今日の出来事：１５５１年−大寧寺の変、１５７１年−織田信長が比叡山・延暦寺を焼き討ち、１６００年−関ヶ原の戦い：岐阜城の戦い、１８６３年−八月十八日の政変、１８６７年−赤松小三郎暗殺、１８６８年−北越戊辰戦争：赤谷の戦い、１８６８年−仙台戊辰戦争：三好監物切腹、１９１７年−関東大水害
今日は、大寧寺の変です。「吉田郡山城の戦い」で尼子晴久は、大内氏の傘下の毛利元就を攻めましたが敗退しました。周防の大名・大内義隆は、尼子氏に更なる打撃を加えるため、大内家臣・陶隆房の主導で大軍を率いて尼子氏の本国・出雲へ遠征しました。尼子晴久は、居城・月山富田城に籠もって徹底抗戦したため、大内軍は攻めあぐねました（第一次月山富田城の戦い）。そして、尼子方から大内方に鞍替えしていた国人の三沢為清、吉川興経、三刀屋久扶、本城常光らが再び尼子方に寝返ったため大内軍は総崩れし、大内義隆は周防に敗走しました。甥で養子の大内晴持は敗走途中の揖屋浦で溺死するなどし、大内軍は散々に敗れました。以後、大内義隆は出雲遠征を主導した陶隆房ら武功派を国政の中枢から遠ざけました。政務を文治派の寵臣・相良武任に一任して政務から遠ざかり、学芸・茶会などに没頭して公家のような生活を送るようになり、国内治政さえ顧みなくなりました。このため、大内家の主導権を巡って武功派の陶隆房・内藤興盛らが、文治派の相良武任を敵対視するようになりました。相良武任は陶隆房を恐れて、大内家から出奔して筑前に逃走しました。そして、陶隆房・内藤興盛らは挙兵しました。この時、普段から陶隆房と仲が悪く、大内義隆の擁護派だった杉重矩も相良武任に讒訴されていた事から、陶隆房の謀反に協力しました。陶隆房軍は厳島の神領を接収し、本隊が徳地口から、江良房栄・宮川房長が率いる別働隊が防府口から山口に侵攻しました。陶隆房勢は兵力１００００、これに対して大内義隆に味方したのは側近・冷泉隆豊の兵力３０００人ほどでした。このため、組織的な抵抗をほとんどできなかった大内義隆は、山口の大内氏館を放棄して長門に逃亡しました。逃亡兵が相次ぐ中、海路から縁戚に当たる石見の吉見正頼を頼って脱出しようとしましたが、暴風雨のために逃れる事ができず、長門深川の大寧寺で自害しました。大内義隆の嫡男・大内義尊は捕えられ殺害され、相良武任や杉興連ら大内義隆派は筑前・花尾城で野上房忠の軍勢に攻め殺されました。大内義隆を頼って京より下向していた三条公頼（武田信玄正室・三条の方の父）ら公家も殺害されました。こうして大内氏の嫡流は滅亡しました。この後、陶隆房は北九州の大内領を割譲する代わりに、大友宗麟の異母弟・大友晴英（生母が大内義興の娘で、義隆の甥）を貰い受けます。この大友晴英を新たな大内家当主に迎えて家督を継がせると、晴英を大内義長と改名させました。そして自らも新たな主君・大内義長へ忠誠を誓う証として、隆房から晴賢と改名します。こうして、陶晴賢は大内義長を傀儡の当主として大内家の実権を掌握するのです。以下は大寧寺の変での討死者です。
大内義隆：大寧寺で自害、大内義尊：陶軍に捕らえられ殺害、冷泉隆豊：大内義隆を守って討死、右田隆次：大内義隆を守って討死、陶隆康：大内義隆を守って討死、陶隆弘：大内義隆を守って討死、天野隆良：大内義隆を守って討死、黒川隆像：大内義隆を守って討死、岡部隆景：大内義隆を守って討死、大田隆通：大内義隆を守って討死、岡屋隆秀：大内義隆を守って討死、祢宜右延：大内義隆を守って討死、小幡義実：大内義隆を守って討死、藤嶋実直：大内義隆を守って討死、伊佐隆光：大内義隆を守って討死、伊佐景久：大内義隆を守って討死、深野隆弘：大内義隆を守って討死、蔵田教信：大内義隆を守って討死、佐波隆連：吉見氏への使者となり帰途討死、貫隆仲：大内義隆を守って討死、杉興運：筑前糟屋浜で討死、杉隆景：筑前糟屋浜で討死、相良武任：筑前花尾城で討死、三条公頼：武田晴信正室の父・巻き込まれ殺害、持明院基規：正三位権中納言・巻き込まれ殺害、小槻伊治：正四位・大内義隆室の父・巻き込まれ殺害、二条尹房：関白、左大臣・巻き込まれ殺害、二条良豊：巻き込まれ自害
