2017/10/21土 18:00- サントリーホール
指揮：ジョナサン・ノット
◆リスト：バッハの名による前奏曲とフーガ S.260 (オルガン独奏)
オルガン：石丸由佳
◆シェーンベルク：管弦楽のための変奏曲 作品31
◆ラフマニノフ：パガニーニの主題による狂詩曲 作品43
ピアノ：児玉 桃
◇ピアノ アンコール
ラヴェル：「鏡」から 悲しい鳥たち
◆ラヴェル：ボレロ
またもや東響の公演に行ってきました。ノットは去年の春のドイツ・レクイエムぶり。
ほぼ１年半ぶりのこの組み合わせ、全体を通じて、ノットとオケの信頼感が物凄く増しているように感じました。オケがノットの意図を自信を持って体現している感じとでもいいましょうか。とても楽しかったです！
リストのオルガン曲は、ライブ初体験のパイプオルガン独奏。パイプオルガンってゆったり重厚な音色のイメージだったのに、これは流石リスト、って感じのめっちゃ運指の速い曲。陰鬱で派手な曲（矛盾してますかね^^; ）でございました。
オルガン終わるとほんの一息間を置いて、すぐにシェーンベルク。この2つはBACH音階（♭シらドシ）を使ってることが共通ってパンフレットに書いてあったので、続けての演奏になったのではないかと思います。シェーンベルクを生オケで聴く機会なんて私は滅多にないので興味津々だったのですが、コンサート前にランチでたらふくワインを飲んでて実はかなり夢うつつでした・・・。勿体ないことした！でも、現代音楽ってメロディ追うのではなく、そこからくるイメージをとらえるものなんだよなあっていうのは思いました。これ、METライブビューイングでサーリアホの「遥かなる愛」を観たときにルパージュの素晴らしい演出に助けられて理解したこと。
休憩はさんで後半、まずはラフマニノフのパガニーニ。東響の奏でる音から土臭い力強さが感じられてびっくり（ほめてます）。ノットと東響の私の中のイメージ、去年の春までのところでは、非常に清潔で弱音部分が美しいっていう感じだったので、そのギャップに驚きました。お互い回数重ねることで、いろいろ表現の幅が広がったのか、はたまた私が昨年までそういう曲を聞いてなかったのか・・・。とにかく雄大なラフマニノフ、すごくよかったです。ピアノの児玉さん、初めて聴きましたが、可愛らしい外見の雰囲気とは全然違力強い音でびっくりしました。しかも彼女、オケや指揮者と一緒に音楽を作ろうという姿勢が伝わってきてよかったなあ。私、ピアノやヴァイオリンのソリストが走り気味だと、ハラハラして落ち着いて聴けないんです・・・。
そして締めはボレロ。これも、あの壮大なながーいクレッシェンドをよくコントロールしてある素晴らしい演奏でした。それにしても、ラヴェルのボレロって本当によくできた曲だなぁ、といつも聴くたびに思います。同じメロディをひたすら繰り返して音色で違いをつけているだけなのにとても変化に富んでいるし、そして宗教儀式のような高揚感を感じさせてくれる。倍音を使うことでまるでオルガンのような効果を出しているとパンフレットにも書いてありましたが、そう、オケ全体が一つの楽器のような使い方。視覚的にも、最初はオケの一部だけが動いているのに最後はすべての楽器が大きな動きになっていて、ダンスがなくても面白い。
このボレロの音楽を視覚化する試みとしては、ベジャールのボレロが究極の完成形の一つだと思ってきたんだけど、踊りなしで音楽だけ聴いていると、もっと別の形もあるんだろうなと思えてなりません。ボレロの音楽に合わせてたくさんの振付家が作品を創っていますが、私が生で観たのはベジャールのものだけ。他のものも観てみたい。ボレロに振付けられた作品だけを上演する公演だって面白いと思うんだけどなあ。
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