mixiユーザー(id:2438654)

2017年09月30日16:12

359 view

バッティストーニ×東フィル オテロ

2017/9/10日 15:00- オーチャードホール

ヴェルディ/オペラ『オテロ』(演奏会形式)
全4幕(原語上演・字幕付)

指揮:アンドレア・バッティストーニ
映像演出:ライゾマティクスリサーチ

オテロ:フランチェスコ・アニーレ
デズデーモナ:エレーナ・モシュク
イアーゴ:アイヴァン・インヴェラルディ
合唱:新国立劇場合唱団

だいぶ時間が経ってしまいましたが、バッティと東フィルのオテロの感想を備忘録的に。

実はこの日、朝から映画館でROHライブシネマのヨナス・カウフマン主演のオテロを観てからオーチャードに向かったオテロデーでした。(そちらの感想も書きたいと思ってるのですが)

バッティ×東フィルのオテロ、私はかなり満足でした!オケは大健闘だったと思います。日本のオケの弱点である管もバンバン鳴ってたし。バッティの指揮はリズムがよくて、でも勢いに乗ってるだけじゃなくてちゃんと考えられてるのが好きなんですが(こういうところは皆さん絶賛のペトレンコと相通じる部分があると思う)、このときもその良さがよく出てました。歌手とのバランスもよく考えられてる感じでした。東フィルがバッティの手足のようによく動いてて両者の信頼関係を感じます。東フィルとの関係も良好だし、バッティを新国オペラの指揮によんでくれないですかねー。

歌手も実力派揃い。私はモシュクのアヴェ・マリアにやられてだだ泣きでした。彼女のデズデモーナ像は、大人でどこか諦念が入っている感じなのですが、その彼女がこの世の最後といとおしむような囁くようなアヴェ・マリア。ライゾマの演出もこのときは蝋燭のビジュアルでとてもシーンに合っていたと思います。モシュク、流石ですねー。

あとイアーゴ役のインヴェラルディもよかった。オテロより体が大きいのが何となく原作を考えると違和感あるけど、堂々たる歌唱でした。オテロは若干存在感弱かったように思ったけど、朝ヨナスを観た後じゃ分が悪いなと。

何となくオテロって作品には、イアーゴはオテロを実は愛してるっていう裏のストーリーが欲しくなってしまう腐った私ですが(ノイマイヤーのオテロの影響です!)、ROHのもそうだったけどオペラのオテロではそういうのを前面に出す演出ってあまりないんですね^^;

この公演ではライゾマティクスが映像演出を手掛けることも話題でした。全然そんなこと知らなかった私はポスターがやけにデザイン重視でかっこいいなーと(指揮者などの写真なし)思ってたのですが、そういうことだったのかと。演奏会形式のオペラだとしばしば雲が流れる映像とかがスクリーンに映し出されることが多いのですが、そういうものに比べるとライゾマの演出はよかったと思います。シーンを説明するというよりは、登場人物の心理を抽象的に表現するという手法。第一幕のデズデモーナとオテロの二重唱のシーンは広大な宇宙の広がりをイメージさせる映像、これはとてもよかったな。その後イアーゴに計略で嫉妬に狂い始めるオテロのシーンでは、彼の世界にほころびや歪みが出るような映像だったり、イアーゴのシーンではは不揃いな粒々がうごめく映像で彼の歪んだ欲望を表現してました。

ただ、ライゾマの演出が必須だったかというと、どうなのかなあ、とは思います。この前に観たN響のドンジョのように歌手がそれっぽい衣装をつけて演技してくれれば余計な演出は不要だよなぁとは思ってしまう。あ、このオテロでは男性ソリストがいわゆるタキシードで、ちょっと残念。まあ、ライゾマを起用したりという新しい試みは評価したいなと思います(上からですみません)。

と、なかなか楽しかった公演ですが、この日のオテロ×2公演の結果、ノイマイヤーのオテロを猛烈に観たくなってしまいました。ノイマイヤー作品の中でも5本の指に入る面白さ。あのイアーゴはオテロ大好きだし・・・。再演してくれないかなあ。

ということで、個人的メモ用にノイマイヤーのオテロの感想のリンクを貼っときます。(だいぶ何回も観てますな^^; )
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1929172681&owner_id=2438654
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1937604906&owner_id=2438654
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1952067175&owner_id=2438654
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1954282668&owner_id=2438654

0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する