武尊山　2158ｍ

10月10日は東京オリンピックの開会日で、昔から相場は晴れと決まっているのだ。
でも予報は曇りで降水確率１０％。だから晴れ男の私が行けば晴れるに決まっている。
ほらね。
ところがそれから1時間も立たないというのに暗〜くなってまいりまして上空は厚い雲に覆われた。
そこへ小柄な男が飄々と降りてきた。
上に小屋は無いのにこの時間に下山って変だなと声をかけたら
「足が進まなくて、今日はやめようと戻ってきたんですよ」
「こんな天気だし、それは尊い決断です。なかなかできることではありません」と私最敬礼してしまいました。
笑顔の絶えないそのお方は「私81歳で一人だし自己責任でね。ところであなた何歳？　あ〜まだまだ若い、これからだね〜！」と笑うのさ。
そして「昨日の谷川岳は天気も良くて快調でしたよ。今日はなんでだろう。足が遅くて」
「そりゃぁ昨日の疲れが残ってるんでしょうよ」
「あぁそうかねぇ、そうかもしれませんねぇ。そうそう、夏には針の木岳へ登りましたよ。山はいいですねぇ。お引止めしちゃってごめんなさいね、またどこかでお会いできるといいですねぇ、かっかっか〜♪」


肉眼ではもっと艶やかな紅葉なのに、曇天でこんなふうに写ってしまった。

武尊山頂から向こうに尖っている剣が峰へ。この尾根歩きは気持ち良かった〜！　今度は新緑の時に来たいな。

突然ワオ〜ン♪と武尊さんの狛犬現る。

今日はいつ降り出すか心配な天気だったけど、もったねワオ〜ン♪
下りはぐちゃノロべちゃツルで、二度もスッテンコロリンしちゃったし、剣が峰までは順調だったけど、7時間25分コースを8時間半近くかかっちまった。
でもあの８１歳兄いのおかげで、心は軽快だったよ〜ん。

足元の紅葉は天気無関係で赤く撮れました。