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2017年10月19日22:11

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★● 1◎ 物語を考えてみた ◎ (第1801回)

新しい物語です
暇なときにでも、読んで頂けると幸いです
良ければ「イイネ」や「コメント」等をして頂けるとありがたいです(^_^)

※いつもよりダメですので編集する気にはなりませんでした
※素人が書いてます

タイトル「迷惑な家出」

――

数年前に、この町に会社の都合で転勤してきたのだが…
この間、一人暮らしをしている私の家に変な女が訪ねてきた
一悶着はあったが、今は私の家に住んでいる
何があったのかは後で説明するとして…
まずは、その女の事について説明しよう
彼女は普通の顔立ちで町にいる若い女性と何ら変わらないのだが、1つ違うところがある
それは、この女の背中には黒い翼が生えていること
最初に見たときは偽物かと思ったが、その付け根を見せてもらったら、確かに背中から生えていた
しかも、彼女に言うには翼を羽ばたくように動かせるらしい
実際に見せてもらうと、本当に動いた

じゃあ、飛べるのか?

そう思ったのだが、彼女が言うには飛ぶ物ではないという
『じゃあ、何のために付いてるんだよ…!』と彼女に言うと、彼女は『飾り』と当然のごとく言ってきたので、もう触れてはいけないと思い、それについて話すのを止めた

彼女との最初の出会いもそんな感じだった…

それは雨が降る日
突然、降りだした雨に私が年季が入ったコーヒー屋の軒先で雨宿りをしていると、私の隣にソイツが入ってきた
彼女を見ると、雨で濡れて冷えてしまっているのだろう
身体が震えている
私は声を掛け、たまたま持っていたタオルを彼女に渡そうと鞄から出した
すると、彼女はかなり驚いた表情に変わった
後で分かったのだけど、本来は彼女の姿は見えないらしい
それなのに、私がタオルを渡してきた事に驚いたということ

その後、彼女は少し私を見た後に少し笑みを浮かべ、タオルを受け取った


『アナタ、名前は?』
『ナカムラですけど…』
『下は?』
『ヒロユキ…』
『そう…。ヒロユキって言うのね』

そう言って、彼女は不敵な笑みを浮かべる

『アナタ、私に感謝した方が良いわよ』『な、何で…?』
『それは、また今度、教えるわ。はい。返すわ。ありがとうね』

彼女は私にタオルを放り投げて、それを私は慌てて掴み、彼女の方を見ると居なくなっていた

『なんだアイツは…?』

それから数日後
その彼女の事を忘れた頃に奴はやって来た
私が昼ごはんを食べていると、インターホンを何度も鳴り響く
驚いた私は慌てて玄関のドアを開けると、あの時の女性が立っていた

『来てやったわよ!』

自信満々に仁王立ちで立っている彼女
私は戸惑いながら尋ねた

『あの…何の用でしょうか?』
『何って…。前に言ったでしょ? 今度、私に会えた理由を説明してあげるって』
『はぁ…』
『ほら。早く入れなさいよ』
『……』
『どうしたのよ?』
『あの…帰ってもらえますか?』
『はぁ!? 何を言ってるのよ!?』
『何か…面倒くさい事には巻き込まれたくないので』
『いや…! ちょっと待って…!?』

私は彼女の制止を無視してドアを閉めた
すると、そのドアに何度も手を打ち付けながら、『私は女神よ! 開けなさい!』と意味の分からない事を言い始めた
当然、そんな戯言を私は無視しようとしていたのだが…
私がリビングに戻ると、ソイツが私の座椅子に座っていた

『お、お前…!?』
『あ、どうも〜』
『どうして、そこにいるんだ…!?』
『瞬間移動しちゃった』
『しゅ、瞬間移動……?』

何を言ってるんだコイツは…

私が唖然としていると、ソイツは『さて…』と言いながら座椅子から立ち上がり、ここに来た理由について話し始めた

『ねぇ、アナタ。この世界についてどう思う?』
『どう思う?って言われても…。まぁ、理不尽な世界だなぁと思ってるよ』
『やっぱりアナタもそう思うわよね? そこでなんだけど…。私と一緒に世界を変えない?』

