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2017年09月23日18:31

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トリュフォーの思春期(1976)(L' ARGENT DE POCHE)


 

 フランス地方都市のとある小学校。ある日、どこかワケありな印象の新入生ジュリアンがこの学校にやって来る。思春期真っ只中のパトリックは、美容院を経営する友人の母のことで頭がいっぱい。学校の先生のアパートでも、小さな子供たちが思いがけず突拍子なことをやってのけている。外でも子供同士の出来事は絶えない。そんな中、パトリックはついに一大決心し、恋焦がれる友人の母へ花束を渡した。一方、ジュリアンは身体検査の時、傷だらけの体が露わになり、親から虐待を受けていることが判明する…。(allcinema ONLINEより)







<午前10時の映画祭>

 久しぶりに行ってきました、午前10時の映画祭。こ〜んな古い映画、トリュフォーの名声は聞いてるにしても、時代も違うしどうだろうなぁと思っていましたが、おもしろかった!たくさんいる子供たちがうらやましかったり。今、日本は本当に少子化ですしね。

困りましたね〜。何というストーリーはないんです。いろんな子供たちの日常を切り取った物語で、劇的なことは起こらず、話は淡々と進みます。もちろん、複雑な家庭の子が転校してきたり、友人の優しいお母さんに憧れる少年がいたり、悪さをする子がいたりと、なんだかんだはあるのですが、まぁ見聞きしたことがある程度のもので、ある意味感想の書きづらい映画です。あ、家に取り残される女の子のお話は日本人には意外かも。彼女は食事に行くのに、どうしてもお気に入りのバッグを持って行きたかった。でも、両親に「汚れているからダメ」と言われて、それでも譲らなくて置いて行かれるのです。そしたら父親(警察署長!)の拡声器で「おなかがすいた!おなかがすいた!」とアパート中に聞こえるように叫ぶのです。聞きつけた近所の人たちが「かわいそうに」と言って窓越しにカゴで食べ物をわけてくれます。すると「みんなが私を見たわ」と言ってほくそえむのです。すごいですねぇ。さすがフランスの女の子ですね。

この映画は、子供たちに対する目線がとっても優しく、本当に愛に満ちてます。その雰囲気がわかるから、淡々としていても飽きずに見れるのだと思います。トリュフォーって、子供好きだったのかしら。素人も含め、赤ちゃんから12歳まで250人の子供が出演しているのだそうです。グレゴリー坊やの衝撃シーンは、本当に信じられなくて「ウソでしょ」と思ったけれど、実際にあった事件らしいです。そっちの方が衝撃ですけど。

子供たちには子供たちの世界があって、それはそれで均整が取れている。そして、彼らを見守る学校の先生たちもよかったですね。特に子供が出来たばかりのリシェ先生が、夏休み前に、前述の転校生のこれからについて話すシーンがとてもよかったです。みんな、同じように子供時代を過ごすのね。でも、大人になってそれほど自由になるわけではないけどね。でも、この先生のお話は本当によかったです。

”ものすごく子供が嫌い”な人でない限り、オススメです。

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