次に、織田信長が比叡山・延暦寺を焼き討ちです。「姉川の戦い」で浅井・朝倉軍に勝利した織田信長は、「野田・福島城の戦い」で浅井・朝倉連合軍に背後を突かれました。その後、浅井長政、朝倉義景は比叡山に立て籠もり「志賀の陣」となりましたが、正親町天皇の調停により和睦しました。石山本願寺を率いる顕如は、摂津国・河内国・近江国・伊勢国、そして織田信長の尾張国の門徒衆に号令を発しました。信長は、横山城の城主・木下秀吉に命じて大坂から越前国に通じる海路、陸路を封鎖させました。孤立した佐和山城が降伏し、城主・磯野員昌が立ち退き、丹羽長秀を城主に据えて、岐阜城から湖岸平野への通路を確保しました。当時の比叡山の主は、正親町天皇の弟である覚恕法親王でした。比叡山は北陸路と東国路の交差点になっており、山上には数多い坊舎があって、数万の兵を擁する事が可能な戦略的に重要な拠点となっていました。織田信長は全軍に総攻撃を命じ、坂本、堅田周辺を放火しました。この戦いで信長は、叡山を取詰めて根本中堂、山王二十一社を初め、零仏、零社、僧坊、経巻を雲霞のごとく焼き払い、灰燼と化しました。また、３千人の僧侶、学僧、上人、児童の首をことごとく刎ねました。信長は戦後処理を明智光秀に任せ、精鋭の馬廻り衆を従えて比叡山を出立し、上洛していきました。その後「三宅・金森の戦い」では近江国の寺院を放火しました。延暦寺や日吉大社は消滅し、寺領、社領はことごとく没収し、明智光秀、佐久間信盛、中川重政、柴田勝家、丹羽長秀に配分しました。この５人の武将達は自らの領土を持ちながら、各与力をこの地域に派遣して治める事になります。特に明智光秀と佐久間信盛はこの地域を中心に支配する事になり、明智光秀は坂本城を築城する事になります。一方、延暦寺側では正覚院豪盛らがなんとか逃げ切る事が出来て、甲斐の武田信玄に庇護を求めました。武田信玄は彼らを保護し、延暦寺を復興しようとしましたが、病死します。
その次に、関ヶ原の戦い：岐阜城の戦いです。東海道を進軍する東軍に対して織田秀信は、岐阜城を中心に数箇所に陣をはっていました。池田輝政が率いる東軍は、河田から木曽川を渡河し、米野村で西軍の百々綱家ら３千人と激突（米野の戦い）し、陣を突破しました。織田秀信は自ら出陣して東軍を迎え撃ちましたが敗退し、岐阜城に戻りました。一方、福島正則は下流の尾越から木曽川を渡河し、竹ヶ鼻城を包囲しました。城主の杉浦重勝は抵抗しましたが、援軍の毛利広盛らが福島正則に降伏してしまったため杉浦重勝は降伏し、竹ヶ鼻城は落城しました（竹ヶ鼻城の戦い）。池田輝政の軍と福島正則の軍は合流し、岐阜城の南の荒田川河川敷に布陣しました。追いつめられた織田秀信は、大垣城と犬山城に救援要請を行い、岐阜城とそれを守る稲葉山砦、権現山砦、瑞龍寺山砦と岐阜城への入り口などを固めました。岐阜城は織田秀信と織田秀則、岐阜城へ向かう登山口４箇所には、津田藤三郎、木造具康、百々綱家らを布陣し、兵力を分散させました。東軍は犬山城、大垣城からの援軍を警戒し、東の新加納村、長塚村、古市場村に山内一豊、有馬豊氏、戸川達安、堀尾忠氏らを配置し、西の方県郡河渡には田中吉政、藤堂高虎、黒田長政らを布陣させました。最初に、瑞龍寺山砦へ浅野幸長らが攻撃を開始しました。続いて井伊直政が稲葉山、権現山砦へ攻撃、そして登山口には福島正則らが向かいました。その結果、完全に岐阜城は包囲されてしまいました。この時、犬山城の石川貞清は、稲葉貞通、稲葉典通、稲葉方通、加藤貞泰、関一政、竹中重門らと籠城していましたが、極秘に東軍の井伊直政に密書を送り、内応を約定していました。