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2017年08月12日08:05

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眠りたくないのに

寝ないと体が持たないのはわかってる。
でも寝るといやな夢を見る。

以前も何度か書いたけど、たとえば学校に行く夢。
行く事自体は嫌じゃない。行かねばならないのなら行く。ただそれだけのこと。

ただ、自分は何年生だったか。教科書はどこなのか。
制服はどこにあるのか。

下駄箱はどれを使えば良いのか。

教室はどこなのか。

そもそもどこから入ればいいというのか。

これが会社へ行く夢でも同じこと。

私の仕事はなんだっただろうか。
スーツを着るべきなのか。ちょっといい普段着程度でいいものなのか。
道具は?かばんには何をつめればいい?

そもそもどこのビルへ入ればいいというのか。


そういう夢はとても怖い。
起きたときには冷や汗でびっしょりだし、動悸も早い。血圧も上がっているだろう。

本当に頻繁にそんな夢を見るから。眠るのが怖い。


しかしそれにもまして、昨夜の夢は酷かった。

私は海外旅行に行こうとしている。
北欧とか、リゾートとか、そんなオシャレな場所じゃない。

上手く表現できないが、大雑把に例えるならニューデリーみたいな。
街ではあるが、先進国過ぎない。綺麗過ぎない、なんかいい意味でごちゃっとした感じの、私にとっては居心地よさそうな場所。

荷物を準備して、まずは東京へ向かった。そこから国際線で行くのだから。

久しぶりの東京。おいしそうなパンを売る店を見つけたけれど、これから飛行機に乗るというのにパンは買えない。残念だ。

さて、もう一度スケジュールのチェックをしておこう。

がさごそ、とカバンを探ってチケットを取り出した。

そこで……ふとあることに気づいた。


まてよ……。私、パスポート持ってなくね? 作ってないよね!パスポート!!
パスポートないよ!!持ってないよ!!

やばい!やばい!! ここまで来てそれはない!!

しかも。チケットに同封されていた要綱を読み直したら、出発は神戸からバスで関空へ……とある。
さらにさらに、出発時刻は午前9時。

今わたし東京にいるし、すでに13時を回っているんだが!


いまさらなにひとつどうにもならない。
チケットがどうにかなったとしても、パスポートが無いんじゃ手の打ちようが無い。

こんな絶望、初めて味わったわ。

夢の中なのに、えぐえぐ泣きながらママンに連絡しようと試みた。

なぜか携帯電話持ってない。見たこともないような感度の悪い通信機器で、途切れ途切れに報告。号泣。

まあなにはともあれ、かえってらっしゃい……と言われたので。
帰路の新幹線チケットを買い、出発時間まで駅構内を見て回ることにした。

今のショックですっかり腰が抜けて立てなくなってた私は、オフィスとかでよく見かけるコマつきの椅子に座ったまま、足で床を蹴って移動した。

いつのまにか中華系の食材とかを扱う市場みたいなところに迷い込んでた。

普通ならあまり見ることもない珍しいものに興味津々で楽しめるんだろうけれど、こんな絶望のどん底では何一つ面白くない。

もう帰ろう……。帰って、地元で休暇を過ごそう……。

そう思って、駅のホームを目指すんだ。

で、目が覚めるんだけれどね。
さらにそこで、追い討ちがかかる。


『せめて地元でゆっくり休暇を過ごそう……』

そう思うことでほんの少しだけ心が安らいだのに……



現実は、休みなんて、もう、ない。


寝ても絶望。起きても絶望。二段構えの酷い夢と酷い現実。

なんなの。私、お払いにでも行ったほうがいいの?


これから寝るけどさあ……。こんなんならもう目覚めなくていいよほんと……。辛いよ……。
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