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2017年09月09日21:33

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デュエル55

明日、デュエルの友人が遊びに来る。
不動遊星vsバクラで終わろうかと思ってたデュエル小説ですが、
とある人物を出してほしいと言われたので続きを出すことにしました!
新たな敵出現です。


「招かれざる決闘者」 その55


「ふぅ、なかなかやるじゃねえか。」
「バクラ!!」

死闘の末、遊星はバクラを倒した。怒れる遊星はバクラに詰め寄ろうとしていた。だが、そんな遊星の剣幕とは裏腹にバクラは可笑しそうに笑っていた。

「ハッハッハ!!そう、怒るな。てめえは見事この世界を崩壊から救ったんだぜ。」
「何を他人事にみたいに、お前がこの世界を混乱に陥れたんだろう!」
「ああ、確かにな。だが、それは崩壊を防ぐためにやったことだ。」
「何!?」
「その通りだよ。お兄さん。」
「愛姫。それに雪鏡。」

困惑する遊星の元に上空から見守っていた愛姫と雪鏡が降り立つ。今回の真相を知らない遊星に2人は事細かに説明した。

「この世界は永い間、平和な世界だったんだ。それで何の刺激も無い世界になっちゃって、このまま刺激が無い状態が続けば、世界は自然消滅しちゃうんだ。」
「・・・それで、この未子が世界に刺激を与えるために私達を利用したわけ。」
「そうだったのか。けれど、そのために犠牲になった人たちが」

この世界に迷い込んで以来、混乱に満ち溢れたこの街で幾人もの人たちが死んでいく様を目の当たりにしていた遊星には納得がいくものではなかった。

「ああ、大丈夫だよ。死んだ人間や壊れた建物なんかはすべてが終わったら復元するようにプログラムしてあるから。」
「何?」

そんな都合の良い話があるのかと思ったが、未子が言う通り世界は何事も無かったかのように元に戻っていた。以前よりも活気が増したより良い状態で。

「君にすべてを教えなかったのはあくまで本気のデュエルをしてもらう必要があったらだよ。確率的に言って成功するとは思ってなかったけど、君たちのおかげでこの世界は救われたんだ。ここの管理者として本当に感謝するよ。」
「うん。いろいろあったけど全部うまくいって良かったね。遊星のお兄さん、本当にありがとう。」
「・・・感謝するわ。」
「よく分からないが、この世界は救われたのか。それは何よりだ。」
「君には迷惑をかけたね。約束通り、元の世界へと送り届けてあげるよ。」
「不動遊星、てめえとデュエルして最高に良かったぜ。こんなに刺激的だったのは武藤遊戯以来だ。感謝するぜ。」

バクラが手を差し出して握手を求めている。一瞬戸惑いながらも遊星は強敵に対しての敬意を持ってその手を力強く取った。そんな2人を未子も愛姫、雪鏡も微笑ましく見ている。

「バクラ。次はもっと平和的にデュエルしたいな。」
「けっ。そんなの俺様の生に合わねえよ。」
「ふっ、だろうな。」
「さて、バクラ。君はどうするんだい?元の世界へ帰るかい?」

未子がそう言うとバクラはすぐに答えた。

「いや、元の世界に帰ってももうあいつはいねえんだ。俺様の居場所はもうねえよ。」
「それじゃ、引き続き僕と一緒にこの世界を管理しておくれよ。」
「神様になるか。まあ、それも悪くねえな。」

未子を守護精霊にしてから長い時を過ごすうち、バクラの心もこの世界に落ち着いている様子だった。

「・・・邪神だけどね。」
「邪神だってちゃんと祭れば、御利益のある神様になるんだよ。」

2人を見ながら呆れ顔で呟く雪鏡に愛姫が笑いながら言った。すべてが終わってようやく家へ帰れるかなと思った矢先、その異変に真っ先に気付いたのは雪鏡だった。思わず雪鏡は叫んでいた。