話がよく分からないが、どうやら私は彼女に選ばれたらしい
ただ…簡単な詐欺に引っ掛かってる感じがして、面倒な臭いがスゴいする

『世界を変えた暁にはその王様にアナタを…』
『あの…』
『ん? 何かしら』
『……結構です』

私の拒否に彼女はあからさまな驚きの顔をした
すると…

『ど、どうしてよ!? 私と一緒にやれば世界を変えられるのよ!』
『いや…。世界とかどうでもよくて、明日の仕事の準備しなくちゃいけないんだよ』
『だから?』
『だから帰って』
『ふ、ふざけんじゃないわよ!?』
『いや、真面目に…』

真剣な表情で言うと、彼女は怒ったと言わんばかりに表情を強ばらせ、『意地でもアナタを説得させるから!』と言って、座椅子に座ってしまった
それから、私は何度も彼女に出ていくように行ったのだが、彼女はそれを無視して居座るようになり、今に至る…

現在では、彼女がいるのが当たり前のようになっていて、彼女もそうなってるようで、お腹が空く時間になると私に必ずご飯を作れ!などとねだるようになってしまっている

全く…何のために私の所に来たのか分かりゃしない…
まぁ、思い出されて騒がれるのが嫌だから指摘はしないが…

それから季節が過ぎ、雪が積もり始めた頃…
突然、家のインターホンが鳴った
居間でコタツに入りながらテレビを見ていた私と彼女は互いに顔を見合わせる
お前が行けという意思表示だ
しかし、結局、山のごとし動かない彼女に負け、私が重い腰を上げて玄関を開けた
すると、クールな身なりで固めた、ちょい悪オヤジが立っていた

『あの…何でしょうか?』
『すみません。ここに「イシュ・ミラ」という女はいませんか?』
『イシュ・ミラ…? 誰でしょうか?』

そう言うと、その男性は私にある写真を見せてきた
そこに写っていたのは、神秘的な衣装を着た綺麗な女性

あれ…?
この人、どこかで……

そう思った時、アイツがリビングから出てきた

『ちょっと、いつまで相手してるの…よ……』

彼女が男性に気づくと、明らかにマズイというような顔をして、後方に足を動かし始める
すると、男性は手を前に出して、広げた手を握ると、彼女は動かなくなった

『お騒がせしてすみません。事情を説明させて頂きたいので、図々しいですが、中に入れてもらえませんか?』
『あ、はい…。どうぞ…』

私はこの事について考える事を放棄していたため、『何でもいいや…』と思いながら、男性と動かなくなった彼女を持ち上げて居間に入れた
男性はコタツに入り、彼女は居間の隅っこに置いた
邪魔になるから

それから、男性と雑談を交えながら事情を詳しく教えてもらった

男性の名前はイシュ・ドルビー
彼女、イシュ・ミラのお父さんだという
確かに言われてみれば、似ているかもしれない
そんな彼らは驚くことに神様と女神らしい
当然、私は嘘だと思ったが、男性は自分の身体に刻まれた神の証を見せてくれた
それは幾何学模様が美しい紋章で、不思議な力があるのか、目を離せなくなるくらいに引き込まれてしまう
それを感じて、何となく彼らは神様なのかな?と感じた

それから、ミラがここに着た理由も分かった
理由は単純
ミラは会った時に「会えて良かったわね」とか「世界を変える」とか言っていたが、あれはまるっきりの嘘
本当は、お父さんのドルビーに正論で怒られ、反論できずに天界から地上に降りてきて、たまたま出会った私の家にやって来たという
要はただの家出だ



続く…………
―――

ナカムラヒロユキ


父、イシュ・ドルビー
娘イシュ・ミラ



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