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2017年10月09日23:55

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『HIDDEN FIGURES ドリーム』

邦題がダサイ問題から
アポロ計画じゃなくてマーキュリー計画だろ
映画の内容を配給会社が判ってねーのかよ問題と、
公開前に色々あれやこれやがあったこの映画ですが。

控えめに言って最高の映画でした!( ̄∇ ̄)b☆

アポロ計画の前のマーキュリー計画って、
あまり日本では知られてないですが。
有人宇宙飛行の成功、華やかな宇宙飛行士の栄光は、
こんな名も無き人達(主人公の三人以外の人達)の、隠されてしまっていた
影の才能と努力の上に成り立ってたんですねえと。

あらすじ:1960年代、今よりもまだ人種差別問題が色濃く残ってた時代、
ソ連との宇宙開発競争で後れをとっていた
アメリカNASAでは、先にソ連に有人飛行を成功され、
政府からプレッシャーを受けていた。

そんな中、有色人種のみで作られた西グループにて
ロケットの打ち上げに欠かせない複雑な計算や解析に取り組んでいた
キャサリンは、白人ばかりの宇宙特別研究本部に抜擢される。

西グループのリーダーであり管理職並みの仕事をしつつも
黒人であることから管理職になれないドロシー、
技術部に転属され能力はあるが、同じく黒人女性だからという理由で
エンジニアになれないメアリー、三人は差別を受けつつも
有人飛行と言う一つの目標に向け、NASAの中で地位を確立していく。

静野批評:A ★★★★☆

脚本・セリフも良いし、差別を差別だと言う事すら出来なかった時代であり
当たり前に差別が横行していた時代、意識が変わっていく白人側のサイドも
上手く描いていたし、
黒人差別と闘う話と思って見るより、差別を受ける中で
機転と才能を駆使し仕事に頑張る人の映画であり、
女性の友情とかシングルマザーのキャサリンの恋愛要素とかもあり、
バランスの良い映画だった。

マーキュリー計画をよく知らないので、初の有人飛行が
成功するのかとか、緊迫感のある場面がどきどきでした。
星五つでも良いかなと思ったんですが、
キャサリン以外の二人の人生と、
キャサリンの頑張りが報われる所をもうちょっと見たかったなあと思って。

所々に出てくる差別場面が、本当にうがあああって感じでねえ……
暴力場面とかえげつないのは、やはり舞台が
エリートばかりのNASAな所為か、そこまで無かったんだけど。

バスの席も水飲み場も分けられたりとかは知ってたけど、
計算させておいて名前書かなくて良いとか言われたり、
トイレは何処か聞いたら「黒人用のは知らない」とか言われたり、
まあその他諸々はネタバレになるから書かないけど!
見ながらうわあああ嫌な奴!!と。
でもこれ、やってる方は当然ってか無自覚ってか、
差別って意識も、酷いって意識も無いんだよな、うがああ!!
器が狭い!人間として小さい!と
すげえイライラしてた……。(語彙力何処行った)

予告編だと字幕が違うんですが、
「黒人が頑張ってゴールに近づいても、ゴールの位置を変えられる、
ルールを変えられる」
「自分が白人男性なら、もうとっくにエンジニアになっている」とかいう
台詞から、押さえつけられ声を上げる事すら許されなかった為に
色んな事を諦めざるを得なかった、彼女達の人生が伝わってきました。

だからこそ、頑張る事を止めなかった彼女達が、
最後認められ、報われる所が感動でしたね……。

キャサリンの新しい白人上司のケビンコスナーが、
めっちゃ良い味出してました。この人久しぶりに見た。
予告で見た人もいるかもですが、この白人上司が
ある物をぶっ壊す場面爽快でした!
「NASAでは小便の色は皆同じだ!」って、最高の名台詞だと思うww

何かコレを見て、こんな才能がある人でなければ差別から逃げられないんだって
感想の人がいたんだけど。
いや寧ろ、こんな才能があった人すら差別された時代酷いよね、
努力と勉強で相手に価値を認めさせる事ってカッコいいし大事だよねって
話だと思うのだが……。

