3.5"HDD vs 2.5"SSHD

　現在、動画編集(TMPGEnc MPEG Smart Renderer 5)用機はちょっと非力なThinkPad R61、Core2Duo1.8GHzに実装4GB。ReadyBoostで補ってはいるがUSBも2.0なので大した体感はない。
　せめてもと内蔵HDDを1TBのSSHDに換装し、Windows10に上げた。SSHDは半分ずつ２パーティションに切ってＣ，Ｄとして使っている。Ｄは録画したファイルをコピーしてきて置いておくテンポラリスペースに使っている。
　編集がサクサク進むかと思いUSBメモリやSDXCなんかもテンポラリスペースに使っていたが、いかんせんちょっと怠けるとどんどん溜まっていくので今年に入ってとうとう2TBのUSB外付HDD(3.5")も増設してしまった。
　それぞれの転送速度は実測でこんな感じ。

　　　　　　　　受信　　　　送信
内蔵SSHD 30MB/s 60MB/s
内蔵SDHC　 8MB/s 15MB/s
USBメモリ 4MB/s 30MB/s
外付SHXC 12MB/s 30MB/s
外付HDD　　20MB/s 30MB/s

　「受信」は録画機(Atom330)の内蔵HDDから、「送信」はエンコード機(Core i5 3550)のUSB3外付HDDへ転送している。
　UHS規格ができる前に生産された本体に搭載されたSDHCソケットは当然USH-I対応ではない。なので速度的にはちょっと遅い。そしてちょっと残念だったのはサンディスクのUSBメモリ。128GBなのに安かったので飛びついたのだが、これがちょっとイマイチ。サンディスクだしUSB3対応で150MB/sとあったからUSB2でもそれなりの性能を得られると期待したのだが、書き込みが「間欠的」で12MB/sと殆ど０を交互に繰り返し、タスクマネージャのグラフが櫛型フィルタの周波数特性みたいになる（却って解り難い：笑）。USB3で試したが最大速度が上がるだけでこの「休み休み」のパターンは同じだった。
http://kakaku.com/item/K0000793745/
　それでもまぁ、読み出しはちゃんと速度出てるので今も使ってはいる。この容量は捨て難い。

　問題は編集時の反応。ファイル転送時はいわゆるシーケンシャルアクセスの速度だが、編集時にはランダムアクセス性能になる。「SDはランダムアクセスが苦手」と認識していたが、USB2まではUSB自体が半二重のため実はUSBフラッシュメモリとランダムアクセス性能に差はないのだった。USB3は全二重になったため転送速度以上に体感の差がある。そしてUSB3の登場に合わせてSD陣営にも全二重のUSH-II規格が作られた。残念ながらUSB2メインの当家ではまだUSH-IIのSDXCは試してもいないが、先代編集機(Core2Duo 3GHz)にボード増設したUSB3で対応フラッシュメモリを使った時は劇的にサクサクだった。内蔵の3.5"SSHDよりも間違いなく軽かった。

　残念ながらUSB2環境のせいかThinkPadが非力なせいか、編集時のサクサク感では外付HDDとフラッシュメモリの差は感じない。内蔵SDHCはまあ仕方ないとして、実は内蔵SSHDが外付HDDに体感でちょっと負けているのだ。
　SSHDとてキャッシュは8GBしかないわけで、１つあたり3GB前後のファイルを次々編集していたらキャッシュの恩恵はそうそう得られないのだろう。2.5"HDDとしての地力の「遅さ」が出てしまった格好だと思う。転送時はSATAネイティヴとUSB2の差で倍以上の速度を見せる内蔵SSHDだったが、編集時のサクサク感の差は隠蔽しきれなかったようだ。これが高価な32GBキャッシュモデルだったらどうなのか、逆にだたのHDDだったらどうだったのかは興味はあるが試してみるのは容易ではない。何せノートPCなればHDDスロットがひとつしかないのだ。裏技で光学ドライヴの代わりにHDDを搭載するツワモノはいると聞くがこの機体でそこまでやる気はない。

　SSHDは大容量フラッシュメモリキャッシュ有無の差が見えないのと、実性能が劇的な程ではない事、更にSSDの低価格化もあって既にすっかり下火になってしまっている。それ以上に省電力設計を追求せねばならない2.5"と3.5"のHDDとしての性能差がこんな所でこんな形で出るとは。ノートPCにちょっと頑張ってSSDを入れる意義は大きいと感じてしまったのだった。そうは言っても、当時1TBのSSDなんて予算的に望むべくもなかったから現在の構成の選択を後悔していはないけどね。