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2017年09月01日13:37

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★▼ ◎ 物語を考えてみた ◎ (第1799回)

新しい物語です
暇なときにでも、読んで頂けると幸いです
面白かったら「イイネ」や「コメント」等をして頂けるとありがたいです(^_^)

※ド素人が書いてます

タイトル「やり直し」

――

お尻の冷たい刺激に目を覚ますと、そこはコンクリート壁に囲まれた部屋だった

『何だ、ここ…?』

周りを見渡すと、鍵が掛かった鉄のドアが1つ
空気穴かは分からないが、ネズミが通りそうな小さな穴が天井と前の壁に1つずつと天井隅に付けられた小さなスピーカーが1つ
そして…
拭き取ってはあったが、目の前の壁には血潮の跡があった

直感で分かる
ここは危険だ

頭と心の中にジワジワと恐怖が染み込み始めた時、部屋に青年ようなの声がスピーカーから響いた
その声は明るく、まるで楽しんでいるよう

『こんにちは。あらためて私はガウフと申します。突然、こんな所に連れてきてしまってゴメンね』
『だ、誰だ…!?』

すると、声の主は笑う

『あはは。やっぱり、覚えてないかぁ〜。泥酔してたもんね〜』

そう言って彼はここまでの経緯を説明した
それは昨晩のこと
その時の私は人生のどん底にいた
不況のあおりで会社からリストラされ、そのせいで妻には離婚を告げられ、子供の親権さえも向こうに奪われた
多くを失い、自暴自棄になった私は散財を繰り返し、どんどん生活が荒れていく
そんな時だ
ヤツと出会ったのは…
私が居酒屋のカウンター席で酒を浴びるように飲んでいた時、知らない青年が私の隣の椅子に座り、こう言ってきた

『すみません。もし、勝てば人生が180度変わるゲームがあったら、やりますか?』

私は意味がわからなかったが、酔っていた勢いで『やるよ』と答えた
そう言うと、彼は笑みを浮かべて『では、行きましょう』と言って、ここに連れてきたという

『という事です。分かりましたか?』

説明されたが、私は当然、理解できるはずもない

『と、とにかく家に帰らせろ』
『嫌です。どうしても帰りたければ、ゲームをクリアしてからにしてください』
『ゲーム…?』
『ルールを説明しましょう』

使う道具は、6発入るリボルバー式の拳銃と銃弾1つ
銃弾を拳銃に装填して、リボルバーを回す
その後、その銃口を自分の頭に向けて打つというもの
パスは1回まで
パスする時は横にある砂の入った枕くらいの麻袋に打つ
勝敗は単純
死ななきゃ勝ち
死んだら負け
ちなみに、ルールを守らなかった場合は毒ガスが部屋に噴射される
勝てば、新しい人生をプレゼント
負ければ、死ぬ
以上がルール

『さて、質問はありますか?』
『何で…。何で…そんなことを…』

ガウフは私を無視して話を進める

『では、こちらを』

天井の穴から、リボルバーの玉の穴が見えないように改造された拳銃と銃弾が落ちてきた

『では、勝手に銃弾を詰めて、ゲームを始めて下さい』

部屋が静かになり、私が何度も怒鳴っても返答はなかった
それから、私は戸惑いながら拳銃を手に取った
意外とそれは重い

私は指示通りにゆっくりと銃弾を拳銃にセットして、リボルバーを勢いよく回す
もうこれで、どこに銃弾があるかは分からない

『これで引き金を引く…』

私は拳銃を見ながら、少しの時間だけ今までの人生を思い出した
しかし、その想い出はどれも辛いモノばかり

死んだって構わないか…。

私は考えるのを止めて、頭に銃口を向けて引き金を引いた

カチッ…

外れたようだ

別に安心感とかはなかった
もう死んでもいいのだから…

『さて、次を撃とう…』

私は再び、銃口を頭につける
そして、さっきと同じように打とうとして、引き金を引こうとしたとき、ある考えがよぎる
子供の顔だ

もし、銃弾が発射されたら…。

その瞬間、心の奥から感じた事もない恐怖が湧き出てきた
すると、手が震え出し、さっきまで軽かった引き金がスゴく重い

私は1度、拳銃を置いた
それは呼吸を整えたかった為
しかし、いつまでたっても落ち着くことなく、私は声をあげる

『おい! ガウフ! 見ているんだろ? 返事しろよ!!』

しかし、ヤツの返答はなく、何度か声を出してようやく返してきた

『どうしました?』
『お前、こんなことして楽しいのか…!』
『今さらですか?』
『ウルサイ! いいから、お前に人の心があるのなら、今すぐこのゲームを止めろ!』
『止めませんよ』
『なっ…!』
『こんな楽しいこと止めるわけないじゃないですか』
『お前…』
『それに…。私には人の心なんてありません。だって、私は悪魔ですから』
『あ、悪魔…? 何を言ってるんだ…?』
『どういうことか教えてあげたいですが、それはゲームをクリアしたにしましょう。まぁ、これは死ぬか生きるかのゲームです…。教えるときには死んでるかもしれませんが、ね』

