■『この世界の片隅に』がフランスで公開 現地の反応は？
(Excite Bit コネタ - 2017年09月11日 16:23)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=58&from=diary&id=4760560
■『リベラシオン』紙の『この世界の片隅に』評を訳してみました。／『この世界の片隅に』：台無しにされた人生の夢
http://radio-critique.cocolog-nifty.com/blog/2017/09/post-42e9.html
■のん、『この世界の片隅に』は“特別な”出会い 「一生残っていく作品」
(クランクイン！ - 2017年09月11日 17:02)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=100&from=diary&id=4760611
■アカデミー賞に推す動きも？ 『この世界の片隅に』全米公開、現地メディアが高評価
(NewSphere - 2017/08/25)
https://newsphere.jp/culture/20170825-5/
■博多大丸で「この世界の片隅に」原画展 130点以上を展示 ／福岡
(みんなの経済新聞 ‐ 2017/9/12 11:36)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170912-00000022-minkei-l40
最近知ったけれど、径子姉さんの声を担当している尾身美詞(おみ・みのり)さん、キャンディーズのミキちゃんの娘さんだったんだね。娘さんが結構いい歳になってたってことがもうビックリ。ミキちゃんはもう還暦だよ。スーちゃんも生きてたら……。
青年座の『ブンナよ、木からおりてこい』(2012年)にも出演されているから、生の演技も観てるはずなんだが、全く記憶にないや(苦笑)。『この世界の片隅に』では、妊娠してなかったすずさんに、ご飯をちょっとしかよそらないシーンが大好きです。
昨日から、博多大丸で始まった、「この世界の片隅に」原画展、先日の日記にも書いたことだけれど、アジアフォーカス・福岡国際映画祭とスケジュールが完全に被っちゃったので、行けるとしたら今週金曜の午前中しかなさそうだ。
ところがどっこい、一昨日から急に体調が崩れて、眩暈を起こして立てなくなった。仕事も休んで病院に行ったけれども原因は不明。と言っても、遠因として糖尿病の悪化があることは間違いない。先日は妻が原因不明の激痛に襲われて病院に駆け込んだんだけれど、この夫婦はどうしてこうも交互に病気になるかね。ちょっと入院か休職も視野に入れなきゃならんくらいに危うい状況なんだけれども、何としてでも原画展には行かねばならぬ。体は動かないが、気分だけは堀部安兵衛なのだった。
Blu-rayの方は15日の発売。セブンイレブン留め置きにしているので、これはすぐに取りに行かなくても大丈夫。ラストの比治山のシーンもリテイクされてるっていうから、本当は早く確認したいのだけれど、だからスケジュールが詰まり過ぎてて今は無理なんだってば。多分、マイミクさんで予約してる人は何人かいると思うので、観た人は感想を教えてください。
やりたいことが目白押しで、一つ一つ、こなしていくしかないんだが、アジアフォーカスにかかりきりだと、新作映画を二、三本は観逃しそうなのが毎年の悩み。いやまずカラダを治せよって仰る方も多いでしょうが、原因不明なのにどう治せばいいものやら皆目見当が付かないのであります。流れに身を任すしかないっスね。
海外での評判が上々なのも嬉しい限りで、ロッテントマトでは何と98％の支持率。54人の評論家のうち、酷評したのはわずか一人で(それも町山智浩や竹熊健太郎に、明かな「誤読」と批判されている)、ここまで絶賛されている日本アニメは他にないという状況。フランスでの反応も同様で、多分、細かい日本の文化は分からなくても、根底に流れているいくつものテーマはちゃんと伝わるんだなと感慨深い。
面白かったのは、Twitterで、片渕須直監督が報告していたのだけれど、質問する記者が、自分の持っている日本の知識から、小津安二郎や宮崎駿との類似性などを指摘するのだけれど、片渕監督がそれらの批評をことごとく否定していった点。