大垣城の援軍は岐阜城に向かっていましたが、間に合いませんでした。岐阜城は本丸以外は全て東軍に攻め落とされ、織田秀信は最後まで抵抗しましたが、周りの兵が数十人になると、覚悟を決めた織田秀信は自害しようとしました。しかし、池田輝政の説得と家臣・木造具正らにとがめられ、東軍に降伏しました。こうして岐阜城はわずか１日で陥落しました。織田秀信は降伏下山して上加納の浄泉坊（現・円徳寺）で剃髪し、関ヶ原の戦い終結後に高野山へ入りました。石田三成は、岐阜城がわずか一日で陥落するとは想定していませんでした。そのために、戦略を練り直さざるを得なくなりました。
その次の次に、八月十八日の政変です。会津藩・薩摩藩を中心とした公武合体派が、長州藩を主とする尊皇攘夷派を京都から追放したクーデター事件です。尊王攘夷運動が最大にして最後の盛り上がりをみせ、京都には各地から尊攘派志士が集結し、「天誅」と称して反対派に対する暗殺・脅迫行為が繰り返されました。尊攘派の真木保臣（久留米藩士）、久坂玄瑞らは国論を攘夷に向けて一致させるため、天皇による攘夷親征の実行（大和行幸）が尊攘急進派によって企てられました。これは天皇が大和国の神武天皇陵・春日大社に行幸して親征の軍議をし、次いで伊勢神宮に行幸するというものでした。会津藩と薩摩藩を中心とした公武合体派は、中川宮朝彦親王を擁して、朝廷における尊攘派を一掃するクーデター計画を画策していました。京都守護職で会津藩主・松平容保の了解のもと、 薩摩藩士・高崎正風と会津藩士・秋月悌次郎が中川宮を訪れて計画を告げました。中川宮が参内して孝明天皇を説得し、天皇から中川宮に密命が下りました。会津藩は１５００名を動員し、政変の中心となりました。文久３年８月１８日（旧暦）午前１時頃、中川宮と松平容保、ついで近衛忠熙（前関白）・二条斉敬（右大臣）・近衛忠房父子らが参内し、早朝４時頃に会津・薩摩・淀藩兵による御所九門の警備配置が完了しました。そこで在京の諸藩主にも参内を命ずるとともに、三条実美ら尊攘急進派公家に禁足と他人面会の禁止を命じ、国事参政、国事寄人の二職が廃止となりました。８時過ぎから兵を率いた諸藩主が参内し、諸藩兵がさらに九門を固めました。この状況下での朝議によって、大和行幸の延期や、尊攘派公家や長州藩主毛利敬親・定広父子の処罰等を決議しました。長州藩は堺町御門の警備を免ぜられ、京都を追われる事となりました。長州藩兵１０００余人は失脚した三条実美ら公家７人とともに、妙法院から長州へと下りました（七卿落ち）。政変後、孝明天皇は「去十八日以後申出儀者真実之朕存意」としてこれまでの勅命を自ら否定しました。この政変の前日、土佐浪士・吉村虎太郎らは大和行幸の先鋒となるべく大和国五條で挙兵しました（天誅組の変）。また、平野国臣や河上弥一らが七卿落ちの公家の一人・澤宣嘉を擁して但馬国生野で挙兵します（生野の変）。一方、政変に敗れた長州藩は京都における失地回復を狙い、「池田屋事件」をきっかけに京都へ出兵、「禁門の変」で会津・薩摩藩らと戦火を交える事となります。この４年後に再び薩摩藩を中心とする朝廷クーデターが起こります（王政復古）、その手順等はこの政変の例に倣ったものでした。
そのまた次に、赤松小三郎暗殺です。赤松小三郎は、上田藩士・芦田勘兵衛の次男として生まれ、清次郎と名付けられました。後に、同藩士・赤松弘の養子となって名を小三郎と改めました。１８４８年に江戸に遊学し、幕臣の内田弥太郎・勝海舟・下曽根信敦に師事しました。１８５５年、長崎の幕府海軍伝習所に赴いて、オランダ人より語学、航海、測量等を学び、横浜在住のイギリス騎兵士官より騎兵術、英語を学びました。１８６５年に「英国歩兵練法」を出版しました。１８６６年に「方今世上形勢の儀に付乍恐奉申上候口上書」を幕府に提出しました。