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2017年10月22日21:45

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ハンブルクバレエ2018年来日公演について(3)ダンサー紹介Part1

ハンブルクバレエの来日公演について、作品紹介がまだ一つ残っていますが(「ノイマイヤーの世界」)、注目ダンサーについての紹介を先にしたいと思います。

バレエ団の公式サイト上のダンサー紹介ページ(英語版)はこちら。
http://www.hamburgballett.de/en/menschen/hamburg_ballett.php

Part1は、椿姫で主役を踊るダンサーのご紹介。

◆アレクサンドル・トルシュ Alexandr Trusch

ハンブルクバレエの一番若い男性プリンシパル。2016年の来日では「真夏の夜の夢」で可愛いパックを演じていたサーシャ・トルシュ(彼もアレクサンドルなので愛称は"サーシャ"です)、今回は彼自身全幕では初役となるアルマンを、コジョカル相手に来日公演の初日に演じます。本拠地での椿姫の公演は4月以降なので、まさに日本公演がアルマンデビュー!

彼の持ち味は、素晴らしい跳躍力を含む確かなテクニックと、そして彼本来の性格から来ていると思われるピュア感かな、と思います。彼のアルブレヒトの役作りが特徴的だったのですが、貴族仲間に対してはかなり反発していて、ピュアではあるけれど弱々しいわけではなく、芯がある真っ直ぐな感じ。愛に盲目になる余りにマルグリットを傷つけてしまうアルマンはきっと似合うと思う。彼が童顔なので、二人で組んでいるとコジョカルが少女に見えないところもgood。

ちなみに、彼は「ニジンスキー」の中日にニジンスキー役も踊ります。彼のニジンスキーは、若さ故の弱さ・未熟さが前面に出ているように感じました。発狂度はリアブコより低いですが、ニジンスキーは特殊な人ではなく、ああやって追い詰められれば誰だってそうなってしまうよね、という哀しさを私は感じました。また、リアブコが主役を踊るときは、彼は布面積が異常に小さい衣装で^^; 薔薇の精を踊ります。色っぽくていいですよー!

NBSさんのダンサー紹介のトルシュ編はこちら。http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/topmenu/post-733.html

◆アンナ・ラウデール Anna Laudere

椿姫2日目のマルグリットはアンナ。今やエレーヌと並び、ノイマイヤーの主要な役を数多く演じているプリンシパルです。私生活でもパートナーのエドウィンと一緒に2015年のバレエフェスにも参加したのでご存知の方も多いと思います。

アンナはエドウィン同様、クラシックよりもコンテンポラリーダンスの動きで良さを発揮するダンサーだと思います。背が高くて大人っぽく、そして普段からどこか物悲しい雰囲気を持っているので、ノイマイヤー作品によく登場する耐えるタイプの悲運な女性キャラクターにぴったり。そして近年とみにその演技力に磨きがかかってきているように思います。マルグリット役は以前にも演じていますが、私は観たことがありません。今の彼女のマルグリットは、かなり良いのではないかしら。

NBSさんのダンサー紹介のアンナ編はこちら。http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/topmenu/post-732.html

◆エドウィン・レヴァツォフ Edvin Revazov

椿姫2日目のアルマンを、アンナと組んで演じるエドウィン。彼のアルマン、私は生で観たことがないのですが、ボリショイバレエinシネマでザハロワと組んで演じたアルマンを2回観ています。ご覧になった方も多いのでは。

エドウィンの持ち味は、何といってもあの美しいお顔。入団したばかりのときに、「ヴェニスに死す」のタッジオ役に抜擢されたエドウィン、DVD見ると確かにヴィスコンティ映画のビョルン・アンドレセンに似ている!
あと、性格的にもワンコのようで、素直で可愛い役が似合います。ザハロワとの椿姫でも、ひたすらマルグリットと思う一途なアルマン、可愛かったなあ。

ただ、クラシックのテクニックはちょっと弱いところがあり、アカデミックなバレエを好まれる方には少し物足らなく感じるところもあるかもしれません。でもリフト・サポートはとても上手で、相手役にも気を遣っているのが観客席からでも分かります。彼のそういう優しさに免じて、アルマンのソロパートはちょっと大目に見てあげてくださいね。

彼、ニジンスキーでは踊らない予定みたい。彼のディアギレフは酷薄で美しくて、とても好きなんですけどね(エドウィン、コンテンポラリーダンスは、なかなかいいと思うことも多い)。残念だなあ。

NBSさんのダンサー紹介のエドウィン編はこちら。http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/cat168/post-736.html


◆エレーヌ・ブシェ Hélène Bouchet

椿姫3日目のマルグリットは、ハンブルクバレエの女性ダンサーのまさにトップに君臨するエレーヌ。彼女、現在産休(育休?)中で、おそらくですが来日公演が主役級の役での復帰公演になるんじゃないかな、と思います(コジョカルも、多分そうですね!)。

エレーヌは私の大好きなダンサーの一人。手足が長い美しいプロポーション、完璧なテクニック、そして素晴らしい音楽性と抒情性、すべてを併せ持つノイマイヤーダンサーです。ノイマイヤーの女性ダンサー役は耐える女みたいなのが多いんですが、彼女が演じると、その中にもちょっと現代的な味があるのが私にとって共感しやすい。芯が強い感じがするんですよね。彼女、マルグリットは初役ではありませんが、私は観たことがないので、今回本当に楽しみにしています!

「ニジンスキー」のファーストキャストでは、ロモラ役も演じます。ノイマイヤー版ニジンスキーのロモラは、お金持ちのスノッブなお嬢さんとして登場し、でも最後は発狂したニジンスキーを見捨てずに傍らにいる耐える女という役柄。エレーヌのロモラは、どちらの面の演技も見事です。お楽しみに!

NBSさんのダンサー紹介のエレーヌ編はこちら。
http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/topmenu/post-729.html

◆クリストファー・エヴァンス Christopher Evans

クリスは、椿姫の主役を演じるダンサーの中では唯一ソリスト。でも、最近、本拠地では主役級の役を演じることも多く、実力はほぼプリンシパルと見ていいと思います。ハンブルクの若手男性ダンサーの中で私が一番期待しているダンサーです!

彼は長身で、クラシックのテクニックが確かで踊りがエレガント。あと、演じてるときに感情がすごく客席に伝わってくるところがいい!ノイマイヤーダンサーにとって大切な要素の一つだと思うんですよね。演技力があるってことなのかは、分からないんですが、ロイド、イヴァン、カーステン、サーシャ・リアブコ、といったベテランダンサーを別にすると、役を演じる力が一番伸びそうなのは彼なんじゃないかと勝手に思ってます(ジョンがどう思ってるかは分からないですが)。若手ダンサーの中には、演技力が既に完成されてるカレン・アザチャンもいます(別の日にご紹介の予定)。

クリスにとってアルマンはもちろん初役です。個人的に、彼にはとてもアルマンが似合うと思っていたので、キャストが発表になったときは喜びの声を上げてしまいました。アルマンは踊りも難しいし、相手がエレーヌということで重圧もあると思うけど、ぜひ頑張ってほしい。期待してます。

◆アリーナ・コジョカルについては、ゲストで私も他のバレエファンと同程度にしか知らないので、NBSサイトの彼女の紹介記事へのリンクを貼るだけにしておきます。
http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/topmenu/post-730.html


次回は、椿姫の脇役を演じる注目ダンサーをご紹介の予定です。
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