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2017年09月01日01:36

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最近の擬似ハイレゾ

音楽の話。
デジタル音声は、フォーマットによって収納出来る、音量、周波数が
決まります。
CDだと、16bit 44.1kHzという決まりですね。
これは1980年頃のCD規格制定時の都合と言って良いかと。

その後の情報革命、デジタル技術の進化によって、
音楽製作の環境としてはノートパソコンですら易々と扱えるほど
下位の規格となっています。

一般にはハイレゾという名称で知られるようになった音の規格は
映画を格納するDVDやBlu-rayといったメディアでは当たり前で、
進化したデジタル携帯プレーヤーも今では普通に扱えます。

それで困ったのが、CD環境で作られた音楽の数々。
音楽内容は古びていないとしても、スペックが今の環境に追いつかない。
かくして、擬似的にハイレゾに変換する試みが各社でなされています。

日本ビクターが採用しているのは【K2HD】
内容については公開されていないのですが、
長年音楽製作を手がけているビクターのエンジニアが、
それらしく聞こえるようにするノウハウが有るのでしょう。

私らリスナーが、CDのまま、ハイレゾ、その違いが微妙だと、
聴く側の体調気分、によって、違いを感じる度合いが違うでしょう。
となると、PCソフトで視覚化を試みるしかないですね。

ソースは、
2008年の音源、livetune feat初音ミク 「Pacaged」【K2HD】
PCで作られた打ち込みの音楽です。

1974年の音源、Paul McCartney BAND ON THE RUN収録の
「Blue Bird」
アコースティックギターでの弾き語りという、デジタルが介在しない
アナログの音楽です。

まずは波形から

「Pacaged」
フォト

上:CD、下:【K2HD】
所謂「海苔」と言われる、上に詰まっている目一杯詰め込まれた音。

「Blue Bird」
フォト

上:CD、下:24bit 96kHz
自然な、詰め込まれていない素朴な音です。


次が音の周波数分布と強度を表すスペクトラム表示。
グラフの上が周波数を表し、CDは22kHz、【K2HD】や24/96は48kHzまで。
色がレベルを示します、無地→青→赤→白とレベルが高い。

「Pacaged」
フォト

上:CD、下:【K2HD】

周波数が上に向かう途中で、はっきりと段差が有ります。
ここがCDフォーマットとその上の擬似補完された部分の境目。

「Blue Bird」
フォト

上:CD、下:24bit 96kHz

こちらは滑らかに周波数が上に伸びていますね。
随分高い周波数まで青い成分が有りますが、これが普通の音。


最後が周波数特性の分析
周波数低→周波数高。
CDは22kHzまで、【K2HD】や24/96は48kHzまで。

「Pacaged」
フォト

上:CD、下:【K2HD】

CDって格納できる周波数がこんなに狭いんです。
22kHz以上はばっさりと切られてしまいます。
それ以上は、補完された作られた周波数成分。

「Blue Bird」
フォト

上:CD、下:24bit 96kHz

こちらは流石に不自然さが無いですね。


さて、聞いてみて。

面白いことに、【K2HD】を聞くと、それなりにハイレゾっぽくて
楽しかったりします、聞こえなかった音が聞こえてきます。
これは脳内に作り出される刺激が増えるのかもしれませんね。
なので、一応擬似ハイレゾは肯定します。

将来はもっと進化した仮想変換が出てくるでしょうかねえ。
今のままじゃ、一目で違いが分かってしまう程度の能力ですし。
幻想を紡ぐには不十分です。

だから、ハイレゾとして高値で販売されるのは気に入りませんけどね。
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