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2017年09月01日10:28

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「アメリカ外交に とっての同盟」と同盟理論  石川卓

はじめに
国家はなぜ他国との同盟を結び、あるいは維持するのであろうか。近年、力の限界や相対的低下をしばしば指摘されるようになっているとはいえ、依然として圧倒的な力の優位を維持している米国に関して、これは特に避けがたい問いであるように思われる。

前ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)政権は、いわば世界を米国にとって安全にすることを目的に、「体制転換」(regime change)を掲げて、力による民主化を実行した。

これは、ブッシュ政権が米国の力を過信していたことの表出であったと考えられるが、にもかかわらず、同政権は同盟を重視する姿勢を顕著に示し、欧州においては北大西洋条約機構(NATO
)内に深刻な亀裂の発生が見られたものの、東アジアにおいては実際に日米同盟を重視し、その強化を実現した1。

このような事実について、あるいは、そもそも圧倒的な力の優位をもつ米国にとって同盟とは何であるのかについて、同盟理論は、どのような説明を提示するのであろうか。

他方、米国の力の限界を明確に前提とする外交・安全保障政策を展開してきたバラク・H・オバマ(Barack H. Obama)政権も、同盟重視の姿勢を引き継いでいる。
前政権との間で、いわば前提における一貫性の欠如を伴いながら、行動における一貫性が見られてきたといえる。

このように部分的な矛盾を孕む現象は、理論的にはどのように説明されるべきなのであろうか。同盟理論は、その理解の一助たりうるのであろうか。

本稿は、以上のような疑問に直接的に答えようとするものではない。むしろ、ここでの関心は、既存の同盟理論が、たとえば、このような問いに明確な回答を提示しうるのか否かにある。

そこで、本稿では、「米国外交にとっての同盟」を論じ、理解するための準備作業あるいは補完作業として、同盟理論の研究動向を概観し、同盟および関連する諸概念のより一般的な理解を確認するとともに、「米国外交にとっての同盟」という観点から、理論
的に問われるべきことは何かを浮き彫りにすることとしたい。

1.
「同盟」という概念
(1)同盟の定義

「同盟という言葉は、限定的な協力から、NATOのような制度化された機構に至るまで、多くのものを意味する形で使われている」との指摘もあるように2、
「同盟」という概念はかなり多義的に用いられてきた。おそらく日常的にはより広義に使われていると思われる
が、同盟に関する理論的な研究においても、さまざまな形で定義されている。

たとえば、グレン・H・スナイダー(Glenn H. Snyder)は、現実の国際政治、安全保障に
おける同盟の重要性にもかかわらず、「国際関係理論研究の中で最も開拓されていない分野
の一つが同盟理論である」ことを指摘し3、自らネオリアリズムとしての「試論」と称する議論を展開した論文において、同盟を「それが明示化されているか否かにかかわらず、特定の諸国に対する安全保障、あるいはその構成国の増大を企図した、軍事力の行使(または不行使)のための諸国家の公式の結びつき」と定義した4。

これにより、軍事力行使とは関係のない「関税同盟」(customs union)や、非国家主体による
「脱国家的連携」(transnational associations)、あるいは脅威を内部化したうえで構成される集団安全保障機構などと区別されることとなる。

ただし、同盟は、「特定の他国との紛争あるいは戦争において、互いに支援を得られるという複数国間で相互に抱かれる期待」をもたらすものとされる「提携」(alignment)という、より大きな現象の中の公式の形態であるとされる5。


続きはこちら
http://www2.jiia.or.jp/pdf/resarch/h22_nichibei_kankei/05_Chapter1-3.pdf


・・
時間が経ったら勉強部屋に移動します。



■日英「準同盟」アピール=メイ首相、NSC出席
(時事通信社 - 09月01日 08:00)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=4744380
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