かねてより警鐘を鳴らしてきましたが、事態の進行は非常に早いようです。
<blockquote><strong>桂離宮の参観有料化を検討へ 宮内庁</strong>
http://www.sankei.com/life/news/170911/lif1709110018-n1.html
H29.9.11 23:10
宮内庁の西村泰彦次長は11日の定例会見で、現在は無料で一般公開されている「桂離宮」(京都市西京区)の参観有料化を検討する方針を明らかにした。
皇室関連施設を観光資源として環境整備すべきだという自民党行政改革推進本部の提言を受けたもの。時期は未定。西村次長は有料化検討の理由について「桂離宮は修復や維持にお金がかかり、財源を考えないといけないため」と述べた。</blockquote>
この記事だけを読むと、「修復・維持の費用捻出のためだから仕方ない」「むしろ良いことだ」という感想に誘導されるかも知れません。実際、ネット上の反応はそうしたものが多いようです。
しかし、記事中で触れられる「自民党行政改革推進本部の提言」では、「入場料の徴収」は「積極的な公開」とセットで主張されているのです。すなわち、現在は人数制限・案内付き(つまり警備付き)で実施している参観を、無制限・自由散策式の公開に変更したうえで入場料を徴収する、ということなのでしょう。いま既に京都御所で実施されている「通年公開」と同様の公開形式にしたうえで、入場料を徴収する、というイメージですね。だから「観光資源として環境整備」という提言なのです。
現行の人数制限・案内付きの参観を、人数無制限・自由散策式の公開にしてしまえば、テロやイタズラの危険はもちろんですが、施設の傷み・劣化の進行も激化することでしょう。桂離宮の参観コースには、人一人通れる程度の通路の両脇まで青々とした見事な苔が生している、という箇所が多々あります。多数の観光客が押し寄せ、自由に散策させれば、それらの苔が踏み荒らされ消滅することは避けられません。その点、庭園内に立ち入ることがなく、砂利の上ばかりを歩く京都御所の参観コースとは事情が全く違います。
また、「入場料の徴収」も大きな問題を孕んでいます。
「皇室が国民から入場料を取る」といった事態は、皇室と国民の関係に大きな誤解を生むことになります。国民は皇室の「顧客」ではないのです。
桂離宮は非常に人気の高い施設ですから、有料・人数無制限公開化すれば、確かに「大儲け」出来るでしょう。それは間違いありません。しかしこのような事態を座視すれば、「皇居の一般参賀で入場料を徴収し、広大な皇居の維持管理費にあてればいいじゃないか?」という恐ろしい発想に達するまで、それほど時間はかからないでしょう。
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