2017/10/1日 15:00- NHKホール
バイエルン国立管弦楽団
指揮 キリル・ペトレンコ
◆マーラー:こどもの不思議な角笛から
ラインの伝説
トランペットが美しく鳴り響く所
浮き世の生活
原光
むだな骨折り
死んだ鼓手
少年鼓手
バリトン:マティアス・ゲルネ
◆ワーグナー:楽劇ワルキューレ第一幕 演奏会形式
ジークムント:クラウス・フロリアン・フォークト
ジークリンデ:エレーナ・パンクトラヴァ
フンディング:ゲオルク・ツェッペンフェルト
バイエルン祭り最終日は、NHK音楽祭。バイエルンの来日公演には4回行きましたが、一番感動した公演でした。大・大満足!
ワルキューレ第一幕。言葉にならないくらい素晴らしかったです・・・!
フォークト、澄んだ声と実に正確な音程で、でも物凄い迫力でした。彼の声、本当に強い。発せられたところから全く減衰せずにレーザービームみたいに後方席にまで飛んでくる。声を張り上げてるわけではないのに、あの広大でデッドな音響のNHKホールに響き渡る。凄い・・・!
彼がジークムントに向いてないなんて言ってたの誰ですか(開演前、ホワイエでそういうこと言ってるオペラファンらしい人見かけました)。歌手も進化するのです、過去のイメージだけで判断してはいけません。いやーこれは、今後彼がどんな風にワーグナーの英雄役を攻略していくのか、本当に楽しみですね!
しかもパンクトラヴァとの掛け合い、終盤は二人とも大熱演。途中から観ている方も息をすることも忘れるくらいの緊迫感で、最後の音が響き渡った後しっかり抱き合った二人、しばらくそのままでした。彼らにとっても会心の出来だったのではないでしょうか。
パンクトラヴァ、ヴェーヌスがはまり役だなーと思っただけにジークリンデ?と思ったのですが、彼女演技派ですね、ちゃんと控え目なジークリンデに見えました。そしてこれまた、明確な音階と会場中に余裕で響き渡る素晴らしい声!彼女の熱演がフォークトとの間にケミストリーを生み出していたように思います。ツェッペンフェルトも出番短かかったけどジークムントに負けない強いフンディングでした。素晴らしいキャスティング!
そしてオケも素晴らしかった。ここにきてようやく、皆さんがおっしゃるペトレンコの凄さというのが分かったように思います。彼の中では、どんな音やフレーズも、このオペラの中で意味を持っているのだなと。すごく緻密に音楽の意味を考えてそれを表現するためにどうしたらいいかを全部考えて、そしてオケに指示を出している。ワーグナーのオペラでこれやるのってクリエイティビティだけじゃなく相当な気力体力が必要。凄いな。歌手にもしょっちゅう視線を送り、呼吸を合わせながらオケを操っている姿もとても印象的でした。ベルリンフィルのシェフも名誉なことだしその組み合わせも聴いてみたいけど、でも、オペラは是非、振り続けてほしいです。
あのNHKホールでこんな素敵な響きが聴かれるなんて!歌手の皆さんオケの皆さんペトレンコ、本当にありがとうございます!
やけにびっくりマークの多い暑苦しい感想になってしまいすみません。
あ、前半のゲルネのマーラー。これは文化会館の小ホールとかで聞きたかったなと思いました。彼の声はもっと親密な空間が似合いますね。
この公演、11/27月午前1時からのBSプレミアムシアターで放映の予定です。忘れずに録画しなくちゃ。バイエルン祭りはこれで終わりです、はるばる日本まで来て下さり素晴らしいパフォーマンスをどうもありがとうございました!今度は現地に聴きに行きたいです!
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