薩摩藩から兵学教授として招聘され、京都の薩摩藩邸で中村半次郎・村田新八・篠原国幹・野津鎮雄・野津道貫・黒木為�蓮ε豢進身�郎・樺山資紀・上村彦之丞ら約８００人に英国式兵学を教え、藩士たちの練兵も行いました。薩摩藩の兵制を蘭式から英式へと改変するのに指導的役割を果たしました。また、会津藩士・山本覚馬より会津藩洋学校の顧問就任を依頼され、友人の西周と共に会津藩洋学校の顧問を務めました。１８６７年に薩摩藩の依頼により「英国歩兵練法」を改訂し、越前福井藩主・松平春嶽に対して「御改正之一二端奉申上候口上書」を提出しました。上田藩より、度々召還命令を受けていましたが拒否し続けましたが、呼び戻される事になりました。その帰国の途上の１８６７年９月３０日、京都・東洞院通りで薩摩藩士で門下生であった中村半次郎と田代五郎左衛門に暗殺されました。中村半次郎はその日記で「幕奸」（幕府のスパイ）だから斬ったと記述しています。赤松小三郎が薩摩の軍事機密を知りすぎていた事、薩摩の武力討幕路線に反対の立場で、議会政治の導入により幕府と朝廷・薩摩の対立を融和させようと動いていた事が暗殺の原因となりました。
そのまた次の次に、北越戊辰戦争：赤谷の戦いです。赤谷より駆けつけた朱雀足軽四番隊と共に新政府軍を迎撃しましたが、敗れて新谷村に火を放ち、諏訪峠を越えて津川へ退却しました。
さらに次に、仙台戊辰戦争：三好監物切腹です。仙台藩若年寄格・三好監物は、但木土佐らの佐幕派を支持して、遠藤允信らの尊王攘夷派と対立しました。「大政奉還」に際して仙台藩の軍勢を率いて上洛し、時代の流れを見て新政府に帰順した上で帰国しました。帰国後は新政府への帰順と会津藩征伐を主張しましたが、これが但木土佐ら佐幕派に裏切りと見られました。１８６８年９月３０日、三好監物は但木土佐ら佐幕派の圧力を受けて自害させられました。享年５４でした。
最後に、関東大水害です。沼津付近に上陸した台風は、関東地方から仙台方面へ移動する途中で各地に集中豪雨をもたらしました。東京湾接近時には満潮の時刻と重なったため、深川や品川で高潮が住宅地に押し寄せ５００人以上が溺死しました。また、横浜港でも３１００隻以上の船舶や艀が風浪により転覆、多数の沖仲仕や水上生活者が犠牲となりました。同港が日本の経済活動の要所であった時代だけに、日本全体の経済活動も大きな打撃を被る事となりました。死者・行方不明者数１３２４人、全壊・流出家屋約３６５００戸、床上・床下浸水約３０万３０００戸、沿岸部での高波による被害が目立った水害となりました。この水害で千葉県浦安町は全町が水没しました。江戸時代を通じ、幾多の水害をくぐり抜けてきた「行徳塩田」も、当水害で塩田の堤防が完全に破壊され、東京湾で行われてきた数百年の製塩業の歴史は幕を閉じました。
今日の誕生日：並木路子、隆慶一郎、星野哲郎、石橋エータロー（ハナ肇とクレージーキャッツ）、石原慎太郎、五木寛之、瀬尾一三、岩谷テンホー、次原隆二、小山ちれ、西山優里子、東山紀之（少年隊）、斉藤こず恵、マルチナ・ヒンギス、小山宙哉、潮田玲子、西島隆弘（ＡＡＡ）、西脇彩華（９ｎｉｎｅ）
今日の記念日：世界翻訳の日、交通事故死ゼロを目指す日、クレーンの日、くるみの日、奥様の日、両親の日
今日の「今日訓」：本日は「交通事故死ゼロを目指す日」です。２月２０日と、春・秋の全国交通安全運動の期間中の４月１０日・９月３０日の年３回あります。４２０年にキリスト教の聖職者で、聖書をラテン語訳した事で知られるヒエロニムスが亡くなった日で「世界翻訳の日」、１９７２年に「クレーン等安全規則」が公布された事で「クレーンの日」、「く（９）るみ（３）まるい（０）」の語呂合わせで「くるみの日」、「お（０）く（９）さ（３）ま（０）」の語呂合わせで「奥様の日」、９と３０を反対から表記すると０９３となり「お父さん、お母さん（０）、サンキュー（３９）」の語呂合わせで「両親の日」となりました。
ログインしてコメントを確認・投稿する