〔史実〕剣を送られてきたのは。

　例えば部下がなかなか勝てず、連敗していたときに君主から剣を送られてきたとき、
「この剣で戦果を上げろってこと！？」
　と勘違いして、部下も判っているけれども、全員で「勝とう」と志気が上がって、結局戦いに勝ったので「ま、いいか」みたいな事はあり得ませんのですが。
「剣を送られる」と言うのは、「自害しろ」と言う意味なんですよね。
　なかなか勝てないと言うのは、敵と内通していて自軍の食べ物を無駄に使っているのがその証拠。などと誰かに言われて、それを信じてしまって、剣を送ったのです。呉の伍子胥、秦の白起などがそうです。また楽毅も連戦連勝破竹の勢いで斉を侵略したのに、あと2城がなかなか落とせずにいたら、反間の計をされて殺されてはならぬと趙に亡命しています。この楽毅のライバルに田単と言う人がいます。城から城へと移動するのに、まだ使えると車輪を交換しなかった人の中で、転戦になると予想して車軸などの交換をして、その先見の明が上官などに渡って、名前が売れたのです。こんな人物を探し出せない斉も残念ですが。