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2017年09月03日12:30

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英国ロイヤルバレエ シネマ 真夏の夜の夢/シンフォニック・ヴァリエーションズ/マルグリットとアルマン

2017/9/2土 12:40- TOHOシネマズ日本橋

◆The Dream
Choreography: Frederick Ashton
Music: Felix Mendelssohn
Musical arrangement: John Lanchbery

Conductor: Emmanuel Plasson

Titania: Akane Takada
Oberon: Steven McRae
Changeling Indian Boy: Ambrose Bartlett
Puck: Valentino Zucchetti
Bottom: Bennet Gartside
Helena: Itziar Mendizabal
Demetrius: Tomas Mock
Hermia: Claire Calvert
Lysander: Matthew Ball

Choir: London Oratory Junior Choir
Orchestra: Orchestra of the Royal Opera House

◆Symphonic Variations
Choreography: Frederick Ashton
Music: César Franck

Conductor: Emmanuel PlassonDancers

Marianela Nuñez, Vadim Muntagirov
Yasmine Naghdi, James Hay
Yuhui Choe, Tristan Dyer

Piano: Paul Stobart
Orchestra: Orchestra of the Royal Opera House

◆Marguerite and Armand
Choreography: Frederick Ashton
Music: Franz Liszt
Orchestration: Dudley Simpson

Conductor: Emmanuel Plasson
Marguerite: Zenaida Yanowsky
Armand: Roberto Bolle
Armand's Father: Christopher Saunders
Duke: Gary Avis

Piano: Robert Clark
Orchestra: Orchestra of the Royal Opera House


英国ロイヤルバレエのアシュトンミックスプロ、シネマに観に行ってきました。収録は2017/6/7とのこと、日本ではほぼ三カ月遅れの公開です。

いやーいろいろと大満足でした!

まずは真夏。アシュトンの真夏の全幕は、以前東京バレエ団で観て以来。これ、2007年ですかね。ゲストがコジョカル&コボーの予定だったのにコボーが怪我降板してスティーヴンが来てくれて、初めて彼を生で観ることになったのでした。そのときも、うわーこの人とってもきれいなダンサーで好きだわ!って思ったのですが、それから10年経ち押しも押されぬ大プリンシパルのスティーヴンのオベロン、

素敵だったーハートハートハートハートハート

改めて観ると、アシュトンの振付って本当に鬼難しい。それを軽々と、そして音楽性たっぷりに踊るスティーヴン、本当に気持ちいい。踊りだけじゃない、演技力も素晴らしい。背は決して高くないのに、登場すると世界を支配する王の威厳たっぷり。でもところどころに彼本来のお茶目な姿がのぞいて、アシュトンのコミカルな面を引き立てる。あのメイクもいい!スティーヴンは、わりにあっさり目のお顔立ちだと思うんですけど、そういう人の方がメイクしたときに変身できるんですよね。

スティーヴンは明るいキャラだから暗いものは似合わないのでは、とかいう声も見かけたりしますが、いやいや彼の演技力をもってすれば、これから年齢を重ねていけば、マクミランのどっぷり暗い役まで含めてかなり幅広い役で彼ならではの素晴らしい解釈を見せてくれそうで、本当に楽しみです。

そして、タイターニアは怪我降板のサラに代わって茜ちゃん。物凄く色っぽくて、しかも堂々としていて、代役とは思えない威厳ある演技でした。彼女も本当にテクニックが凄くあって、難しい振付を感じさせず、重さのない妖精として軽々と踊っていました。凄いなあ。

あと、ズケッティのパック、ガートサイドのボトム、二人とも本当に楽しそうに演じてて最高!2組のカップルたちも、さすがロイヤルという茶目っ気たっぷりの演技。楽しい作品ですね!

この作品見て、ノイマイヤーの真夏の夜の夢は、多分にアシュトンの影響を受けてるのではないかと思いました。2組の人間カップルのドタバタの描き方とかそっくりじゃないですか・・・。妖精界の描き方や、タイターニアとオベロンを人間カップルとの二重構造にしたあたりは、ジョンのオリジナルですけどね。アシュトン版は1964年、ノイマイヤー版は1977年初演だそうです。

続いて、シンフォニック・バリエーション。ダンサーのパフォーマンス自体は素晴らしかったです!マリアネラとワディムの完璧で美しい踊り、ため息出そうでした。ワディムは髪型もいつもと違って、真っ白な衣装もあって、アポロみたい!あと、私の好きなヘイ君と、そしてヤスミンとユフィーちゃんも出てたし!ただ、その素晴らしいダンサー達をもってしても、このバランシン的な世界はどうしても好きになれず・・・。真っ白な衣装と、モダンアート的な背景は素敵だと思いましたけど。

そして、ゼナイダの引退公演となった、マルグリットとアルマン。これが素晴らしかった。アシュトンのこの作品はリストの音楽に載せて、椿姫のストーリーのダイジェスト版を見せているという感じかな。初演は1963年。この作品も、ノイマイヤーの椿姫(1978年初演)のインスピレーションの元になったのではと個人的には思っています。ノイマイヤー版の方が、結論の部分が原作の小説に忠実ですけど。

引退公演ということもあり、ゼナイダが渾身の演技でした。彼女は、今のロイヤルバレエとしては珍しく、大柄で強くてそして大人っぽいダンサー。本来私が結構好きなタイプのはずなんですが、日本公演などでは、あまり彼女のよさをフィーチャーした作品を観られなかったのが本当に残念。現代的で強いけど、純粋でもろさのある、実に印象的なマルグリットでした。彼女のマルグリットに感情移入してしまい、途中で涙が止まらなくなって声をあげて泣かないようにこらえるのが本当に大変だった・・・。ここ数年はアデュー請負人として大活躍のボッレの献身的なアルマン像も彼女ととてもよく合っていて、素晴らしかったです。これ観て、ノイマイヤーの椿姫全幕を心底観たくなりました。初めて観たときのように、また、号泣することができるかなあ。来年2月のハンブルクバレエの来日公演に期待したいところです。

終演後、ゼナイダのアデューのセレモニーの様子も放映され続けました。アコスタのときもそうでしたが、彼女も本当にみんなから愛されていたのだなということがよく伝わってきて感動的でした。ポルーニンは耐えられなかったようですけど、英国ロイヤルバレエは、温かい雰囲気としっかりしたシステムがあってダンサーにとって働きやすいバレエ団のうちの一つなんじゃないかと、かねてから思っているんですけどね。あ、ゼナイダは恒久的なプリンシパルとしては引退ですけど、またロイヤルバレエのステージで踊る可能性はある、という意味のことをオヘア監督がスピーチで言ってました。できれば、彼女が得意としているコンテを、生で観られる機会があるといいのですが!
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