「!?愛姫!」
「雪鏡ちゃん、どうしたの?はっ!?」

雪鏡に言われて愛姫もその異変に気付く。未子を含む他の皆はこの異変に全く気付いていない。不思議そうに3人は愛姫と雪鏡を見ていた。

「うん、どうしたんだ?2人とも?」

バクラと遊星にはまだ感じることはできない。だが、ここに来て未子もその異変に気付いた。それははるか上空から近付いてくる何かの気配だ。

「何か危険な気配を感じるね・・・何だろう?はっ!危ない!!」

未子が叫ぶと同時に愛姫と雪鏡がシールドを張る。その瞬間、地面が揺れ周りの岩々が粉々に砕け散っていく光景が目に入ってきた。しばらくしてようやく地響きが収まると愛姫と雪鏡はシールドを解いた。衝撃波が来る寸前で目に飛び込んできたそれは巨大なトンボのような何かだった。

「な、何だ、ありゃ!?虫か!?えらくデカい虫だったな。」
「ああ、あんなの見たことが無い。」

バクラと遊星が既に見えなくなったそれを追って上空に目をやっていた。大きさから考えて数十メートルはあろうかという巨大トンボ。そんなものがマッハを超える速度で飛んできたのだ。この世界ではあり得ない光景だ。ただ、愛姫と雪鏡、そして未子はそのトンボの正体が何なのか見当がついた。それ故、あまりの恐ろしさに体が震えるのが分かった。

「雪鏡ちゃん!あれって・・・まさか・・・」
「・・・あり得ない。けど、あの巨大なトンボ。見たことある。」
「さ、殺戮の極悪蜻蛉・・・う、嘘でしょ?」
「何だ!?そのヤバそうな奴は!?」
「・・・殺戮の極悪蜻蛉、身長80m 体重1万トン 飛行速度マッハ20 1億度の火炎弾を吐き、風速1000mの爆風を起こす。無数の卵を産み、新たな蟲を生み出す力まで持っている。かつて天上界と魔界と前線基地をたった5分で壊滅させたことがある超大型の聖妖蟲よ。地上なんて1時間もあればすべて滅ぼされるわ。」
「マジかよ!?」
「だが、どうしてそんな奴がここに!?」
「そうだよ!珠魔ちゃんは死んじゃってあと7時間は生き返れないはずだよ。珠魔ちゃん以外にあの蟲さんを操れる人なんていないはず!」
「・・・そこ。誰かいるわ。」

わずかに残った岩の影、雪鏡はそこを指差した。

「ヒョヒョヒョヒョヒョ!!よくわかったね。」
「誰だ!?」

岩陰から出てきたのは趣味の悪い眼鏡をかけたショートヘアの少年だった。目つきが嫌らしいくらいに悪い。

「あいつ・・・どこかで見たことが」
「バクラ、知ってるの?」
「いや、見たことある気がするが覚えてねえ。」
「ふん、どうせボクはそこまで記憶に残るほどのものじゃないよ。だが、」

少年は自分を思い出さないバクラにイライラしていた。直接的な面識は無いので覚えてないのは無理の無い話だが。

「・・・インセクター羽蛾。かつて全国大会で優勝したものの、その後武藤遊戯に敗れて以来、目覚ましい活躍は見られていない中級のデュエリスト。」

少年の言葉を遮って雪鏡がそう言うと少年は途端に機嫌良く笑っていた。

「君は僕のことを知っているようだね。」
「・・・検索しただけよ。」
「くっ・・・まあ、データなんてそんなところさ。だが、今からボクは神になる!」

その言葉に周りの空気が凍り付いた。憐れむような目をしてバクラが言う。

「あいつ、頭は大丈夫か?」
「・・・データによると性格はねじ曲がっていて普通ではないわ。」
「ああ、可哀想な人なんだね。」
「愛姫ちゃん、それ言っちゃダメだよ。」
「うるさい!!」
「うわああ!!」