ガウフの笑い声が響く中、会話が途切れ、それから何度問いかけても返事はなかった

私は気が狂いそうになる感覚を感じながら、銃を手に取る
私に与えられた選択肢は、銃弾を麻袋に打つか、自分の頭に打つかの2択

私は震えた手で自分の頭に銃口を向け、恐怖を押し殺してから、ゆっくりと引き金を引いた

カチッ…

緊張の糸を緩ませるように、大きく息を吐く

『これで、残り4つ…』

私は気持ちを整えようと拳銃を置いた
1つ2つと深呼吸すると、頭の中に子供の顔が出てきた

『そういえば、娘は元気だろうか…』

娘は今年で13歳
恐らく、中学に入学する年だろう
思春期になり、自分の意思や考えがハッキリし、嫌なものが増えてくる年齢

あぁ、元気にしてるだろうか…。

私は拳銃を取り、自分の頭に銃口を付けて、引き金を引いた

カチッ…

続けてもう一回

カチッ…

私は何にも思わずに引き金を引く

残りは2つ
次を麻袋に打つか、自分の頭に打つか
それで私の人生が全てが決まる

どうしよう…。どうしよう…。

どちらに打とうか迷っていると、ヤツが話しかけてきた

『ねぇ。君は生きたい?』
『い、いきなり何だよ…』
『生きたいんじゃないの?』
『……』

そう問われると正直、困ってしまう
答えなんか分からない

『分かんないさ。まぁ、分かってもお前には言いたくないね』
『ふぅ〜ん…。どういう強がりか分からないけどね。ちなみに、君はもし人生が180度変わったらどうする?』
『どうするって…。そりゃ、子供に会って、笑って、幸せに暮らしたいよ…』
『ふぅ〜ん。そうですか。じゃあ、どっちに打つのかを決めなよ』

そう言って、ガウフは話を切った

最後か…。

私は死を意識した震える手で、ゆっくりと銃口を頭に向けた
その時、殺気だった自分の感覚が違和感を感じとる
それは何かというと、さっきまでの銃の左右の重みが違うのだ
今は、重心が真ん中にある感じ

もしかして…。

私はすぐに麻袋に撃った
すると…

バン!!

銃弾は大きな音を立てて、麻袋を突き抜けた
中に入っていた砂が勢い良く出てくる

その瞬間、心から溢れ出る喜びを感じた
それは、人としての喜びではない

ガウフが声を出す

『おめでとう。君はゲームに勝ちました。約束通り、君には今までとは違う人生をプレゼントしよう』

ガチャ

部屋のドアの鍵が開く音がした

『さぁ、出ていっていいですよ』

……。

私はゆっくりと立ち上がり、ドアに近づく
そして、ドアノブに手を掛けて回すと、ドアは開き、私は光に包まれた

少しして、眩しさに閉じていた目を開けると、そこは知らない部屋だった

『何だ、ここ?』

周りを見ると、勉強机に受験の為と思われる高校の教科書があった
多分、ここは学生の勉強部屋だろう

ふと、自分を見ると高校の学生服を着ていた

『これは、どういう事だ…?』

戸惑っていると、部屋に女性が入ってきた

『ちょっと何してるの…! 入学式に遅れるわよ』
『えっ…!?』

私は驚いた
何故なら、彼女は私の元妻のマサミだったから

『何、驚いてるのよ…? ほら…! 早く制服を着て』

マサミは私に高校の制服を渡して、部屋から出ていった

どうなってるんだ…?
何で妻が…?

その時、背後から気配を感じ、振り向いいた
すると、そこには幽霊のような薄透明の少年が立っていた

私は驚いたが、すぐに理解した
コイツはあのガウフだ

『おい、これはなんだ!?』
『簡単だよ。君はゲームに勝った。だから、人生をやり直すチャンスを得たんだ』
『で、何で妻がいるんだ?』
『何で? それは簡単さ。今の君は、君の子供の中にいるんだから』
『えっ…!?』
『いやね。やり直す為に君の時間を戻してあげられたら良かったんだけど。それは魔界でも禁じられている事だからね。だから、別の身体に君の魂を入れたの』

頭が追いつかない…。

『何を言ってるんだ…』
『つまり、今の君は自分の子供の中に入ってて、その身体で再スタートをするの』
『はぁ!?』
『じゃあ、第2の人生を頑張ってね』

そう言って、ヤツは消えた

途方にくれる私
どうやら、これから私の第2の人生が始まるようだ
こんな人生…
こんな人生なんて望んじゃいないのに……

――
どうも僕ですε=ε=┏( ・_・)┛

こんな話はいかがですか?
書きながら、お話を進めていったのですが
自分でも思う
もっと上手かったら面白いのになぁ…
まぁ、諦めてるから言うだけでしか出来ないんですけどね

次回も読んで頂けたら幸いです(^_^)

―――
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