仁徳天皇陵をはじめとする、いわゆる「百舌鳥・古市古墳群」のユネスコ世界遺産登録活動の進行に伴う、我々反対派の留意点の覚書です。
■陵墓侵奪3点セット(左翼・考古学界が主張、ユネスコ・イコモスにロビー活動)
1.呼称は「○○天皇陵」ではなく「○○古墳」とする。
(例:「仁徳天皇陵」ではなく「大山古墳」)
2.文化財保護法上の文化財(史跡・特別史跡等)に指定する。
(宮内庁管理の陵墓に、文化庁の管理も及ぼされ「公開・活用」の対象となる)
3.公開を拡大させる。
(「学術調査が必要」「市民に開かれた陵墓」「観光客サービス」等を口実に)
■皇陵奉護三要点(皇陵奉護派の重点目標)
一、「○○古墳」呼称に反対し、「○○天皇陵」呼称を徹底する。
(例:「大山古墳」ではなく「仁徳天皇陵」または「百舌鳥耳原中陵」)
二、文化財指定に反対し、宮内庁のみによる陵墓としての管理を貫徹する。
(文化庁による介入・文化財指定による「公開・活用」を阻む)
三、いかなる名目での公開拡大にも反対し、御陵の静安と尊厳を奉護する。
(皇室祭祀が現に行われている「聖地」である)
■今後の日程(最短・最悪の場合)
○平成29年9月中 世界遺産条約関係省庁連絡会議、外務省がユネスコに暫定版推薦書を提出
○平成29年中 ユネスコからの意見←ココに日本左翼のロビー活動が影響する可能性大
○平成29年12月頃 文化審議会世界文化遺産部会(正式版推薦書審議)←ココにユネスコ・イコモスの「外圧」が影響する可能性大
○平成30年1月中 世界遺産条約関係省庁連絡会議、外務省がユネスコに正式版推薦書を提出
○平成30年中 イコモスによる現地調査
○平成31年5月 イコモスがユネスコに勧告
○平成31年6〜7月頃 ユネスコ世界遺産委員会での決定
■世界文化遺産条約関係省庁連絡会議構成省庁など
外務省
http://www.mofa.go.jp/mofaj/comment/index.html
文化庁
https://inquiry.bunka.go.jp/
環境省
https://www.env.go.jp/moemail/
国土交通省
http://www.mlit.go.jp/hotline/hotline_1503.html
林野庁
https://www.contactus.maff.go.jp/rinya/form/rinsei/inquiry_rinya_160801.html
水産庁
http://www.maff.go.jp/j/apply/recp/index.html
宮内庁
information@kunaicho.go.jp
文部科学省
http://www.mext.go.jp/mail/index.html
農林水産省
http://www.maff.go.jp/j/apply/recp/index.html
e‐Gov
https://www.e-gov.go.jp/policy/servlet/Propose
内閣総理大臣官邸
https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken_ssl.html
■左派・考古学界「陵墓侵奪3点セット」の具体例
▽百舌鳥・古市古墳群の世界遺産登録、京都の研究者ら課題指摘
平成29年05月28日 17時30分京都新聞
http://www.kyoto-np.co.jp/local/article/20170528000062
大阪府などが世界文化遺産登録を目指す百舌鳥(もず)・古市古墳群について、京都の研究者らが、古墳群に含まれる天皇陵に関する問題点を論文集にまとめた。編著者の京都大人文科学研究所長の高木博志教授(日本近代史)は「埋葬者が特定されていない現状を正確に示す名称や、文化財としても位置付けるなど、登録前に明確にしておくべき課題は多い」と指摘する。
古墳群は、大阪府の堺市と羽曳野市、藤井寺市にまたがる4〜6世紀に築かれた古墳89基で、日本最大の前方後円墳(全長486メートル)の大山(仙)古墳(伝仁徳天皇陵)などがある。地元自治体が世界文化遺産登録を目指しており、文化庁の暫定リストに含まれている。
現状の課題について、高木教授らは考古学や歴史学の視点から「世界遺産と天皇陵古墳を問う」(思文閣出版刊、2484円)をまとめた。
課題の一つは、天皇陵の名称だ。現在の天皇陵は、江戸時代末期から明治時代に調査され、旧宮内省が定めたものを踏襲している。戦後、考古学者の故森浩一氏は検討を重ねた末、仁徳陵を「大山古墳」と呼ぶなどと提案。日本史の教科書で、大仙陵古墳(伝仁徳天皇陵)や誉田御廟山古墳(伝応神天皇陵)と記され、定着してきている。
ところが、大阪府などでつくる世界文化遺産登録推進本部会議の資料ではそれぞれ、仁徳天皇陵古墳、応神天皇陵古墳となっている。同会議事務局は「文化庁と宮内庁と相談し、一般的になっている名称を選んだ。古墳群の説明で、さまざまな名称があることも紹介している」としている。
編著者の一人、今尾文昭・関西大非常勤講師(考古学)は「古墳群の天皇陵は、学術的に特定人物の古墳と確認できていない。資料通りの名称だと、国内外に誤解したイメージを広めてしまう」と訴える。
国内法での位置付けについても言及している。天皇陵は現在、国有財産法に基づく「皇室用財産」で、宮内庁が管理し、原則非公開となっている。高木教授は「現状のまま登録されれば、秘匿性を高めることになりかねない」と危ぶむ。「古都奈良の文化財」の登録では、皇室用財産の正倉院の建物が、文化財保護法の国宝に指定された例がある。高木教授は「古墳群の天皇陵も、文化財の国史跡として二重に位置付けられるはず。あせらず、諸課題について幅広く議論して合意形成したうえで、市民に開かれた世界遺産を目指してほしい」としている。
▽高木博志『近代天皇制と古都』(平成一八年・岩波書店)
ギゼーのピラミッドが世界遺産で、どうして堺の「仁徳天皇陵」(大仙陵)は世界遺産ではないのか? 陵墓公開運動で培われた民主主義の理念を継承し、世界遺産保護の視座に立つ時、外圧には誠実な姿勢の日本政府に対して、「『仁徳天皇陵』を世界遺産に!」のスローガンも道具として有効ではないか。
二十一世紀には、「仁徳天皇陵」は特別史蹟の指定を受け、世界遺産に登録されるだろうか?