羽蛾が叫ぶと小さな蟲達が一斉に飛び出してきた。特に攻撃を仕掛けてくるわけではないが気持ちの良いものではない。

「蟲達がボクに力をくれるんだ!この世界を滅ぼせと力をくれたんだ!!だからお前らを殺してやる!!」
「てめえ如きに俺様がやられるかよ!!」
「待って!!」

バクラが飛び出そうとするのを未子が止めた。するとバクラが立ち入ろうとした空間に巨大な爪跡が現れた。これにはバクラも冷や汗が出る思いだ。

「くっ!?何だ!?」
「殺戮のラージローチ・・・やっぱり聖妖蟲なんだね。」
「何なんだ聖妖蟲って!?」
「主様が世界を消滅させる時、そこに住む生き物の魂を回収するために開発した破壊と殺戮を目的に作り出した直属の蟲達だよ。」
「うん・・・聖妖蟲の軍団は一夜で世界中の生き物を滅亡させてしまうとっても怖い蟲さんたちだよ。」
「・・・天界と魔界の連合軍の90%がわずか1時間で壊滅した記録もあるわ。」
「マジかよ!?」
「それ故、主様にしか扱えない特別な蟲達のはず。僕にだって扱えない超危険な代物なんだよ!だから、あんな人間の子供が扱えるはずがない!いったい誰が!?」
「そんなことはどうでも良い。とにかくあいつを放っておけばこの世界が滅びるんだろう?ならば、奴を倒すしかない!!」

遊星が先陣を切ってデュエルディスクをセットする。それに続きバクラも負けじとデュエルディスクを構える。

「ヒョヒョヒョ!!ボクを倒すだって!!そんなことできるものか!!」
「そうだよ!人間の君たちには無理だ!!ここは僕が行くよ!!」
「未子!私たちも!」
「愛姫ちゃんと雪鏡ちゃんは2人を守っていて!君たちはこの世界の人間に直接干渉できないでしょう!」
「う、うん。分かった!!お兄さんたち、私達の後ろに!!」
「あ、ああ・・・」
「未子!」
「バクラ、大丈夫だよ。僕は負けない!!」
「可愛いお嬢さん、君が僕の相手か。本当なら君みたいな可愛らしい娘を傷つけたくはない。だけどボクの女神は言っていた。憎たらしい奴!滅びてしまえ!!ってね!!」
「女神だって・・・一体何を」
「デュエル!!」 未子vs羽蛾 LP 4000

「僕の先攻!ドロー!!」

未子 手札×5→6 LP 4000

「くっ・・・力の消耗が激しい。早く勝負を決めないと!」

デュエルを挑んだ未子だったが、遊星とのデュエルでかなり力を使い切っている。相手の正体が分からない以上、持久戦になるのは非常に不利な状態だ。

「僕はカードを1枚伏せ、魔法カード『おとり人形』を発動!その効果で今伏せた、マドルチェ・ハッピーフェスタを発動!おいで僕のマドルチェたち!!」

おとり人形 罠カード強制発動
マドルチェ・ハッピーフェスタ 通常罠 マドルチェ召喚
マドルチェ・エンジェリー 
マドルチェ・ホーット・ケーキ
マドルチェ・メッセンジェラート

「メッセンジェラートの効果でチケットと手札に加える。けれど、僕はこの3体のマドルチェを生贄にして僕自身、邪神アバターを召喚するよ!!」

1ターン目に今できる最高の切り札。邪神アバターを召喚することができた。本来であればこれでほぼ勝ちは決定したようなものだ。

邪神アバター 攻撃力 1 ★10 通常召喚

「邪神アバター!これでどんなモンスターを出しても攻撃力が上回ることはない!!ターンエンド!!」

未子 手札×1 LP 4000

「ひょひょひょ!!ボクのターンだ!ボクの新たなるインセクトデッキを見せてやる!ドロー!」

羽蛾 LP 4000 手札×6

「邪神アバターか・・・世界で一番強い神なんだってねえ。でも、今のボクにそんなものは通用しないよ!!」
「え?」
「弱り切った神なんかこいつがいれば怖くない!出でよ殺戮の裂頭凶蟲!」