> 片渕須直 @katabuchi_sunao · 20:04 - 2017年9月5日
> 相変わらず多いのが『この世界の片隅に』と『火垂るの墓』と、あるいは「小津安二郎」を同一カテゴリーにおさめてインタビューしてくるパターン。それは光栄なことなのだけど、本質的な相違をその都度語ることに。思索的なフランスの記者には通じるはずと信じて。
> 「雲」の話題も、質問は宮崎駿作品その他日本のアニメーションで印象的な雲というモチーフが『この世界の片隅に』にも現れている、と、それらと同一視した上でのものだった。同じじゃない、視点が正反対だと意味が逆転するでしょ、と述べてみたらああした記事になったのだった。
その「記事」というのがリンクを貼った「リベラシオン」紙のモーリス・シャピュイ氏の記事で、片渕監督は「雲」の描写について、以下のように語っている。
> オープニング・クレジットで、片渕は、日本のアニメーション映画ではこの上なくおなじみのモチーフである雲を見せている。「たいてい、空と雲は自由の象徴です。しかし、あの場面では、地面から見た雲です」と監督は説明する。「これは、例えば宮��監督の映画の雲の場面とは根本的に違います。雲は奪われた願望の対象なのです。すずさんは地に縛られていて、彼女は雲に手が届かないし、目をそらすこともできないことが解ります。『この世界の片隅に』は、空が解放の象徴として登場するすべての日本映画へのアンチテーゼです」。
なるほど、ナウシカが、パズーとシータが、あるいはキキが空を飛ぶとき、眼下に浮かぶ雲の描写と、『この世界の片隅に』のオープニングで、幼いすずさんが見上げる空に浮かぶ雲の印象は全く違う。確かに、あのオープニングで「解放感」は全く感じなかった。
それはサトウハチローの「悲しくてやりきれない」という詩が流れていた相乗効果もあっただろう。あの時、私は、うまく言葉にできない切なさ、やるせなさを感じていたが、その正体を、片渕監督は明確に批評してくれている。
製作したのが監督自身なのだから、その批評が正確なのは当たり前なのだが、映画になぜ「批評」が必要なのかと言えば、映画を観て、なぜここで私は泣くのか、あるいは笑うのか、それを的確に説明してくれるのが「批評の言葉」だからである。いわゆる「目から鱗」ってやつね。
残念ながら、どの映画評論家の言葉も、片渕監督自身の批評の言葉の深さには及んでいない。
そしていよいよ、トークショーではちらっと語られていた「長尺版」の製作が、片渕監督のTwitterで正式に告知された。
劇場版と、長尺版と、二つも出すの？ どっちか片方でよくない？ とお考えの方は、片渕監督のコメントをじっくり読んでほしい。劇場公開の後にディレクターズカット版が製作される流れには私もあまり首肯しない方なのだが、なぜ別バージョンが作られなければならないのか、その意義を完全に否定する気もないのである。
> 『この世界の片隅に』DVD&BD、アマゾンなどで「監督の本来のプランどおりの長尺化が実現できていない」という理由で☆を少なめに入れておられる方もおられるようですが、ありがたいお声であり、しかしごめんなさい。今回発売されるのはそれとは別のもの、昨年11月12日以来劇場公開されてきたバージョンをブラッシュアップしたものです。この長さで完成された映画はすでにたくさんのお客さんたちの中に居場所を見つけたものであり、たくさんの映画賞をいただいてきたものでもあります。この形はすでにひとつの完成形なのです。当初作成した絵コンテに沿ったより長尺であるバージョンは現行のものとはまた別なもうひとつの映画として完成することになるでしょう。そしてそのための作業にも実のところすでに着手し始めているのですが、それはこの8月からスタートしたばかりです。本年7月までは半年以上かけて現行版のブラッシュアップ作業を徹底して行っていました。この先長尺版の作業もさらに充実させていきますが、それは一朝一夕に完成するような安普請なものではなく、もっとじっくりと作り上げたいわけです。それなりに長い時間をいただくことになります。そして、繰り返しになりますが、長尺版の完成後にも現行の映画は意味を持ち続けるだろうと思っています。
待とう。そしてそれまで生きていよう。
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