだけではどうにもならない部分があるので、何らかの予防システムの構築は必要だと思う。

紙カルテで電子カルテ未導入の病院だったら、どうしようか。


■がんの疑い発見も5カ月放置、病状進行で今月死去 横浜
(朝日新聞デジタル - 10月30日 16:50)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=4837088
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