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#FSKとおでかけ2017夏
#ご飯ととるのがいいと聞きました


舞台中央、真上からのスポットライトを浴びて仁王立ちのマクベス、レディマクベスは夫と向かい合わせに立つ、マクベスは自分の胸の位置にある夫人の首を両手で挟み、少し捻るように傾ける、その後頭部を見ながら、ふたりのデュエットを見ながら、レディマクベスはマクベスに縊り殺されるのではないかと予感する

終には夢遊病の症状を見せ、両手の見えない血を拭おうとするレディ、床に掌を擦り付けるそのきゅるきゅるという音が痛い
その手は、前にはマクベスの手を（王位を掴めと）テーブルに押し付け、マクベスが振り解くや、苛立ちてテーブルを六度叩き、その音でマクベスを痛めつけたものなのに

マクベスの手が血に塗れたとき、レディの手は転がった（見えない）王冠を拾い上げる、頭上高くさらに高く差し上げようとするが、突然、右膝がかくっと折れる、重みに耐えかねたように
もうそれは王冠ではなく崩れ堕ちんとする天を支えているように見える

血に塗れ震える自分の両手を茫然と見つめるマクベス、その顔をレディは手で挟んで立たせようとする、マクベスはレディの手に縋ろうとするが触れさせずに避ける、ふたりの両手の追いかけっこ、その奇妙なムーヴも束の間、マクベスはレディの手を掴み、そしてその女の顔を血塗れた両手で挟む

舞台中央、仁王立ちのマクベス、その向かい合わせに立つレディ、但しその肩は右に傾き、首は左に傾いている
物語り初めの予感のままに、その首にマクベスの手がかかる！と見た瞬間、レディは体を躱し、つんのめったマクベスの膝の、ゴンッ、床を叩く音

マクベスはレディの顔を穏やかに両手で挟み少し傾ける、冒頭のふたりのデュエットが繰り返され胸が痛む、マクベスがレディを抱え上げるがそれはもうリフトではない、宙に浮いたまま、レディの足はぱたぱたと意思もなく歩く

レディは上手にマクベスは下手にいて手は届かない、マクベスの手が届かないまま終にレディの首にかかる、女は歌舞伎の海老反りのように反り返るが、首は前に残したまま、背後から見たその形は、首無し！

倒れたレディの傍らでひとり踊る夫、少しづつレディの舞いが紛れ込むのが哀れ、妻の腕を引くマクベス、引き摺り引き摺りするが、すぐ近くに見える王座のあまりに遠い
──【舞踊】文学舞踊劇 マクベス［ダンス］池上直子、森優貴／渋谷区文化総合センター大和田 伝承ホール