IBMが導入され、人間が計算しなくても良くなるから
クビになるかもって時に、じゃあどうするかって。
諦めてそのままクビになるのを待つのか、
違うスキルを身に着け役に立つ人間になるのかって、
それって機転と言うか努力と言うか先を見る視野の広さ、違う意味の頭の良さで、
「才能」とは違うと思うんだけどな。

現在もご存命のキャサリンさんが主人公で他友達の女性と
三人が中心なんですが、
三人共物語の主人公になりそうな、激動な人生だなあと。

てかまだご存命の方が、若かりし頃にまだこんな時代だったんですよね。
まだ100年経ってない。その事実に愕然とするし、
現在ここまで変わったとも言えるし、まだまだとも言える。
それでも、今の日本よりは全然マシだ。
女性差別という点では、1960年代のアメリカと変わらん部分がまだあるよね。

でも本当に良いセリフのオンパレードだし、
キャサリンの相手役のアリさん、ムーンライトの悪い風貌とは一転
凄い良い人オーラの紳士の役だし
宇宙飛行士のジョン・グレン氏、めっちゃあの映画の中で紳士だし、
見て損無しだと思います。超お勧めする、エンターテイメント映画。
感動した!と言うよりはすかっとした?良かったー、みたいな。
音楽も良いしね!( ̄∇ ̄)b☆

しかし、あの時代女性はハイヒール必須だったんだろか……
走り回るキャサリン見ながら、
いやもうスニーカーで良いじゃん!転ぶよ!!とか
めっちゃハラハラしてました(><)。

余談ですが、女性上司役がキルスティンダンストでびっくりした。
何かめっちゃ老けたってか、すげえ嫌な役がハマってたよ( ̄▽ ̄;)。





ツイッターとかで、「差別する自由がある」とか「差別する権利がある」とか
言う人を偶に見るけれど。
そんなもん何処にもねえよ。
表現の自由・思想の自由とか言い出す人もいるが、そこに差別は認められて無い。

自分が、黒人差別でもユダヤ人迫害でも、性差別でも、
「差別」という言葉に物凄い嫌悪感があるのは、
小学校の頃に担任の先生が教室に置いてたカムイ伝って、
えた非人の忍者が主人公の漫画を読んだ所為もあるし、
はだしのゲンやアンネの日記を読んだ所為もある。

アンネの日記なんて、普通の子供の日記ですよ。
お姉ちゃん・弟と喧嘩したとか、
お父さんがお土産に買って来てくれた物が嬉しかったとか、
食べた物が美味しかったとか、他愛のない、普通の子の。

なんだけど、最後が「この日(日記の最後)の数日後
ナチスに連れて行かれ、殺された」みたいな一文で終わってて、
えええー!みたいな。子供心に大ショックっすよ。

何の罪もない普通の子が、ある日突然、その属性というだけで
暴力を振るわれる、財産を奪われ隠れて住んで
挙句連れて行かれ殺される、というのが恐怖で
めちゃトラウマになりました。

映画でも、評決の時とかカラーパープルとか
Boys don't Cryとか、結構今でもトラウマです。他にも色々ありますが。

ネットに氾濫してる醜い言葉、差別を垂れ流してるのが目に入ると。
こんなのを堂々と書いてる人間の顔は、
どれだけ醜いんだろうと思いぞっとします。恐怖しか感じない。
自分の中では、映画の中で、人を殴り殺し傷つけていた、差別主義者達の
あの醜い動物のような、虫の目をした汚物の様な顔しか浮かばない。
ネットの、顔が見えない中でなら何を言っても良いと思ってる所も、
卑怯で気持ち悪い。

どうしても「差別する自由がある」とか「差別する権利がある」と言いたいのなら。

「日本人だから」「アジア人だから」というただそれだけの理由で、
殴られ蹴られ財産を奪われ、
無能と言われ下等民族と言われ蔑まれ、
強制労働を押し付けられ搾取され、住む場所を奪われ
犯されガス室に連れて行かれ殺された後で、やった相手に向かって
「差別する自由はある」って言ってくれ。話はそれからだ。
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