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2017年09月07日00:42

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あの駆け抜ける青春をもう一度!「二度めの夏、二度と会えない君」を観た!

 自分が映画を観る判断材料としては、PVやチラシはもちろん、いかにフックが引っかかるかってのを割と気にしてるのですが、今回は……。

 ちょっと題材が気になったのと(プレイボール)、PVの主題歌が良さげだったのと(1ストライク)、ガガガ文庫原作と知ったのと(2ストライク)、ついでに作者が下セカの人だと知った(3ストライク)ので観に行きました。感想? 超良かったよ!


●あらすじ

 高校3年の夏、転校生の燐(りん)から「バンドやろう!」と誘われた智(さとし)は、そのままバンドを結成し、秋の文化祭ライブで大成功をおさめる。しかし直後に、燐は倒れて病院へと運ばれてしまう。

 彼女の余命は限られたものだった。それを知ったうえで転校し、延命治療を拒否してバンドへ全てをささげてきた彼女を前に、智は最後に想いを告げた。しかし、彼女はその告白に困惑してしまい、智を病室から追い出してしまう。その後彼女の人生は幕を閉じた。

 その後、不登校になった智は自分を責め続けた。季節は冬、雪の降る日に彼女と出会ったあの原っぱへと迷い込む。そこで智が転ぶと、辺りの景色が夏へと戻り、そして死んでしまったはずの燐が目の前にいた。

 燐との出会いも、バンドの結成も、文化祭でのライブも全てが元通り。智は失敗した自分に訪れたチャンスだと悟った。「今度は彼女に告白しない」誰も知らない気持ちを胸に秘めて、智の二度めの夏が始まる。


●たった一度きりのタイムリープ

 最近じゃすっかりおなじみのタイムリープ系ですが、何度もやり直す系ではなく「たまたま戻っちゃったから頑張ろう」系です。何度もやり直す系はリセット前提で自暴自棄になったりするのと、同じ展開をなぞるので飽きが来ることもありますが、本作では一度きりのIF展開に全力投球するスタイルです。これが高校生の青春と併せてもう最高。

 また、ヒロインの死がすでに確定している以上、「いかに死を逃れるか」ではなく「いかに後悔のない青春を過ごすか」に焦点が向けられているのもグッド。やり直しだって別に特殊能力じゃないし、高校生に命が救えるわけもありません。でも、彼女に最高の最後を迎えさせてあげたい……というプロットで燃えないわけがありませんな!


●明るく元気な燐と支える仲間たち

 燐は非常にアグレッシブな元気娘。前のめり過ぎて周りを巻き込み、それがお祭り騒ぎへとつながっていくようなタイプの人間。で、本作の主人公の一人でもあるのだが、最初「ちょっと(顔が)微妙かな……」と思ったら、観ている内にだんだん可愛く見えてきたので役者さんは素晴らしいと思った次第。もちろん「自分の運命を悟った人間(名前からしてもう…)」だからこそ、智と同じく同情的な見方をしてしまうんだけど、それでも「楽しそうな彼女をいつまでも見ていたい」と思えるハツラツとした姿は良かった。

 一方の智は演技がやや硬い気もしたが、逆にそのたどたどしさが「二度めの夏でどう燐と接するべきか迷う」という感情とうまく合っていた気がする。一度玉砕しているぶん、好きな女子を前に本心を隠しつつ、それでも彼女の夢をかなえてあげたい。そんなピュアソウルの塊みたいな好青年をきっちり演じているので役者さんは素晴らしいと思った次第。

 多分、このペアが人気のイケメン俳優&美少女俳優とかならビジュアルも引き締まるんだろうけど、それだと素朴さが薄れてファッションショーみたいなオシャレさが出ちゃう可能性もあるので、等身大の高校生の青春という点では、観ていて自然で良かったと思いました。

 ただ、この二人がメインの分、他のバンドメンバーの影が薄いのはご愛敬。ベースの男はまだしも、ドラムの女の子はもうちょい出番増やしてあげても良かった気が。あと幼馴染ポジの生徒会長とか、ワケありっぽい楽器店の店長のお姉さんとかキャラは良いんだけど、さすがに映画の尺じゃドラマが追いきれなかった感は否めない。原作を読めという事だろうけど。

 とはいえ、主題としての「二人の物語」はきっちり完結されているのでご心配なく。


●青春まっしぐらな歌

 劇中歌を担当したのは「たんこぶちん」という5人組のガールズバンド。初めて聞いてみたがライトでイケイケな曲調は当然ながら、ボーカル声は芯が通った強い声で、それが燐の歌声にマッチしてて本編を大いに盛り上げてくれた。「メジャーデビューの可能性も秘めた才能溢れる高校生バンド」という説得力としても十分。

 あとは何といっても主題歌にもなった「夏のおわりに」が、PVでも良かったがEDで流れるフルが最高だった。明るくて健気で、どこか悲壮的な曲調がもうどストライクで、ラストのラストで堪えてた涙腺にブワワっときた。iTunes見てくる。


●まとめ

 夏の若い男女の恋のタイムリープ……とくれば、今も大ヒット上映中の「打ち上げ花火」を思い浮かべますが、あっちがかなりトリッキー&奥ゆかしい感じだったのに対し、こちらはストレート&疾走感あるストロングスタイル青春劇なので、迷った方はとりあえずこっちをオススメします。

 テーマもシンプルなぶん、グッとくるし見終わった後の清涼感もいいぞ! 花火のモヤモヤ勢もこっち見よ! な?
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