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2017年08月10日23:31

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佐々木バレエアカデミー SUMMER CONCERT2017

2017/8/9水 18:00- 大和市文化創造拠点シリウス 芸術文化ホール メインホール

◆ライモンダ Act2より
原振付:M. プティパ
曲:A. グラズノフ

ライモンダ: 菅井円加
ジャン・ド・ブリエンヌ: 福岡雄大
アブデラフマン: 三木雄馬
友人達: 山田歌子、大塚カレン、奥村康祐、木下嘉人
サラセン人: 五月女遥、末原雅弘
貴族: 小川樹里、加藤節子、河野瑞希、永井絵麻
     池田武志、杜海、近藤徹志、西野隼人

◆ドリーブ・スイート
振付:J. マルティネス
曲:L. ドリーブ
大谷遥陽、池田武志

◆Still of King
振付: Jorma Elo
曲:F. ハイドン 軍隊交響曲100番
高野陽年

◆パピヨン
振付:P. ラコット
曲:J. オッフェンバック
相原舞、池田武志

◆fell and fell and...
振付:宝満直也
岩瀬斗羽、葛西ひかる、窪田夏朋、刀袮平美咲、中村眞子、古尾谷莉奈、
神蔵文野、山口ひな、飯島大河、山口宙斗

◆タリスマンよりパ・ド・ドゥ
振付:M. プティパ、曲:L. ドリゴ
五月女遥、福田圭吾

◆日本神話

・天地創造
振付:宝満直也
伊邪那美: 米沢唯
伊邪那岐: 宝満直也

・天野岩屋戸
振付:菅井円加
和太鼓:小林太郎
天之宇受売命:菅井円加

・八岐大蛇を退治
振付:辻本和彦
櫛名田比売: 山田葵
須佐之男命: 辻本和彦

・因幡の白兎 大国主の国づくり
白兎・須勢理比売: 小野絢子
大国主の神: 福田圭吾


円加ちゃんほか新国のダンサーさん達がゲスト出演すると聞いて、平日の夜に頑張って遠征してまいりました。すごいクオリティの公演で、これでS席4000円、A席3000円って本当ですか?佐々木バレエアカデミー凄いな。お金あるし力あるな・・・。日本のお稽古バレエの市場規模の大きさを目の当たりにした感じです。

この日の公演は、三部制。一部がライモンダ、二部が小品集、三部が日本神話。それぞれ1時間ほどずつです。

一部は主役が円加ちゃんで、その周りを新国のダンサー3人が取り囲むというドリームキャスト。彼女の神髄はコンテにあるとは思いますが、クラシックも物凄く一つ一つのパが正確だし、音の取り方が本当に見事だし、そして何よりこういう役では高貴な姫に見えるのが凄い。彼女の「役を生きる力」ってちょっと普通じゃないレベルです。顔は幼い感じですけど、精神性はすごく大人なところがあるんだと思うわ彼女。
そして福岡君、ほんとに上手いなあと思いました。真っ白な王子の衣装が似合って見えた。体格こそややがっちり目ですけど、彼のここのところの踊りは本当にノーブルだし、リフト・サポートも完璧。何より、パートナーと踊るときに、物凄く相手のことを気遣ってる感じがするんですよね。彼ってとってもいい人なんじゃないかしら。
実は私遅刻してしまいキャスト表も見ずに途中から観たんですけど、入ったら男性二人が踊っているシーンで、わあここのバレエ団の男性ダンサーってすっごく上手いじゃない!と思ってよくよく見たら、新国でおなじみの顔でした^^; 奥村くんと木下くん。そうこうするうちに、あら、あの小さくてはしっこい踊りをする女性も上手いなあ・・・と思ったら五月女さん?!何て贅沢なキャスティングなのかしらと来たばかりで衝撃受けました。

第二部の商品集では、五月女さんと福田さんのタリスマンがよかったなあ。五月女さん、新国では見られない姫役が凄くよかった。彼女も円加ちゃんと同じで身体能力は高いけど表現力が凄い。ここの先生の指導方針なんでしょうかね。

ドリーブ・スイートの大谷さんと池田さんも、難しいあの作品をよく踊りこなしてました。大谷さん、ジョゼに特訓されたのかな^^ しかしこの作品、雰囲気あってこういうガラで踊るにはとてもいいですねー。衣装も可愛い。

宝満君の作品は、敢えてだと思うけど、バレエというよりはダンス、しかもちょっとミュージカル系な感じでした。彼は、エンタメ系の振付もできる人なんだなあ。芝居やミュージカルみたいなザッツ・ショービジネスの世界でも成功しそう。そして、メインの役どころをやっていた男女二人の動き見てると、いかにも宝満君と五月女さんって感じなのが面白かった!

第三部の日本神話。これ、日本の国の始まりのところを日本書記だか古事記だかからかなり抜粋して語りにし、背景の画像(マークエステルという画家の作品らしい)や踊りでつないでいくという作品。ダンスの2倍くらい語りの時間があったように思います。
ダンス部分はよかったと思うんだけど、それ以外はかなりイケてない感じ・・・。作り手側にはストーリーに何等か意図があるのでしょうけど、そういったプロパガンダ的なインパクトもなく、語りのところは眠くなり、ダンスになると目が覚めるという。

気を取り直してダンスの部分。宝満君&唯ちゃんは天地創造。ここは宝満君の振付のセンスが光りました。最初のスモークと照明を効果的に使った演出かっこよかったー!彼の振付には、ストーリーを語る力があるね。最後、黄泉の国の伊邪那美が伊邪那岐を責めるシーン、貞子のように髪を振り乱す振付も秀逸。

そして、円加ちゃんのウズメ。凄かった・・・!和太鼓に合わせて、最初は挑発的に、そして最後は自身もトランス状態に陥ったように踊り狂うウズメ。ライモンダのときとは違い、ものすごい色気のある演技で、なのに、振付自体は男性ダンサーしかやらないようなジャンプ技がてんこ盛り。ウズメの伝説をかなり意識して忠実に再現しようとしたストーリーが伝わってくるし、ちゃんと起承転結になってるし、彼女って振付のセンスも物凄い高いと思う。昨年のBright Stepでも自作の作品を披露してたけど、あれもドラマ性があったしな。うーん菅井円加、本当に大物だわ・・・

八岐大蛇は、他とちょっと違った辻本さんのザ・コンテ。これはこれで、アクセントになっていてよかった。

因幡の白兎はもう、絢子姫が可愛くて!髪をウサギの耳みたいに結い上げてて超キュートハートでも可愛いだけじゃない。彼女ってどんなタイプの踊りでも自分風にアレンジして魅力的にしてしまうところが凄い。福田さんのコミカルなコンテも、彼女が踊ると、とても品がいいけどシャープな、独自の表現になる。スセリヒメも美しかった。でも願わくばもう少し、絢子姫が活きるドラマ性がある振付にしてくれるといいのにな。明治神宮の本番までにブラッシュアップしてくれるといいなー。


というわけで全部終わったら9時過ぎでした。たっぷり3時間、楽しい公演で大満足。来年もこういうレベルならば是非また観に来たい!

あ、そうそう。ホワイエでBright Stepに出演していたダンサーさんを何人かお見かけしました。主催の西島さんもいらっしゃいましたね。
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