殺戮の裂頭凶蟲
聖妖蟲族 闇属性 ★1
このカードと相手フィールド上のモンスター1体を生贄に捧げて発動する。生贄に捧げた相手モンスターのレベル以下の聖妖蟲族モンスター1体をデッキから特殊召喚する。「殺戮の裂頭凶蟲」の効果は1ターンに1度しか発動できない。
攻撃力 0 守備力 0

フィールドに現れたのは細長い白い蟲だ。うねうねとして非常に気持ち悪い。裂頭条虫と呼ばれる寄生虫の一種であることは間違いない。

「何あれ・・・?私の知らない蟲?」
「・・・私達も知らない。あれは新作。」
「あうぅ・・・相変わらず趣味が悪いよ。」

珠魔の扱う蟲達で最も趣味の悪い蟲が寄生虫だ。人が嫌がることが大好きな彼女のとっておきの玩具だ。

「ひょひょひょ!!何にでも寄生する蟲、しかも寄生して宿主を別の生き物に食べさせる素晴らしい蟲だ!!つまり・・・こいつと相手モンスター1体を生贄に新たな蟲を呼び出すんだよ!!」
「まずい!!」
「邪神アバターは戦闘でも効果でも破壊はできない。だが、コストとして使われれば除去されてしまう!!」
「その通り!!裂頭凶蟲とアバターを生贄に出でよ!!殺戮の極悪蜻蛉!!」

寄生虫はアバターに取り憑き、自ら捕食者にアピールを行い宿主と共に食べられるのだ。上空から現れたのは先ほど皆を襲った巨大トンボ、殺戮の極悪蜻蛉だった!ゲームのためか若干小さくなっているとは言え、その巨体はアバターを飲み込むには十分だった。

殺戮の裂頭凶蟲 効果発動 アバターと共に生贄
邪神アバター コストとして生贄
殺戮の極悪蜻蛉 攻撃力 4000 ★10 デッキから特殊召喚

「そ、そんな・・・」

最強の神が一瞬でやられてしまう。せめて数ターンくらいはと思っていたのにこの残酷なまでの結果に未子は動揺を隠せない。

「さて、これで1つ目の仕事は終わりだ。プレイヤーにダイレクトアタック!!灰になれ!!1億度の火炎弾!!」

巨大トンボの口から巨大な火炎弾が発射される。弱った未子がこれを受ければ無事で済まない。思わず目を閉じる未子の前に立ちふさがったのはバクラだった。

「ぐわああ!!」
「バクラ!?」

1億度の火炎弾、本来なら惑星すら消滅させるほどの火球だ。愛姫によるバリアで守られているとは言えその衝撃は計り知れない。攻撃を受け切ったバクラは膝をついた。

「けっ・・・傷ついたお前じゃ今の攻撃はきついだろう・・・」

そう言うとバクラは倒れた。そんなバクラの姿を未子は茫然と見ているしかなかった。

殺戮の極悪蜻蛉 攻撃力 4000 直接攻撃 戦闘ダメージ4000
未子 LP 4000→0

「ちっ、仕留めたと思ったのに余計なことを・・・」

倒れたバクラに未子と遊星が駆け寄っていく。命に別条はないようだが、重傷だ。

「はわわ・・・強いね。」
「・・・大分消耗しているとは言え未子を圧倒するなんて。」
「雪鏡ちゃん、何とかならないの?」
「・・・大丈夫。あいつのデータ、記憶。もうスキャンできたわ。」
「さすが!」
「これで何があったかすべてはっきりするわ。」

雪鏡は自分がスキャンしたデータを水晶玉に変化させた。その水晶は羽蛾を指し向けた張本人の姿を写し出していた。

・・・・・

今日はここまで。
いろいろと忙しいので更新は不定期ですが、ぼちぼち続けていきたいと思います。
明日はまあ久々にデュエルをしようかなと思います。
古いカードしかないんだけど、自分らにはこれで十分かなと
気が向いたらリンク召喚のデッキでも組んでいいかなとも思います。

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