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2017年10月03日01:41

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僕の来来来世も犬!「僕のワンダフルライフ」を観た!

 猫派だし猫飼ってるけど犬映画観てきました。犬好きに送る犬映画「僕のワンダフルライフ」。


●あらすじ

 生死を繰り返し、犬の人生を歩み続ける一匹の犬。ある日彼は少年・イーサンと出会いベイリーと名付けられた。ベイリーはイーサンとの青春を共にしつつ、幸福なその生涯に幕を閉じた。受け継がれていく記憶の中で強く思った事は、イーサンやガールフレンドのハンナと一緒にいた楽しかった思い出。来世になってもずっと受け継がれていく記憶を秘めて、ベイリーの数奇な人生が始まった。


●ペットロスのわんこそば! 輪廻転生で巡るベイリーの旅

 設定は「記憶を受け継いだまま同じ犬として生を繰り返す」超ファンタジーにして、異世界に行かない王道の転生もの。ベイリーは何度でも生を受け、様々な飼い主に拾われては生涯を全うする。さながら短編集のような構成だが、短時間とはいえ出会いから別れまで描かれる、ベイリーを主観とした飼い主のエピソードは純粋に心に響く。

 ペットを飼った事のある人なら覚えがあるであろう、ペットへ向けられる無償の愛情や、その見返りとしての愛嬌や無垢の存在感。どんな人間や家庭でもペットの影響は強く、飼っているつもりでもどこかでペットに助けられている自分もいたりする。しかしベイリーはあくまで自分の気持ちに真っすぐと向き合い、飼い主と自分のために一瞬一瞬を生きていく。

 警察犬の話や犬ナンパ(犬が女性にちょっかいを出して飼い主が出会う系)など、定番の話も多いが、分かっていてもグッときちゃうのがペットの物語である。だからこそ別れのシーンが本当に悲しくて、うちのワンちゃんや猫ちゃんもいずれは……としんみりしてしまうのが辛いところだ。


●次の人生もきっと楽しめるさ! ベイリーの前向き人生

 テーマも題材もしんみりしがちな本作だが、比較的カラっとしてるのはベイリーの良くも悪くも単純で、かつ前向きな性格のおかげだろう。ベイリーは自分の境遇に戸惑いこそすれど、決して誰かを憎んだり自分を悲観したりしない。その心構えは忠犬のそれであり、気まぐれで風来坊の猫にない魅力でもある。実際悲しくなるようなシーンもサラッと流せてしまうのはベイリーのナレーションのおかげでもある。

 ちなみに吹き替え版でのベイリーは高木渉さん。感想サイトではコミカルな演技が受け付けないという方もいたみたいだが、個人的には良い意味で子供っぽく、短パン少年的な活発さをもったベイリーには非常にマッチしていたと思う(ガンダムXだってあの声だから好き)。字幕で見るとまた別印象だと思うが、吹き替えでの熱演も評価したいところだ。


●犬がいてくれたから今の自分がある

 話の主軸はイーサンとのパート。予告でガンガン流してるから書いちゃうけど、ベイリーは少年・イーサン、青年・イーサン、そして老年・イーサンとの時を過ごす事となる。ベイリーはイーサンとの出会いは人生を決定付けられるほど忘れられないものとなった。だが当のイーサンはどうだったのか? が問われるのも本作の見所だ。

 実のところ、ベイリーの存在は幸せのクローバーではない。現実問題としてペットを飼うのに反対する家庭や、あまりよく思わない人々もいる。結局はその人次第ではあるのだが、ふとしたことで人生を踏み外してしまい、そのトリガーがベイリーである事も否めない。ビターな展開に心苦しく感じる時もある。

 それでも、基本的に本作で描かれるのは「正しき飼い主と、それに応える愛犬」であり、そして人はその愛情を決して忘れる事はない。実際は犬の考えてることなんてわからないし、その幸せを人間が考えるのも身勝手なのかもしれないが、全編これでもかと映される笑顔を浮かべる飼い主と、その傍にいつもいる愛犬の姿が全てだろう。


●まとめ

 いつも以上に曖昧な感想になってしまったが、個人的には「ボロ泣き」というより「心温まる」感じで、パンチこそ薄いが視聴後にハートフルな気持ちで帰路に着いた。単に感動だけを目指すならもっとねちっこい描写とか出来たと思うけど、どこかドライな感じなのは洋画の空気感なのかもしれない。

 仮に同じ題材で下手に邦画でやっていたら、もっとくどくい感動路線に走っていたと思うので(例・役者の泣き顔アップ、尺稼ぎ沈黙、葬式かってぐらい悲しいBGMなど)、そういう意味でもそこまでしつこくない、重すぎない良い作品だったと思いました。犬好きじゃなくてもペットを飼ってる人なら観てみましょう。
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