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2017年09月23日20:58

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聴いたぞフィンジチェロコン(推定)日本初演

今日はジェラルド・フィンジのチェロ協奏曲を聴けるというのでやってきました!

○横浜みなととなみ管弦楽団第3回演奏会
開演:2017年9月23日(土)13時30分
会場:神奈川県立音楽堂
曲目:
アイアランド/ロンドン序曲
フィンジ/チェロ協奏曲 (日本初演)
エルガー/エニグマ変奏曲
チェロ:森田啓佑
指揮:児玉章裕

昨年できたばかりの楽団さんです。
本日はイギリス音楽の特集らしい。

アイアランド/ロンドン序曲
じゅ。的にはアイアランドと言えばDownland Suite のミヌエット(Minuet)が好きハートあと以前クラリネットの個人レッスンでの最後の課題曲、結局吹けず失恋
重厚な演奏。
本日のロンドン序曲はブラスバンド(英国式)のオーケストラ用改作。元曲の名前は「喜劇的序曲」だそうで、そういう意味も込めてもうちょっと軽いタッチの演奏でもよかったかもしれない。

フィンジ/チェロ協奏曲
遺作。永年生演奏を聴きたかった曲!
楽団の調査上日本初演ではないか、と推定されるそう。(発表会などでの演奏は除くと思われる)たしかに、銘打ってしまうと色々大変そうなので・・・
聴き始めてすでにチェロ独奏が始まる前にじゅ。的には琴線に触れまくって完全にうるっと来てしまうくらいでしたが、独奏が始まると独奏者の森田啓佑さんにもう何もかも持って行かれてその音色しか頭に残らなくなった。曲がいいのに演奏がすばらしすぎる。ほとんど慟哭の第1楽章、人生への惜別の第2楽章、ふっきれて死後の世界を空想して楽しんでいるような第3楽章という、死の間際の人の感情をまだ二十歳になるかならないかという森田啓佑さんにその襞の内側まで表現されつくしていたうえ、第2楽章にはその初々しい感性がそこはかとなく被されてフィンジの生業であったリンゴ農園のリンゴのような甘酸っぱさがなぜか低減の音域に滲んでいたのはこの時期の彼にしかできないことではないのだろうか?伴奏の管弦楽はその第2楽章で長いソロがあった第2クラリネットとの応答が一層甘やかさを増して光っていた。
奏者アンコールはバッハの無伴奏チェロ組曲第3番からブーレ。これもバッハからこのようなふくよかな音を聴いたことは近日稀な演奏であった。
森田啓佑さんはそう遠くないうちに世界に出るというより世界が彼を表に引き上げるだろう。個人的にはディーリアスのチェロ協奏曲を演奏してもらいたい。おそらくジャクリーヌ・デュ・プレに匹敵するだろう。

エルガー/エニグマ変奏曲
これも実はじゅ。的にはなかなか生演奏には遭遇しません。新響ぐらいか?
まじまじと聴きこんだのは今日が初めてな気がします。後期ロマン派の香りが濃厚な曲。
この演奏でも特に第12変奏の首席クラリネットがすばらしく、この会場が本来中規模編成用でクラリネットのような音域の伸びを感じさせてくれることを実感させた(会場を包み込むようだった)。

アンコール:ブリッジ/弦楽のための組曲から間奏曲
本日のイギリス音楽の〆。こちらの弦楽の団員さんは少ないです。(7-7-5-6-5。)
少ないですが美しい。相互の音をよく聴きあって、水の底まで調和している。
そんな感じでした。

・・・フィンジのチェロコンもついに日本で初めて聴いたし、いよいよ残すところはディーリアスの村のロメオとジュリエットだけになってきました。
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