▽森浩一「陵墓限定公開二〇回記念シンポジウム」
(平成一〇年一二月一二日、於・天理大学)での発言
(陵墓限定公開二〇回記念シンポジウム実行委員会編『日本の古墳と天皇陵』平成一二年・同成社)
そこで、この『古墳壁画の謎』という本のなかで私は、「仁徳陵古墳」、「応神陵古墳」という名前を使ったんです。つまり現在は仁徳陵とよんでいる古墳、そういう意味ですね。ところが、これには宮内庁の役人が腹を立てたらしくて、文句の手紙が来ました。法律で決まっているものを勝手に変えるとはなにごとかと。ですが私も腹が立つから、またちがう本で、その手紙の一部を引用したんですけど、それからはなにもいってこなくなりました。
この呼び方は一時的には効果がありました。陵墓問題について自分なりに悩んでいる人には、仁徳陵古墳というと、ああ、仁徳陵とよんでいる古墳という意味だなと、すぐ分かってもらえました。日本史の教科書などでも一時それを使いました。それから、私が一週間担当したNHK教育テレビの番組で、写真の下に仁徳陵古墳とキャプションがつけられて、それがかなり反響をよんだことがあります。NHKまでが「仁徳陵古墳」を使ったということで、一時的ですが、それは社会に一つの影響を与えたと思います。
(中略)
そこで一九七六年に『考古学入門』(保育社)という本を出したときに、思い切って──これはもう私自身にとってもかなり思い切ってですけど──今後いっさいそういう人の名前のちらつく遺跡名をやめようと考えました。それで考えた結果、仁徳陵を大山古墳、応神陵を誉田山としたんです。これで私の気持ちは、ほんとにスッとしましたね。なにか胃酸を飲んだような──私は胃酸なんてほとんど飲まないんですけど(笑)──長年のつかえがいっぺんに取れたような気がしました。あのときから私の頭のなかでは、たとえ宮内庁がああいう古墳を厳重に管理して、学者にも手をさわらせないといっていても、もはや和泉黄金塚とか黒姫山とかカトンボ山などの古墳と同じように、普通の遺跡にすぎない。普通の遺跡にしてしまったわけです。
▽石部正志「「天皇陵」の保護と調査をめぐって」
(石部正志・藤田友治・古田武彦編著『天皇陵を発掘せよ』平成五年・三一書房)
はじめにも述べましたように、今、日本国は主権在民です。国民は、出自・性別・年齢・財産・居住地・思想信条、その他いかなる理由によっても、法のうえで差別されてはなりません。私達は、自分の身内の墓を「陵」などとは決して言いません。天皇とその一族が日本国民なのかどうかは、よく分かりませんが、彼らも、我々と同じ人間には違いありません。昔の天皇たちもすべて普通の人間だったはずです。「天皇陵」を天皇家が私的に祭っているのであれば、個人的信仰の領域を侵す理由はありませんが、宮内庁という国家機関が、国家神道にかかわる儀式の場の一種として、国費を使って公的に維持管理しているのですから、これは明白に憲法の精神に反しています。
仮に、天皇家が私的に祭っているのであっても、信仰の自由を振りかざして、文化財を文化財とは認めない態度をとることは許されません。「天皇陵」に指定されている古墳も、指定されていない古墳も、文化財としての価値に差はなく、等しく文化財として手厚く保護されなければなりません。そのためには、さし当たって、「天皇陵」とされている古墳も史跡に指定するべきです。しかし、宮内庁当局は頑なに拒んでいます。
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