2017/10/15日 14:00- 桐生市市民文化会館 小ホール
渡辺レイさん、小尻健太さん、湯浅永麻さんの3人が中心となって活動しているダンスグループoptoの4回目の公演を観るために、桐生まで遠征してまいりました。超一流のダンサーのコンテを堪能いたしました！
以下、感想は各作品ごとに。
◆The Other You（日本初演）
振付演出：クリスタル・パイト
イリ・ポルコニ、小尻健太
最近ネットで高い評価を見聞きするクリスタル・パイト作品、生で観るの初めてなのでめちゃくちゃ期待してました。なるほど面白かったです。この作品は、The You Show4部作の1部として2010年に初演されたものらしい。
ステージ上背面部には半円状に椅子が並んでます。オリジナルではこれは柱らしい。そのスペースで繰り広げられる上着の丈の長い黒いスーツ（執事風？）を着た男2人のパドドゥ。明確なストーリーがあるわけではなく、支配するものと操作されるもの、そしてお互いへの執着、を表現しているように見えました。振付はクラシックのテクニックをベースにしたコンテで、脱力をうまく使るシャープなリズム感とスピーディーなボディコンタクト（っていうんですかね）が特徴かな。この作品に関しては金森さんの舞踊言語ともよく似てるように感じました。パイトって女性なのに、動きはあまり女性的な感じがしなかった。物凄く感情がオモテに立つというよりは身体性で見せる作品なのに、それでいて深い感情がそこに流れていることを感じさせる。なかなか興味深い作品でした。この作品だけでパイトが好きかどうか分からないけど、もっと観てみたい！
あ、私は実は小尻さんのファンなのですが、ポルコニもすんごいかっこよくてよかった！
音楽は、最初は街頭の音みたいなのが入ったりしますが、最後はベートーヴェンの月光。
◆The Garden of Love
振付・照明コンセプト：小尻健太
演奏：大石将紀
渡辺レイ、鈴木竜、横山真依、南帆乃佳
最初は女性2人＋男性1人、最後はレイさんと竜さんのデュエット。音楽が面白かったな。録音音源とサックス奏者大石さんの共演。サックスはメロディを奏でるだけではなく効果音も担当する！これが面白かった。どうやってあの音出してるの？ってダンサーではなく大石さんの方を凝視してしまったこともしばしば。楽器ってああいう使い方もできるんですねー。
オーディションで選ばれたという鈴木さん、横山さん、南さん、どなたも素晴らしかった。個人的に特に気になったのは横山さん。ドラマティックな何かを感じさせる表現力が好きです。
渡辺レイさん、たぶん初めてナマで拝見するのですが、きれいな方でびっくりしました。体は物凄くシャープに動くけど、それでも抑えきれない女性らしい柔らかさを感じます。
◆Recall
振付・照明コンセプト：ヴァツラフ・クネシュ
渡辺レイ、湯浅永麻、ヴァツラフ・クネシュ、小尻健太
optoの中心メンバー3人にクネシュを加えた踊りまくりの迫力作品。冒頭の4人で踊るところ、4人が連なって様々なフォルムを形作るところが面白かったな。youtubeで見たパリ・オペラ座のクリスタル・パイト作品(The Season's Canon)に通じるところがあるように感じました（振付家のインスピレーションがそこから来ているかは別として、私の感覚ね）。
そのあとのデュエットは、渡辺さん×クネシュ、永麻ちゃん×小尻さん。後者が凄かったなあ。小尻さんは勿論、期待に違わぬキレあるダイナミックなダンスを見せてくれました。彼って舞台だと凄く大きく感じるけど実際はそれほど大男じゃないですね。そしてそして、永麻ちゃんが！素晴らしくて！私、彼女を生で観るのは先日の横浜のエクのジュリロミのPDDに次いで２回目だったのですが、すっごいダンサーですね。生命力にあふれる力強い動き、動と静の明確さ、抜群のリズム感、そして、何を踊ってもストーリーを感じさせる表現力。いやーすっかりファンになってしまいました。
湯浅永麻さん、ほんとに素晴らしいダンサーなので、ぜひ皆さんに観ていただきたいです。幸いなことに、来年早々に彼女が振付・演出・出演する"enchain"という公演があるようなので、ダンス好きの方にはぜひ足をお運びいただきたい！（2018/2/28水-3/2金 国際文化会館（六本木）にて。Dance New Air 2018プレ公演の位置づけのようです）
彼女を見ていて、ハンブルクバレエの菅井円加さんを思い出しました。私にとっては、テクニックと力強さと表現力のすべてを兼ね備えたダンサーという点で二人に共通点があるように感じます。似ている、というのとはちょっと違うんですが。得意な作品は違うと思うしね。
opto、素晴らしい公演でした。ただ、桐生はやっぱり遠かったな・・・。願わくばもう少し都内に近いところでやってくれるといいんですけど！あ、でも、桐生市市民文化会館の小ホールは、円形をした親密な空間でとてもよかったです。
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