ネットをうろついていたら怪談話のHPに出会いついつい読んで時間をつぶしてしまったよ。
そんな中で自分が体験した話
調理師学校を卒業してすぐに箱根にオープンしたレストランに就職した。
そこはホテルも兼ねていて、泊りの仕事も新米の自分たちにはあった。
夜遅く、同僚と「腹が減ったんぁ」なぞと話していた。調理場に行けば食いモンはあるのだが、まかないでは手を出してはいけないものばかりなので「買い出しに行こう」という話になった。
泊りの仕事があったという事は泊り客があったという事なのだが、若かった自分たちにはそんなことお構いなし。夜遅くに買い出しに出かけることとなった。
車を運転する役目はおいら。その同僚は助手席。
芦ノ湖の湖畔の道を走る。昼間だと眺めのいい山道なのだが、夜はカーブの連続で結構疲れる。
そんな中割と直線の続く区間に出た。と、前から対向車
やけに中央車線よりを走ってくる、危ないやつ
自分たちが乗っていたのはワンボックス、座席位置は乗用車と比べると割と高い。
すれ違いざまに乗用車の窓を少し見下ろす形になる。
その対向車とすれ違い、その時になんか妙な感じを覚えたのだが、ふとバックミラーを見るとその車のテールランプも見えない
「?」
「今、車とすれ違いましたよね」と聞くと、助手席の同僚
「おう、すれ違おうたで」
「…運転席にだれか乗っているの見ました?…」
「いや…気ぃ付かんかったけど…」
「すれ違ってすぐにバックミラーのぞいたんですけどね、車らしきもの見えなかったんですよ。テールランプも見えないし。ここそんなにすぐ見えなくなるようなカーブなかったでしょ。」
助手席の同僚、怪訝な顔したかと思ったら顔引きつらせて
「早よいこ…」
おいらもそうであったのだが、すれ違いざまにふと見た対向車の運転席あたり、だれも乗っていなかった。それに違和感を覚えたんだ。
その後、その同僚とはその話をしなかったよ。
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